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週刊現代 2007.1.6-13(合併号) 39~39ページ **福島、和歌山、宮崎・・・・・ "知事腐敗"が摘発する特捜検察が狙う最後の大物 *石原慎太郎ファミリー"都政私物化"に新疑惑 >「相手が強けりゃなお良いじゃないか。十中八九はかなわねえ奴でも、万が一ニにはチャンスが有るんだからね」――石原慎太郎都知事の名作『太陽の季節』の一節だが、1265万の東京都民が相手では、さすがに勝ち目はない。 **親バカ、身びいきに都民から1000件のクレームが   かの石原裕次郎の兄という人気を笠に、批判には強気一辺倒で挑んできた石原慎太郎都知事(74歳)だが、今回ばかりは苦しい。次々と噴出する疑惑に、さすがに立ち往生気味である。   知事本人の豪華海外出張、四男で画家の延啓氏(40歳)が公費で出張した問題、都知事の発案で'01年から始まった『トーキョーワンダーサイト』事業に延啓氏がアドバイザーとして参加し、都が突出した支援を行っていたことなど、「石原ファミリーによる都政の私物化」疑惑に、都民の視線は冷ややかだ。   12月19日午後5時までに、都庁に寄せられた知事への批判件数は、 ●ぜいたく公費出張=619件 ●四男の身びいき的登用=402件 ●いじめ自殺問題での自殺予告批判発言=180件   と、併せて1201件に達している。   これでは3選を狙って出馬を表明した'07年4月の都知事選は、苦戦必死の状況である。   公共経済学が専門の黒川和美・法政大学経済学部教授が言う。 「人口が集中し、日本全体の経済を左右する東京都の知事ともなれば、首相を一喝できるほどの特権者です。   石原都知事は独自のパイプで有能な人材を探し、鶴の一声で起用している。それ自体はすごい才能なんですが、四男を使うことには疑問があります。仮に、石原都知事が周囲に集まるイエスマンたちの評価を鵜呑みにして、四男を『余人をもって代えがたい』と使っているなら、親バカですよね。やはり、民主主義を貫くためにも文化事業に知事の親族を起用するのは間違っています。共産党の言い分は非常に民主的なんです」   出張問題の追及など、"都政私物化"批判の急先鋒となっているのが、共産党都議団である。同都議団の吉田信夫幹事長が言う。 「身内にだけ大盤振る舞いし、批判されても反省しない知事の姿勢に、都民の怒りが集中しているのです。われわれはさらなる調査を続けており、今後も新たな事実に基づいて徹底的に追求していきます」 **水谷建設事件だけではない「最強の捜査機関」の狙い   この言葉どおり、共産党都議団は、石原ファミリーによる公務私物化はほかにもあるとして、新疑惑に狙いを定めている。 「豪華出張についての疑惑はまだまだ噴出しています。まず台湾出張については、知事は5回も訪台し、台湾総裁にも会っているのに、北京などには一切行っていません。国としての対中外交方針とは関係なく、自己の政治的な活動のために公務出張を利用しているという疑惑がある。   また、ニューヨークのハドソン研究所では、横田基地の共用問題に関する公演をしているようです。詳細はまだ明らかにされていないが、基地返還に関して、国益に反する公演をした可能性が高いのです。   オリンピック招致を目的としたイギリス出張についても、ロンドンでの実質的な関係者との会談は20分ほど。そして30分間ヘリでロンドンの競技場などの施設上空を飛んだだけ。そこからマン島視察に行くのですが、これも単にオートバイのマン島レースを見るためだけという疑惑があります」(共産党都議団事務局)   そんな石原都知事に、虎視眈々と狙いを定めるのは、「最強の捜査機関」東京地検特捜部だ。   '06年12月15日には、同部部長の大鶴基成氏の異動と、八木宏幸氏の特捜部長就任が発表された。全国紙司法担当記者が解説する。 「大鶴部長は'05年9月、そして'06年9月と異動を延ばして水谷建設事件の捜査を進めてきました。まず、福島県の佐藤栄佐久前知事の逮捕に至り、そして東京電力福島第二原発の残土処理をめぐる60億円の行方、中部国際空港建設をめぐる砂利利権の捜査を進めてきた。しかし、ここへきて急浮上したのが石原ファミリーとの密接な関係です。脱税容疑で逮捕された水谷建設元会長の水谷功被告(61歳)が石原知事との関係を供述しているようです」   水谷建設と石原都知事との密接な関係を示したのが、東京・銀座の高級料亭『吉兆』を舞台とした会合である。'