邪気眼を持たぬものには分からぬ話 まとめ @ ウィキ 魔女 後編

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4.魔女 後編




朝日が差し込む。
フラーテルは塀の隙間から降り注ぐ光を見つめていた


昨日も殺し合いをした。


もちろん双子は今日も生き残っている
だが、フラーテルにとってはどうでもよいことであった


生き残って迎える朝が好きだったが、今は夜が好きになっている
―――夜は魔女がいるから






箱庭で魔女"オルドローズ"と出会ってからは、毎日のように会った
数回言葉を交わすと、二人は黙って空を見る。


そんな関係が2週間も続いていた




「この月も、どの月もありのままね」
今日はオルドローズから話しかけてきた
どの月もありのまま と彼女は言う


「お月様は変わらないもん」
「まぁ、そうよね」

確かに、月は変わらない
天に浮かぶ雲や星は日々動いている が、月は動かない

正確には、月も動いているということだが
他ほど変化を感じられない


そんな当たり前のことを、彼女は呟いた


「明日は、ここに来ちゃだめよ」

会話が終わったと思い
再び月を見上げていたフラーテルが疑問の表情を浮かべながら魔女を見る


「どうして…?」

「どうしても。 来たら後悔するかもね」


深くは語らない
ただ、拒絶だけが残る

「お月様、見たいもん…」


・・・・・・・・・・・


「明日は、ここで喧嘩するのよ」

「喧嘩…?」

「まぁ、殺し合いなのだけど」


やはり物騒なことであった
しかしフラーテルはその言葉、"殺し合い"を日常的に行っているために何も思わない


「籠で…?」

「"籠"ね… そういう見方もできるわ…
 でも、たぶんあなたの言っている籠とは違う」

外の世界を区切っている塀を見ながら魔女は言う


「よくわからないけど…」
半分しか理解はできなかったが、フラーテルは口を開く

「どうしてもダメなの…?」


黙って魔女は頷く。


「うー…」

「たまにはお兄ちゃんと遊んでやりなさい」

オルドローズはフラーテルの頭を撫でる


「私のほんの少しのお仕事なの あなたがいるとね 困るの」


そこまで言うと、魔女は岩から腰をあげる

「じゃ、お休み フラン。」


フラーテルは何も言わずに、ただ手を振った





――――――



「皆… 自由にしてあげるからね……」



魔女は今日も一人 用意された部屋で床に就いた