けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

短編144

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mioritsu

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だれでも歓迎! 編集
投稿日:2010/09/28(火) 04:10:53

「私達男女だったら付き合ってたかな~?」
「…はぁ?」

小雨に捕まった二人はお揃いの傘を刺して帰り道を行く
いつものペース、いつもの距離
傘が邪魔してお互いの顔は見えないけど大体どんな表情でいるか二人とも想像がついた

「なんだかんだ10年も一緒だし、男女だったら恋が芽生えてもおかしくないと思わね?」
「…分かんないよそんなの」
「あ、それとも澪しゃんて男女の友情とか信じちゃうタイプ?!」
「からかってるなら殴るぞ?」

そうは言ったものの濡れるのは嫌なので傘の端を律の傘にぶつけた

「うはっつべたっ!」
「変なこと言う律が悪い」

お叱りを受けてコロコロ笑う律に全く反省の色が無いので澪は呆れて肩を落とす

10年?
男女?
バカバカしい

交差点に突き当たる
信号は赤
周囲を見渡しても雨の中立っているのは律と澪の二人だけ
大きな通りなのに車さえ通っちゃいない

「…なぁ」
「ん…?」
「もし、私達が男女だったら、澪は私と…」

雨粒は勢いを増して容赦なく二人に降り注ぐ
いつしか小雨から本降りになった雨はザーザーと音を立て地上の音をかき消し
まるで全部洗い流してしまえと言わんばかりに渦を巻いて地下へと流れ込む

「…律…」

「…へへ、なーんてな」

信号が青に変わる
でも二人は歩き出さない
澪の手が律の手を掴んで離さないから

「…澪?」
「…うちに来ない?歌詞書くの、手伝って欲しい…」
「……うん」

傘からはみ出た澪の手と握られた律の手はすっかりびしょ濡れだったが
不思議と温かかった




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