けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

短編199

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匿名ユーザー

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最近の律はバイトばかり。
最近の律の口癖は『澪をどこでも好きな所に連れてってやるから』。

最近の私はため息ばかり。
最近の私の口癖は『ばかりつ』。

私たちは世間では日陰者。
私たちは同性の恋人同士。

ある日律が言った。
『みんなが私たちのことを知らない所に行こうか』。

私は言った。
『きっと寂しいよ』。

律は笑った。
『そうだな』って寂しそうに笑った。

『じゃあ少しだけ、ほんの少しだけ遠くに旅行しようか』って。
私たちはその日約束した。

私たちは高校生。
私たちにできることは少ない。

少ない時間の合間を縫って律は働いた。
私には『お金はいいから私のこと待ってて』って。

私は律にバイトを禁止された。
私は代わりに律の学校の仕事を助けた。

そのうち一緒にいる時間がほとんどなくなった。
私はもう待つことしかできなくなった。

律には眩しい口癖。
私には暗い口癖。

ある日『もういいよ、律と一緒にいられればそれだけで』って。
律は『それじゃあ私がだめなんだ』って。

『私じゃ澪を本当の意味で幸せにはしてあげられないから』って。
『せめてこれぐらいはさせて欲しい』って。

律は泣いていた。
律を抱きしめた。

しばらく時間が経って律が泣き止んだ。
目はまだ真っ赤だった。

『今から行こうよ律、私の行きたいところ』。

何も持たずに電車に乗った。
一時間と少し、揺られた。

季節は秋になっていた。
海辺には誰もいなかった。

『本当にこんなところでいいのか』って。
『律と私二人だけの海だから』って。

子供みたいな遊びばかり。
二人ではしゃいだ。

帰りの電車は無口。
ずっと手を繋いでいた。

律はバイトをやめた。
一緒の時間が戻った。

私は幸せだから、律。
大好きだよ、律。



おわり。


  • なんだか切ない。 -- 名無しさん (2013-03-12 06:25:55)
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