05年9月14日、吉兆に出向いた石原都知事と三男の宏高氏(42歳)が、元衆議院議員の糸山英太郎氏、水谷功被告と会談。そこで、石原氏側が焼酎の化粧箱に入った2000万円を"お土産"として持ち帰ったという報道もある。   三男・宏高氏は、石原軍団の全面バックアップの中、'03年の衆院選に立候補したが、あえなく落選。'05年の「郵政選挙」でようやく初当選を果たした。この選挙に絡んで、新たな体制で挑む特捜部が、水谷建設ルートとは別に重大な関心を示す疑惑があるという。 「都知事が提唱して設立させた、中小企業向け融資銀行の『新銀行東京』、特捜部はこれに注目しています。宏高氏の選挙地盤である品川区と大田区の一部に融資先企業が多い。特捜部はどのような経緯で融資がなされたかを一件一件洗っている。捜査の進展次第では、"融資と票"の関係が浮上する可能性もある。ある特捜部関係者は、『今まで特捜部が手がけたことのない、新しい事件になる可能性がある』と漏らしていました。その捜査指揮を、八木新部長が取ると見られているのです」(前出・司法担当記者) **どこまでも説明責任を果たさない   新銀行東京は'05年4月に開業し、都は1000億円を出資したが、'06年9月期の中間決算では約154億円の赤字となった。巨額の血税を投入しながら、あえなく破綻寸前である。   宏高氏の選挙区に陣取る共産党の黒沼良光・太田区議が言う。 「新銀行東京に関しては、われわれも大いに関心を持っています。設立当時は中小企業の活力源になる、と期待していました。しかし、融資を受けようと訪れた工場経営者は、銀行で『お宅は飲食店で言えば、せいぜいラーメン屋レベルだ』と言われたという。この辺りには多くの零細企業があるのに、そこに貸さないなら、いったいどこを融資先に考えていたのか。  銀行設立自体も急なタイミングで、私たちは宏高氏の選挙対策ではないかという疑問を持っています」   石原宏高議員に、'05年総選挙の際、新銀行東京の融資先企業から選挙応援を受けたのか、事実関係を尋ねたところ、こう答えた。 「新銀行東京の融資先企業を把握しておりません。具体的な会社名がわかりませんと、支援を受けたかどうかもわかりません」   一方、東京都庁都知事室に「都政の私物化」という都知事の批判に対する石原都知事のコメントを求めたが、回答はなかった。   前宮城県知事で慶応大学教授の浅野史朗氏が言う。 「石原都知事は今回の問題についてほとんど説明をしていない。木で鼻を括ったような発言をしているだけでは、世間も納得しないでしょう。税金が使われている以上、都民が納得できるような説明をすべきです」 **石原知事の海外出張の内容と経費 (2001年6月以降) |出張先|期間|主な目的|夫人同伴|経費(円)| |エクアドル共和国(ガラパゴス諸島)|2001.6.11~21(9泊11日)|ガラパゴス諸島視察(環境保護、環境振興)||14,442,581| |アメリカ合衆国(ワシントンD.C.)|2001.9.8~14(5泊7日)|米国政府要人との会談及び講演|○|21,612,492| |シンガポール共和国|2002.4.22~25(3泊4日)|情報通信関連施設視察||5,635,987| |インド(デリー準州)|2002.11.17~25(8泊9日)|アジア大都市ネットワーク21総会出席|○|22,665,393| |アメリカ合衆国(ハワイ州)|2003.11.19~27(3泊5日)|シンポジウムに出席||9,775,639| |スイス連邦(ダボス)・フランス(パリ)|2004.1.19~27(7泊9日)|世界経済フォーラム(ダボス会議)出席||28,154,480|  
