邪気眼を持たぬものには分からぬ話 まとめ @ ウィキ 返答編

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「いやぁ、えげつないっすね親父さん」

暗がりの中から声をかけたのは、セブンだった。
あの一件以来セブンと楓火は親しく、よく勝手に家に遊びに来る事も多い。
竜胆家の人間とも、彼は大分打ち解けてきていた。

「親が出来る事なんて、8割は忠告ぐらいなものだから」
「へー、でも羨ましいっすわ。うちの親はしてくれなかったんで」
「吾輩くらいの世代の人間に言ってみたまえ、喜々として説教を垂れてくれるだろうから」

それは勘弁です、と、セブンはけらけらと笑う。


「…問題を出してから今まで、2分くらいかな。セブン、まだ残り時間は13分あるよ。君もチャレンジしてみたらどうだい?」
「11往復で済むだろ」

即答する。

「往復1分なら間に合うぜ」
「………探偵ってのはすごいねえ」
「全員救いたいなら、嫌でも時間内に解くしかねーじゃん。だいいち、『パズル』なんだから所要時間は制限時間より少なくて当たり前。4分考えられるぜ」

もっとも――――――と、セブンは続ける。

「うちの所長だったらワニを倒して、全員一斉に泳がせるけどな」
「っく………あはははははは!!」

菖蒲は腹を抱えて笑い転げる。

「そうだ、目の前に問題があるなら、それをロジック通りに解き切るか……ロジックを叩き壊すしかない」
「楓火はまあ、苦手だろうなぁ、そういうの。ましてそんな飛び抜けた答え、即答するのは」

菖蒲は満足げな顔を浮かべ、ロッキングチェアの背もたれに寄りかかり、天井を仰ぐ。

「正義の味方気取るなら、そうでなくちゃ」
「結局は期待してんじゃねーか、親馬鹿だな」

くっくっく、と含んだ笑いを二人揃って上げて、それがおかしくてさらに大きな笑い声へと変わって行く。

複雑な父心を、楓火はまだ知る由もない。