この還流CDの市場規模は推定で68万枚程度とまだ微々たるものだが、このまま拡大していけば、国内の邦楽CD市場を根底から揺るがしかねない。
というのも、海外市場向けCDはその国の市場実勢にあわせた価格設定が行われているが、日本では再販制度によって邦楽CDの価格維持が図られている。ジャケットや曲タイトルが中国語や韓国語などであることを除けば、還流CDの“中身”はリスナーにとって国内版となんら変わりはない。レーベル側からすると、還流CD市場の拡大は、再販制度の実質的な形骸化をもたらしかねないからだ。