週刊現代 2007.1.6-13(合併号) 39~39ページ **福島、和歌山、宮崎・・・・・ "知事腐敗"が摘発する特捜検察が狙う最後の大物 *石原慎太郎ファミリー"都政私物化"に新疑惑 >「相手が強けりゃなお良いじゃないか。十中八九はかなわねえ奴でも、万が一ニにはチャンスが有るんだからね」――石原慎太郎都知事の名作『太陽の季節』の一節だが、1265万の東京都民が相手では、さすがに勝ち目はない。 **親バカ、身びいきに都民から1000件のクレームが   かの石原裕次郎の兄という人気を笠に、批判には強気一辺倒で挑んできた石原慎太郎都知事(74歳)だが、今回ばかりは苦しい。次々と噴出する疑惑に、さすがに立ち往生気味である。   知事本人の豪華海外出張、四男で画家の延啓氏(40歳)が公費で出張した問題、都知事の発案で'01年から始まった『トーキョーワンダーサイト』事業に延啓氏がアドバイザーとして参加し、都が突出した支援を行っていたことなど、「石原ファミリーによる都政の私物化」疑惑に、都民の視線は冷ややかだ。   12月19日午後5時までに、都庁に寄せられた知事への批判件数は、 ●ぜいたく公費出張=619件 ●四男の身びいき的登用=402件 ●いじめ自殺問題での自殺予告批判発言=180件   と、併せて1201件に達している。   これでは3選を狙って出馬を表明した'07年4月の都知事選は、苦戦必死の状況である。   公共経済学が専門の黒川和美・法政大学経済学部教授が言う。 「人口が集中し、日本全体の経済を左右する東京都の知事ともなれば、首相を一喝できるほどの特権者です。   石原都知事は独自のパイプで有能な人材を探し、鶴の一声で起用している。それ自体はすごい才能なんですが、四男を使うことには疑問があります。仮に、石原都知事が周囲に集まるイエスマンたちの評価を鵜呑みにして、四男を『余人をもって代えがたい』と使っているなら、親バカですよね。やはり、民主主義を貫くためにも文化事業に知事の親族を起用するのは間違っています。共産党の言い分は非常に民主的なんです」   出張問題の追及など、"都政私物化"批判の急先鋒となっているのが、共産党都議団である。同都議団の吉田信夫幹事長が言う。 「身内にだけ大盤振る舞いし、批判されても反省しない知事の姿勢に、都民の怒りが集中しているのです。われわれはさらなる調査を続けており、今後も新たな事実に基づいて徹底的に追求していきます」 **水谷建設事件だけではない「最強の捜査機関」の狙い   この言葉どおり、共産党都議団は、石原ファミリーによる公務私物化はほかにもあるとして、新疑惑に狙いを定めている。 「豪華出張についての疑惑はまだまだ噴出しています。まず台湾出張については、知事は5回も訪台し、台湾総裁にも会っているのに、北京などには一切行っていません。国としての対中外交方針とは関係なく、自己の政治的な活動のために公務出張を利用しているという疑惑がある。   また、ニューヨークのハドソン研究所では、横田基地の共用問題に関する公演をしているようです。詳細はまだ明らかにされていないが、基地返還に関して、国益に反する公演をした可能性が高いのです。   オリンピック招致を目的としたイギリス出張についても、ロンドンでの実質的な関係者との会談は20分ほど。そして30分間ヘリでロンドンの競技場などの施設上空を飛んだだけ。そこからマン島視察に行くのですが、これも単にオートバイのマン島レースを見るためだけという疑惑があります」(共産党都議団事務局)   そんな石原都知事に、虎視眈々と狙いを定めるのは、「最強の捜査機関」東京地検特捜部だ。   '06年12月15日には、同部部長の大鶴基成氏の異動と、八木宏幸氏の特捜部長就任が発表された。全国紙司法担当記者が解説する。 「大鶴部長は'05年9月、そして'06年9月と異動を延ばして水谷建設事件の捜査を進めてきました。まず、福島県の佐藤栄佐久前知事の逮捕に至り、そして東京電力福島第二原発の残土処理をめぐる60億円の行方、中部国際空港建設をめぐる砂利利権の捜査を進めてきた。しかし、ここへきて急浮上したのが石原ファミリーとの密接な関係です。脱税容疑で逮捕された水谷建設元会長の水谷功被告(61歳)が石原知事との関係を供述しているようです」   水谷建設と石原都知事との密接な関係を示したのが、東京・銀座の高級料亭『吉兆』を舞台とした会合である。'05年9月14日、吉兆に出向いた石原都知事と三男の宏高氏(42歳)が、元衆議院議員の糸山英太郎氏、水谷功被告と会談。そこで、石原氏側が焼酎の化粧箱に入った2000万円を"お土産"として持ち帰ったという報道もある。   三男・宏高氏は、石原軍団の全面バックアップの中、'03年の衆院選に立候補したが、あえなく落選。'05年の「郵政選挙」でようやく初当選を果たした。この選挙に絡んで、新たな体制で挑む特捜部が、水谷建設ルートとは別に重大な関心を示す疑惑があるという。 「都知事が提唱して設立させた、中小企業向け融資銀行の『新銀行東京』、特捜部はこれに注目しています。