投稿日:2010/11/18(木) 21:42:29
「りつ……?」
知らない間に私は押し倒されていた。
律はその勝気な目に涙を溜めて、私に言った。
律はその勝気な目に涙を溜めて、私に言った。
「澪が悪いんだからな……っ!」
――――― ――
その日、私は普段と全く変わらない生活を送っていた。
律を怒らせるようなことをした覚えはない。
律を怒らせるようなことをした覚えはない。
朝は一緒に学校へ行ったし、手だって繋いでいた。
授業中は律の一途過ぎる“ラブレター”を受取ってちゃんと返事も書いてやってたし、
昼休みだってずっと隣に居た。
授業中は律の一途過ぎる“ラブレター”を受取ってちゃんと返事も書いてやってたし、
昼休みだってずっと隣に居た。
放課後は……どうだっただろう。
私としては、ずっと律のことを見ているつもりだったし、だから律のことしか覚えていない。
律が皆の見ていないところで私の贈ったカチューシャを鞄の中で愛おしそうに撫でていたのも、
物置きでイケナイ情事をしていたのも。
私としては、ずっと律のことを見ているつもりだったし、だから律のことしか覚えていない。
律が皆の見ていないところで私の贈ったカチューシャを鞄の中で愛おしそうに撫でていたのも、
物置きでイケナイ情事をしていたのも。
他に律を怒らせることがあるとすれば――……わからない。
さりげなく唯に触れてしまったことだろうか?
上手く演奏できた梓の頭を撫でてしまったことだろうか?
それともムギのお茶を美味しいと言ったこと?
上手く演奏できた梓の頭を撫でてしまったことだろうか?
それともムギのお茶を美味しいと言ったこと?
律は一体、何に対して怒っているの?
ねえ律、教えて?
ねえ律、教えて?
――――― ――
私はそっと律の腕に触れた。
律の肩が、びくりと震えた。
律の肩が、びくりと震えた。
それでも、律の怒ったような表情は変わらなかった。
「澪が、悪いんだっ……!」
目から、大粒の涙を零しても、それでも律は私を押し倒したまま。
だけど、その先には進もうとしない。
私は訊ねた。
だけど、その先には進もうとしない。
私は訊ねた。
「どうして?」
「澪がっ……、他の奴に……!」
「他の奴に?」
「好きだって言ってた……!」
あぁ。
私は思い出した。きっと、和と話している時の言葉を聞いたんだろう。
あれは律のことが好きだって言ってただけなのに。
私は思い出した。きっと、和と話している時の言葉を聞いたんだろう。
あれは律のことが好きだって言ってただけなのに。
「それで律はどうしたいの?」
「澪は私のモノなんだって……、お前の身体に刻み込んでやる!」
「なら早く、刻み込んで?」
「……っ!」
律の頬に手を伸ばす。
優しく優しく口付ける。
優しく優しく口付ける。
「私が悪いんだから」