けいおん!澪×律スレ @ ウィキ

短編45

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匿名ユーザー

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「へへ」
「……さっきから何笑ってるの、律」
「べっつにー」
笑い混じりに言う。口元がふにゃりと緩んで、なんだかやたらに幸せそうだ。
「ねーみおー」
「うん?」
妙に甘えた声で私の名前を呼んだかと思うと、律はころころとベッドの上を転がってきて、そのままきゅうと抱きついてくる。
……いつも思うけど、律って本当に体温が高い。
しかもなんだかふにふにと言うか、くにゃくにゃと言うか、とにかく柔らかいのだ。

「律って、なんか赤ちゃんみたい」
「む? 華の女子高生に向かってそりゃ失礼だな」
「だって本当だもん。なんかいい匂いするし」
律の腰に手を回して、その首元に顔を埋める。
洗ったばかりの髪から香るシャンプーの香りと、ミルクのように甘い律の香り。
律の香りって……なんていうか、ものすごく落ち着く。

「ちょ、澪。くすぐったいって」
「大丈夫」
「いやいや、それ澪のセリフじゃないし」
私が顔を離しそうにないのを悟ったのか、律はやれやれとため息をついて体の力を抜いた。
というかそもそも先に抱きついてきたのはそっちだからな。これくらいの我儘は許してもらおう。
「ったく、澪こそ赤ちゃんみたいだな」
「いいよ、それでも」
こんな風に律に抱きついていることが許されるのなら、赤ちゃんも悪くないって思う。
「ね、律」
「なんだー」
「私、律のこと好き」
「……知ってるよ、んなこと」
埋めた首元がほんのりと熱を放つ。
好きだよ、律。
律の体温を感じながら、私は何度もそう繰り返した。


…………

……



「ん……」
もぞりと寝返りを打って、私は目を開いた。
真っ暗な部屋。枕もとの時計の針は、深夜の三時を指していた。
ベッドの中。つい先ほどまでそこにあったはずの温もりはない。理由はすぐに分かった。
「あー……全部、夢だ」
あんな風に律と抱き合って眠ったことなんて、一度もない。
あんな風に、「好き」なんて言ったことも、ない。
だってそんなの言えるはずがないじゃないか。私たちは、ただの幼なじみなのだから。
「バカみたいだな、私……」
言えない気持ち。
夢の中で伝えただけで、どこか満足してしまっている。
夢の中で抱き合っただけで、幸せだと思ってしまっている。
「……っくしゅん!」
キンと冷えた空気の中で、くしゃみが漏れる。
寒い。寒いよ、律。律に、会いたい。
そこにない温もりとミルクの甘い香りを求めて、私はそっと目を閉じた。


  • せ……せつねええええ!!! -- 名無しさん (2011-12-18 16:42:37)
  • み、みおしゃん… -- 名無しさん (2013-08-03 21:25:36)
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