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狂気の偽装―精神科医の臨床報告  岩波明 新潮社

AC(アダルトチルドレン)、トラウマ、PTSDなどがマスコミをにぎわしたが、本当にそのような精神疾患にかかる人間は数少ない。
PTSDのdefとしては「フラッシュバック」「過覚醒」「回避」が基本症状であり、何年かたってからあれはどうだったとかなどというのはPTSDではない。

→岩波さんは狭義の意味でPTSDとかを使用している。それが良いのか悪いのかはともかくとして、本来の意味のPTSDではないものが一人歩きしだした傾向がある。これは考慮しなくてはならない。

P33「しかし、一方でカウンセリングの弊害を指摘した声も少ないくない。カウンセラーは意識的、無意識的に患者を誘導し、症状を誘発することが可能なのである。カウンセリングの理論は多々あるが、その多くは精神分析を基本にしているものが多い。現在の症状の原因を過去の出来事に求めるのが精神分析の方法である」
→鳥さんがいってたフロイトのカウンセラーによる被害の話し。

P36「トラウマは確かにさまざまな精神疾患を引き起こすことがある。しかし、トラウマの影響を課題に評価するのは誤りである。人の精神にはトラウマを乗り越え克服したり、忘却し消去する力が生来備わっているからだ。」

P45斉藤学氏のACのdefの拡大に対する批判
「実態のない理論であったにもかかわらず、アダルトチルドレンという用語は一人歩きをし、大勢の信奉者を生んだ。その理由は簡単である。ACという概念は病気の症状や性格の問題をすべて患者の外部に求めるものだからである。したがって、すべてのことを親や他人のせいにできるわけだ。性格が内向的であるのも、うつ状態が改善しないのも、自分が悪いのではない。親かだれかのせいでこうなったと主張できるのである。
 これは楽な考え方だ。病気の症状はまだしも、自分に都合の悪いことはみな周囲のせいにできるのである。もう一点この用語が一見明快に説明されたということもあったかもしれない。精神疾患のほとんどはいまだに原因不明である。なぜ自分にこんな症状が出現するのか、多くの患者は当惑している。理由が分からないのは不安なものだ。だから不安を解消するために多くの人々がこのジャルゴン(妄言)にすがったのであった」
↑ACなどの心理ブームに対する辛らつな批判。

フロイトへの批判;フロイトのジャルゴンである「無意識」「抑圧」「トラウマ」にも実はまったく科学性はない。通常の科学的な研究から立証された概念ではなくフロイトが勝手にきめた理屈にすぎない。
ただし、現在の精神医学ではフロイトを一掃するどころか支持する人は多い。

俺の意見としては、この人は自分は力動精神医学を科学的でないといいながら、ものすごく力動精神医学にかたよっているんだとおもう。それは、PTSDとかトラウマとかにたいする簡単なレッテル付けをすることに拒否反応をおこしているから。正当精神医学の人ならばそんなことは考えないとおもう。