邪気眼を持たぬものには分からぬ話 まとめ @ ウィキ

聞き込み

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jyakiganmatome

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情報屋と会った後一度家に帰った。
まずはシャワーを浴びた、いくら曇りとは言え不快に感じるくらいは汗をかいた
からだ。

そして仕事着に着替え、その下にナイフやブレードなどを隠しておく。
もちろん普段から着けている「ナージェル」も忘れずに着け直す。

この「ナージェル」は俺が一番愛用している武器で、一見すると金属製のブレス
レットだが
俺が意識すると脳から電気信号が伝わり手の内側の二つの穴から、普段は格納さ
れている長さ25cm程の刺突用の刃が飛び出す仕組みだ。

相手を静かに殺すする必要がある俺にはピッタリの武器と言うわけだ。
これとベルトも妹のアウルが作った物だが
これらを作れるアウルの才能には本当に驚かされる。
兄や姉に勝る弟や妹は居てはいけない筈だが残念ながら完敗だ、俺には暗殺しか
出来ない。


まあ…お母さんは某悪組織で兵器開発部の主任だから、その才能を100%継いだん
だろう。


装備を整えた後、サンドイッチとオレンジジュース、たい焼きと少し多めの軽食
を済ます。
もしかしたら晩飯までに戻れないかも知れないからだ。

その後机の上にアウルに仕事で遅くなる旨を書いたメモを置いておく。
どうやらアウルはまた不良達のバイクを改造しにいったらしい
俺が言える事では無いが凄く危なっかしい気がする。
まあアウルに何かあれば例え相手が今回の依頼主の様な大企業だろうが潰す覚悟
位はある。


…まあしばらくはそんな事も無いと願おう。



さて……ようやく準備が出来た、幸いにも番地までは特定出来てないとは言って
もその地域は荒廃とした場所だ。恐らく廃墟か何処かだろう、しかも9人もいると
したら見張りも居るはずだ。


俺はフードを被り外に出て歩き始めた、流石に仮面は着けない
フードで顔を隠している意味がなくなるからな…。



1時間程歩いただろうか…
走ったり建物の上を跳んだりすればもっと早いのかもしれないがこんな真っ昼間
からそんな事をすれば自殺行為だ。

どうやらこの辺りが目的地の様だ。
昼間だと言うのに人影は疎らで、その人影さえも小走りで家に帰る一般人や酔い
つぶれ、ガラの悪い奴らばかりだ。
なるほど、あまり治安がいい場所では無さそうだ。


まずはここでも情報収集だ。
雇われた殺し屋は昔からここを根城にしてるらしいから、恐らくここらの悪党は
しってるはずだ。
と言うわけで適当なのを探そうと思っていたら、向こうからいかにもってやつら
が三人でこちらに寄ってきた。


『おい、お前……さっきからなに周りをジロジロ見てんだ?』

「特に理由は無い、お前等に聞きたい事があるのだが…」

『聞きたい事だ?まあこっちにこいよ』

そう言うと人目に付かない路地裏に誘導される。まあもうなにされるか解りきっ
ているが…


「で、質問していいのか?……」

『お前みたいな不審者に話す事なんかねぇよ、それよりお前ここの奴じゃねぇだ
ろ?だったら金を持ってるんじゃねえのか?』


「…まあ少しは持ってるが……よこせと?」

『そういうこったな、じゃないと殺して追い剥ぎをすることになる』


……なるほど…これはむしろ好都合だ。あの場所だったらいくらなんでも騒ぎに
なるがここなら何とかなるだろう。

「ならしてみればいい、しかし逆に俺が勝ったら情報を吐いてもらおう」

それを聞いて三人が笑い出す。


『おいおい、勝てると思ってるのかよ?馬鹿じゃねえのか?』

「ならば来ればいい、勝てるんだろう?」


その言葉に反応したのか一人がこちらに走ってくる、そしていきなり右の拳が飛
んできた。

それを軽く避け、体勢を崩したそいつの首を、後ろからナージェルで突き刺す。
鮮血が吹き出し、その場に崩れ落ちる男
悲鳴を上げるまでも無い、即死だ。

動揺している二人を無視してナージェルを引き抜く。その刃にはべったりと血が
付いていた。

「さあ……来いよ」
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