邪気眼を持たぬものには分からぬ話 まとめ @ ウィキ

定義としての鬼

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jyakiganmatome

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チラ裏みたいなもんで、単なる覚え書きです。
ストーリーに直接の関係は殆どありません。



概観

鬼といえば一般にはさまざまなバリエーションが存在しますが、イメージとしては角が生え、鋭い爪と牙を持った人型の怪物とて描かれる事が多く、スレの鬼は基本的にそのイメージを踏襲しています。
厳密に言えば上記のイメージは丑寅の方角を鬼門と呼ぶことから、牛の角に虎革の腰巻をつけ、仏教で言う羅刹のイメージが混ざり合って生まれたものです。

また、西洋でいう悪魔と呼ばれる存在とは基本的に同一であると考えます。
これは日本における鬼の語意には「強い」「悪い」と言う意味が含まれて居ることに起因し、聖なる者、もしくは人に対して悪にあたるものの象徴をひっくるめて"鬼"と定義しているからです。
西洋に在る場合を悪魔、東洋に在る場合を鬼、と言うわけです。
よって自キャラの鬼は基本的に羊の角に牙と爪、真紅の瞳に悪魔の尾と言うのがデフォルトの造形です。

まず、このスレにおける鬼を語るに当たって、「蛇」について記述しなくてはなりません。

蛇という動物は文明社会では実感がわきませんが、世界各国の宗教、神話に置いて特別な動物として扱われています。
足を持たない長い体や毒をもつこと、脱皮をすることから「死と再生」を連想させること、長い間餌を食べなくても生きている生命力などにより、古来より「神の使い」などとしてヘビを崇める風習が世界各地で広がっていったからです。
同時に、後発したユダヤ、キリスト系の宗教では既存の宗教観に反発するために「悪魔の使い」とされています(邪神から派生した龍の解釈が東と西で対照的なのもこのためかと)。
聖と悪の象徴という二つの側面を持った存在というわけです。

死と再生の象徴としてはアスクレピオスやカドゥケウスの杖が有名ですし、豊穣の神としての神話も多く伝わっています。
ですがキリスト教において蛇といえば、ルシファーに下ったリリスが遣わし、イヴに知恵の実を齧るよう唆した蛇の話が有名です。
この蛇のエピソードは人を楽園から追放すると同時に、神の奴隷ではなく、自分で考える力を持ったひとつの存在へと人を昇華したという見解もあります。
ここではこのキリスト教の蛇をベースに、蛇神信仰が本来持っていた死と再生を司るという要素をプラスしています。


これらによって、神の子にして、知恵の実を口にしたが永遠の生命を持たない「人間」<=>悪魔の使いで、知恵の実を人に食べさせて自身は永遠の命を持つ蛇、という対比を造っています。


  • その他の神話における蛇
  1. 日本神話における八岐大蛇(豊穣の神)
  2. ギリシャ神話におけるテュポーン(最強の怪物)、ウロボロス(無限の象徴)
  3. 北欧神話のミドガルズオルム(ラグナロクの引き金)
  4. インド神話のアナンタ(世界を支える大蛇)
  5. マヤ神話のククルカン(創世に関わる)

等がありますが、多くが「巨大である」「多頭である」という特徴をもっているため、自分としては思い切って、これらは全て同一視して考えています。
デフォルトとしてはやはり「八岐大蛇」をベースに組み込みたいわけですが、それがどうしたのかというと後述↓

鬼の誕生

スレでは基本的に日本三大悪妖怪の一人、「酒呑童子」を機軸に置いて設定が造られています。
酒呑童子の誕生については諸説ありますが

八岐大蛇の子供説
八岐大蛇が、スサノオとの戦いに敗れ、出雲国から近江へと逃げ、そこで富豪の娘との間で子を作ったといわれ、その子供が酒呑童子という説もある。その証拠に、父子ともども無類の酒好きであることが挙げられる。

越後の国の若者説
絶世の美貌をもっていたことから数々の女性達に言い寄られ、それを断ったことから女性達の怨念を受けて鬼と化した。

この二つの説をベースにしています。


ここで、前述した蛇=八岐大蛇のスタンスを踏まえて
蛇=神、人との対照存在…その子供=鬼=悪の象徴みたいな構図をぼんやりと設定しているわけです。

八岐大蛇(スサノオの敵)=リリスの蛇(ルシファーの嫁)=テュポーン(ギリシャの神の天敵)=ミドガルズオルム(ラグナロクの引き金)--------→の子が鬼=邪悪なスタンスの象徴なんですよ。というのがまず一つ。


もう一つ、越後の国の話での「怨念集合体説」も要素としては取り入れています。
ここから、「鬼は、人の歪んだ愛情、恐怖、憤り、疑心暗鬼のような感情が生み出すんだ」という定義を定めています。

とりあえず鬼ってなんなのよ


とりあえず、このスレにおける鬼の存在は

アンチ・人間

なわけです。



そのせいで人間が目を背けたくなるマイナスな要素(嫉妬、怒り、疑心)なんかを抱きやすくなります。
激情に駆られると周りが見えなくなったり、短絡的、破滅的思考が多くなったり、やたらと世界にとってマイナスな能力を手に入れたりしてしまいます。
だからといって、別に根っからの悪かというとそうでもないのですが。

鬼は素質さえあればどんな人間でも変異する可能性があります。
溜められた鬱憤や、誰も信じられない疑心暗鬼、吐き出しても収まることを知らない怒りなどがその人を満たし、何かの拍子に"人間からズレ"たら、鬼と定義しても良いでしょう。
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