邪気眼を持たぬものには分からぬ話 まとめ @ ウィキ

ⅩⅢ

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jyakiganmatome

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ジュルノ=ジュバァーナ・ⅩⅢ

 今日は振り替え休日だ。
 しかし父上は元気に傭兵事務所へ出勤した。
 父親の充実した労働意欲に水を差すのは何だか気が引けたので、笑顔で送り出すことにする。
 ちなみにこの笑みは自然と込み上げてきたものだ。
 オレの詳細な心情は伏す。


ジュリオ=ジュースター・ⅩⅩⅩⅨ

 いつも通り傭兵事務所へ出勤したら、誰も居なかった。
 サプライズパーティかと思ったが、今日は別に記念日じゃない。自分の思考が極端に虚しい。
 仕方ないので家に帰ったら、我が子は2人ともリビングにいた。
 樹神は最近ますます可愛い。
 愛らしく穢れを知らぬ純粋な瞳、少女らしく柔らかい肩、まだ発展途上な胸のふくらみ、ほどよく引き締まったボディラインと健康的な骨格、素晴らしい将来を予感させる長い手足、ピアニストのようにしなやかな指先、寝転がると意外にも極めて女性的な脚線美、すらりと脱力によってのびた爪先、こうして眺めていると裸体が透けて見えそうな気がするほど女らしいその佇まい、整った頬と唇から洩れる穏やかな吐息には甘い芳香を想像しただけで絶頂すら覚え、大事に秘められた脚の間のふくらみへ想像の中でそっと指を添えて見ればまるで上質なクッションのようにたやすく指が埋まってしまうほど柔らかいのだ、彼女の心臓は早鐘を打ち私のそれも彼女へと同調していく、抱き上げた時に浮き出る華奢な鎖骨へ唇を落とせば唇や舌を触れ合わせるより甘美な快楽に包まれるに違いなく、否どこへ触れても互いに最高の享楽をもたらすであろう、私達はこの全身が何のためにあるのかを確認するように触れ合って、理性すら邪魔に感じる内、ついに互いをとかし合いとけ合う最深の密へと重なって、自我境界線を失うほどの時間と量ただ心地良くも恐ろしく堕ちていくのだ、ステージは肉体から精神へと完全に移行し、戻れない場所で悲痛に咆哮を上げながらも、快感というモルヒネの注射を打たずには打ち合わずにはいられない、(省略)
 ジュルノは漫画を読みながらコーヒーを飲んでいる。何かと可愛げがない。

 「今日は振替休日らしいな。うっかり事務所行っちゃったよ」

  「バカだなあ、父上は!」

 余りにも必死な感じなので、少しからかってみる事にする。

 「お前……、さっき制服着てたよな」

  「せ……制服で気を引きしめて、朝のお散歩を楽しんでただけだ」

 「カバンを持って?」

  「お……重いもの持って運動しようかと」

 「というか、散歩って自転車で?」

  「アフリカのセレブはこうなのさ!」

 「アフリカのセレブは自転車で学校に行くと?」

  「左様! セレブたるもの学校くらい行かないと!
   ……アッー、行ってないないないない」

 「やっぱりお馬鹿だ」

  「あんたに似たかなぁ……」


 ジュルノは、自分が主役である外伝で食われていることをどう思っているのだろう。 
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