邪気眼を持たぬものには分からぬ話 まとめ @ ウィキ エピローグ~星空列車・始発線

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駅のホームでぴたり止まるようにブレーキをかけるのは、素人には難しいことのようだった。
駅員に事情を説明するのが面倒すぎる。
妖怪犯罪に見識のある捜査官を呼んでもらうまでは、懐疑の眼が痛かった。
セブンは右手首が殆ど皮一枚で繋がるような状態で出血多量。
楓火は右腕が脱臼していたために、即座に病院行き。
北斗星4号はそのブルーの身体を、倉庫の中へと進めていく。
自分だけが参考人としてあれやこれやと答えることとなる。
子供たちに全て押し付けてしまうのでは、幾らなんでも大人として格好悪すぎるから、このくらいは請け負ってしかるべきだ。

楓火の表情は、随分と晴れやかだった。
あんなに朗らかな楓火を見るのは初めてかもしれない。
担架で運ばれて行く際に、セブンと軽く拳をぶつけ合ったその姿を見て、なんとなく胸を熱くさせられた。
一回り、二周り、子供は自分の見ていないところで、こんなに早く大人になる。

妻には散々質問責めにあった後、こっぴどく叱られた。
娘は熱を出していたのに、わざわざ自分を迎えに来たいと言って、結局眠ってしまったのだそうだ。
おまけに楓火があの有様では、まあ、正直何を言われても頭を垂れる他ない。

ただ、状況が状況だったものだから、それを正確に妻に伝えようにも長い話になる。
結局、どういった事だったのかと、簡潔に説明することを求められた。
短く的確な言葉を選ぶと言うのがどれ程の難易度を持つのか、日本人はそろそろ思い出すべきであるとは思う。
しかし、自分は最も的確な言葉を見つけていたから、それを妻に言ってやる事とした。
求められれば答えるしかない。
物怖じせずにそれを告げる。


「小説のネタが出来た」


あと、子供が一つ大人になったよ。
続ける前に頬に紅葉を張りつけられた。






劇終