「精神医学」47巻3号’2005)より

「心療内科と精神科の役割分担」吾郷晋浩

心身医学的な症状に対し、全人的医療を行う。
「心理社会因子が絡んだ身体症状」を扱う。ただし、神経症とうつは除外。
現状、結構な数が神経症と並べた形で、精神科医が看板を掲げている。
精神科で扱うのは、「身体症状があるが、医学的に説明できないもの」、
なぜ、精神科と心療内科の棲み分けを論じなければいけないかであるが、
まず、心療内科医が自分のやっていることを公開しなかったこと。
次に、精神科よりも抵抗感が少ないと患者に感じられているらしいこと。
心療内科から精神科への要望:
1:こっちから紹介しても行ってくれないから、精神科のイメージアップをしてくれ
2:1996年から標榜が自由になったが、せめて全人的医療を出来るようになってくれ


「精神科医から見た心療内科」青木省三

少なくとも中国、四国では、心療内科と精神科は併記されている。
また、厳密な意味での心療内科医も数が少ない。
内科から回されても、継続的に受診できないし、心身症は専門外だから、心療内科の専門家には増えてほしい。
精神科医の視点:「問題がこじれる前にさっさとこっちに回して欲しい」
心療内科の視点:「患者が行きたがらない」
だから、両科間の対話と信頼が重要である。
どちらにも、全人的な見方は必要である。


「心療内科と精神科の関わり」久保千春 千田要一

向精神薬の発展のため、若干心療内科が初期の精神疾患に対応できるようになった。
(論文内容は、対象疾患の違いと治療法程度)


「大学における心療内科の現状」久保木富房

心療内科の歴史は、内科での位置づけと精神科との住み分けの歴史である。
狭義の心療内科:心身症を診断する
広義の心療内科:全人的治療を念頭に置く
来る患者は、気分障害と不安障害が多い。(多くはパニック障害)
住み分けは出来ているが、精神科が内科研修に力を0入れれば競合する。
家族や地域などの社会療法も、精神科のほうが有利。
最終更新:2007年01月21日 22:37