邪気眼を持たぬものには分からぬ話 まとめ @ ウィキ 夏の日のナナカマドの話

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暑い。

7月。
とうとう来てしまった。
もう蒸し暑いとかそういう問題じゃない。
太陽ってばジリジリ照りつけ過ぎ。何かしたか、俺。

学生連中はもうすぐ夏休みだぜイヤッホウ!
なんてはしゃいでるけど自営業な俺には関係なく、むしろ夏休みだからって無暗に小さな依頼が届いて忙しい。
8月はもっと酷いだろうな。何せ祝日が皆無なんだぜ。
盆休みでもとってアリスと海水浴にでも行きたいけど、断られそうだな。

隣のアパートは相変わらず賑やかそうで、悪くはないんだが若干暑苦しい。
よく見かける胸の大きい色黒の女の子が、ベランダに洗濯物を干す光景だけは割と目の保養になるけど。
なんか子供の声も聞こえるし、人妻なんだろうけど、どんな幸せ者が旦那なんだか。
そういやあそこは菖蒲も住んでたな…いやいや、年齢からいって現実的じゃない。

ていうかあのアパートは美人も多いけどみんな変ってるんだよね。
運送業のポニテの女の子のとこはいっつも謎の野生動物が出入りしてるし。
スラっとした三つ編みの女の人(そういやたまに色黒の子と同じ部屋の窓から見かけるな…仲良いのか?)は目が猛禽類だし。
聞いた話じゃメカっ子もいるらしいけど、俺がここに住み始めてから一回も見たことない。
男は菖蒲と、後はサル連れた陽気なお兄さんとでっかい醤油さし持ち歩いてる男の子くらいしか見ないしなぁ。

まあ女の子っつっても十人十色だけど、やっぱ誰もアリスには及ばないね。
こないだカップ麺の取り合いしたお姉さんには若干心揺らいだとこもあるけど、ちょっと歳が離れすぎ。
それに俺、別に巨乳派じゃないし。


………何の話だっけ?
いや冗談、解ってる解ってる。
その出張先の部下さんから届いた手紙が気になるってんだろ。
あまり怖い笑顔浮かべないでよ、せっかく美人なのに台無しだよ。
だから怒るなって、男に美人って言って何が悪いのさ。

まあ、君は知らない仲じゃないしね。
捜査料はある程度サービスしてあげるけど、その代りと言っちゃなんだが、俺の商売はJ3の許しを得てるってことにしてくれないかな。
あまり縄張りを荒らすと怒る人たちがいるからさ。
OK、俺の働き次第ってことね。
じゃ、さっそくその手紙を読もうか。

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│ 一筆啓上。こんな時代遅れである文頭挨拶の│
│手紙は、現代では奇妙な手紙さ。何分にも古都│
│生まれの、古い人間なので仕様が無く、この頑│
│迷固陋さはもう変わらない。今は異界語がたく│
│さん仕様され、皆がそれらを使うけど、私には│
│とても驚異的。私がまずまず読めるのは魔術文│
│字だけだし私も知識として頭脳に入っている異│
│界語が、皆無とは断言は出来ん。手紙にも秘密│
│の異界言語がある。是非探すよう。頓首再拝。│
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……なるほどなるほど。
不味いよこれ、その部下さんどこに居るの。
これ、かなりヤバめな状況かもしれないよ。


……解らないって?
頭硬いんだよなぁ、こんなの見たままじゃないか。
ウチの門番ならポテチ食う傍らに解ける問題だよ。
ちなみにその人、異世界人?ああ、なるほどね。じゃあこっちの言葉は異界言語なわけだ。
言うなればあんた、視野が狭いのさ。