29番・

 森本ユウヤが体調を崩して家で寝ていると、
「ユウヤ、大丈夫?」
「ミ、ミカ?」
 突然、隣に住む吉田ミカがやって来たのに戸惑い、
「体を拭いて上げるわよ」
「ベ、別に良いよ」
「遠慮しないの」
「で、でも」

 ミカがユウヤの体を拭くためにパジャマを脱がすと、胸の辺りが腫れており、
「ど、どうしたのよ?」
「じ、実は?・・・」
 ユウヤが事情を説明すると、
「そういう事か」
「僕だって好きで女になった訳じゃ・・・」
「それよりも治ったら一緒に行かない」
「ど、どこへ?」
 するとミカはユウヤにチラシを見せ、
「温泉か」
「母さんも一緒だから心配ないわよ」

 数日後、ユウヤがミカの家に向かうと、
「あ、あの・・・」
「ユウ君、元気になって良かったね」
「エッ?」
「ミカから聞いたわよ」
 ユウヤはミカに近付き、
「黙って欲しかったのに」
「別に良いじゃないの」
「ユウ君、せっかくの旅行を楽しまなくちゃ」
「は、はい」

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最終更新:2011年08月22日 18:33
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