「もうすぐ寒中水泳大会だな」
ホームルームでクラス対抗で行われる寒中水泳大会の話題が出ると、
「ケンイチ、期待しているぞ」
「お前がいれば大丈夫だ」
水泳部に所属する深川ケンイチに期待が集まるのだが、
「どうした?」
「な、何でもありません」
ケンイチは何故か浮かない顔をしており、
「何て事だ」
ケンイチが帰宅すると、小学生である弟のケンジが、
「兄ちゃん、どうしたの?」
「何でもない」
「試験の成績が悪かったの?」
「ち、違う」
ケンイチにとって試験よりも厄介な事態が迫ろうとしていた。
寒中水泳大会の当日、ケンイチにとっては乙女実習の初日でもあり、
「いよいよだな」
すると、ケンイチは股間がめり込んでいくような感覚を抱き、
慌てて制服を脱ぐと、股間から男性器が消え、
しばらくして胸が膨らんで、肩幅が狭まって、腰周りが細くなり、
お尻の辺りが丸みを帯びていくが、
「こうなったら覚悟を決めるしかないな」
着替えを済ませると、
「どうした?」
「さっきからじろじろ見られている気がする」
ケンイチは自分の水着姿を見られるのに恥ずかしさを感じていたが、
「あまり気にするなよ」
ケンイチは恥ずかしいのをこらえながら競技に臨むのだが、
「偶然にしては出来過ぎだろう」
偶然にも乙女実習生限定競技に参加する生徒が皆、水泳部の部員であり、
「深川とかも出ているとなると楽に勝てそうにないな」
最終更新:2012年10月21日 20:13