宏高氏の選挙地盤である品川区と大田区の一部に融資先企業が多い。特捜部はどのような経緯で融資がなされたかを一件一件洗っている。捜査の進展次第では、"融資と票"の関係が浮上する可能性もある。ある特捜部関係者は、『今まで特捜部が手がけたことのない、新しい事件になる可能性がある』と漏らしていました。その捜査指揮を、八木新部長が取ると見られているのです」(前出・司法担当記者) **どこまでも説明責任を果たさない   新銀行東京は'05年4月に開業し、都は1000億円を出資したが、'06年9月期の中間決算では約154億円の赤字となった。巨額の血税を投入しながら、あえなく破綻寸前である。   宏高氏の選挙区に陣取る共産党の黒沼良光・太田区議が言う。 「新銀行東京に関しては、われわれも大いに関心を持っています。設立当時は中小企業の活力源になる、と期待していました。しかし、融資を受けようと訪れた工場経営者は、銀行で『お宅は飲食店で言えば、せいぜいラーメン屋レベルだ』と言われたという。この辺りには多くの零細企業があるのに、そこに貸さないなら、いったいどこを融資先に考えていたのか。  銀行設立自体も急なタイミングで、私たちは宏高氏の選挙対策ではないかという疑問を持っています」   石原宏高議員に、'05年総選挙の際、新銀行東京の融資先企業から選挙応援を受けたのか、事実関係を尋ねたところ、こう答えた。 「新銀行東京の融資先企業を把握しておりません。具体的な会社名がわかりませんと、支援を受けたかどうかもわかりません」   一方、東京都庁都知事室に「都政の私物化」という都知事の批判に対する石原都知事のコメントを求めたが、回答はなかった。   前宮城県知事で慶応大学教授の浅野史朗氏が言う。 「石原都知事は今回の問題についてほとんど説明をしていない。木で鼻を括ったような発言をしているだけでは、世間も納得しないでしょう。税金が使われている以上、都民が納得できるような説明をすべきです」 **石原知事の海外出張の内容と経費 (2001年6月以降) |出張先|期間|主な目的|夫人同伴|経費(円)| |エクアドル共和国(ガラパゴス諸島)|2001.6.11~21(9泊11日)|ガラパゴス諸島視察(環境保護、環境振興)||14,442,581| |アメリカ合衆国(ワシントンD.C.)|2001.9.8~14(5泊7日)|米国政府要人との会談及び講演|○|21,612,492| |シンガポール共和国|2002.4.22~25(3泊4日)|情報通信関連施設視察||5,635,987| |インド(デリー準州)|2002.11.17~25(8泊9日)|アジア大都市ネットワーク21総会出席|○|22,665,393| |アメリカ合衆国(ハワイ州)|2003.11.19~27(3泊5日)|シンポジウムに出席||9,775,639| |スイス連邦(ダボス)・フランス(パリ)|2004.1.19~27(7泊9日)|世界経済フォーラム(ダボス会議)出席||28,154,480| |台湾(台北)|2004.5.18~21(3泊4日)|陳水扁総統就任式出席||2,257,706| |アメリカ合衆国(レッドウッド国立公園)|2004.6.23~7.2(8泊10日)|都立自然公園の新たな仕組みを検討|○|21,356,640| |台湾(台北・花蓮・知本)|2004.10.24~28(4泊5日)|台湾の観光資源視察、観光施策意見交換||1,231,990| |インドネシア(ジャカルタ)・ベトナム(ハノイ)|2004.11.20~27(7泊8日)|アジア大都市ネットワーク21総会出席||22,023,593| |台湾(台北)|2005.9.6~9(3泊4日)|政府関係・自治体関係者との会談||3,984,500| |アメリカ合衆国(ワシントンD.C.・ニューヨーク)|2005.11.2~9(6泊8日)|ニューヨークシティマラソン視察||22,633,873| |台湾(台北)|2006.4.11~15(3泊5日)|アジア大都市ネットワーク総会出席||15,040,368| |イギリス(ロンドン)・マン島|2006.5.28~6.3(5泊7日)|オリンピック招致方策等調査・視察||35,736,612| >経費の合計(円) 2億4355万7635円  

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