402 :VIP村人o:2006/11/22(水) 12:38:26.12 ID:lAyocStI0
 ――風が、頬を撫でた。

 身体が悪寒に近い寒気を感じ、男は眼を覚ました。
 布団の下で何枚もの毛布にくるまっていたのに鳥肌が立つほど寒かった。
 寝る前に妹と怪談話をしていたので、ふすまを開けっ放しにしたまま妹は部屋から出ていったのだろうと呆れ、半身を起こした。
 妹はかなりの怖がりなので、今頃は寒さと関係なく震えているだろう、
ふすまを開けっ放しにしていたのは怪談の内容で頭が一杯だったからかもしれない、と苦笑し、ふすまに目を向けた。
 部屋に一つだけの出入り口は完全に閉じられていた。
 どうやら推測は外れたらしかった。
 ならば窓が開いているのだろうか。
男は振り向くが窓はカーテンに覆われ、カーテンは見た限り風で揺らいではいないようだった。
 おかしいな、と首を傾げて立ち上がる。もしかしたら風が無いだけで窓は開いているのかもしれない。
「……寒い」
季節は秋の半ばだというのにまるで真冬と錯覚するほどだった。
男は肌を刺す冷気に身を震えさせながら窓に近づいた。
 夜闇の中、足の踏み場はよく見えた。カーテンを通して部屋に差し込む月光がやけに明るかったからだ。



403 :VIP村人o:2006/11/22(水) 12:39:22.31 ID:lAyocStI0
 ぐし、ぐし、
暗闇の静寂に畳みを踏みしめる音だけが奇妙な程よく響いていた。
男は自身の足が畳を潰していく音になぜか胸騒ぎを起こし、無意識のうちに心に不安が差し込んでいた。
 ぐし、ぐし、
 歩む足に合わせて坦々と畳が潰れていく音が追いかける。
 慣れ親しんだはずの畳の感触は泥沼のように不愉快だった。
一歩進むごとに不安は積み上げられ、歩む足は知らず知らずと急がせられた。
ぐし。
 カーテンの手前に辿り着く。畳を踏む音もう聞こえないし、後は窓を閉めてしまえばゆっくり眠れる。
男は気付かないうちに安堵を感じ、大きく息を吐いていた。そして脱力した手を白いカーテンに手を伸ばし、

 なぜかその手を引っ込めてしまった。

 不思議そうに男は自身の手を見つめ、首をかしげる。そして再びカーテンに手を掛け、一気に開けた。
眩しいほどの月光が男と部屋を照らし出した。


 ――――何か、白いモノがこちらを向いていた。



404 :VIP村人o:2006/11/22(水) 12:40:58.26 ID:lAyocStI0
 窓は完全に閉じられ、外は空に浮かぶ満月が作る格段に明るい夜の世界が広がっている。
そして部屋の外と中を挟んだ窓硝子には暗闇の中で鏡と同じように志尖自身の姿を映し出している。
硝子の中の男は見飽きた位に長年親しんだ自身の部屋に立っていた。
 何処も異常はない。
 いつものように変わらない部屋がそこにあるのを見て、男はただの気のせいか、もしくは外に野良猫でも居たのだろうと考えた。
「何びくついてんだ俺」
 自分の情けなさに呆れ、男は深い溜息をついた。
 窓の外に広がる恐ろしいほどに明るい夜と、窓に映る自分の姿を一瞥し、カーテンを閉じた。
 布団の中に戻ると、自信の体温で暖められていて心地よい温度だった。
嫌なことなんて全部忘れられるような柔らかな暖かさは心地よい眠気を誘い、男の目蓋をゆっくりと閉じさせていった。
 ――あれ?
 よく分からないが何かが“違う”気がした。
 まるでボタンを一つ掛け間違えたシャツを着ているような小さな違和感を感じた。



405 :VIP村人o:2006/11/22(水) 12:41:16.20 ID:lAyocStI0
 しかし布団のぬくもりが誘う眠気には抗えず、男の思考は“それ”がなんなのか追求出来なかった。
 泥のように沈んでいく意識の混濁の中、最後にふっと疑問が浮かび上がった。

 そういえば、なんで起きたんだっけなぁ……

 その疑問もすぐに睡魔の中に埋もれていった。そして考える間もなく男は安らかに眠り始めた。
窓に映るモノは必ずしも外にいる訳ではない、と知っていながら。







 ――ぐし、


421 :VIP村人XL:2006/11/22(水) 18:16:02.11 ID:5fX2pIzLO
俺は退屈していた。
親父のコネで、なんの苦労もせずに警官になった。
パトロールと称した散歩を毎日繰り返すだけ。
それだけで高卒にしては多すぎる金が手に入るのだ。
これが退屈以外のなんだというんだ?

その日も俺は退屈していた。
リアルじゃない日常に、自我を殺されかけていた。
霞みのかかった思考を抱えて、いつものようにパトロールに出て……

そして、路地裏で俺は見てしまった。
人間……いや、人間であったと思われるモノを。
四肢は乱雑に散らばり、腹部は肉が綺麗に剥がされ内蔵が露出している。
眼は刳り貫かれ、鼻は削がれ、口には自らの肉が詰まっている。
頭部は砕かれ、脳と金髪がシェイクされている。
股間はぐしゃぐしゃに潰され、ピンクに染まって――――


422 :VIP村人XL:2006/11/22(水) 18:18:03.64 ID:5fX2pIzLO
「うぇっ……げぼっ」
突然視界が暗転し、嘔吐した。鼻を胃液の匂いが突き上げる。

――なんだ、これは?
死体だ。それは分かる。
殺人だ。それも分かる。
警察に――俺が警官だ。

「お兄さんそのカッコ、警官ですね?」

心臓が跳ね上がった。
鈴を鳴らすような声に振り返ると、そこにはセーラー服を着た少女の姿。
赤に染まったセーラー服と右手のナイフが、全てを物語っていた。

「ありゃりゃ、見ちゃいましたか……」
「……っ」
「でもあの人が悪いんですよ?私を路地裏に連れこんで、悪戯しようとしたんですから」

俺は混乱の嵐に呑まれていた。
思考は止まり、現実は吹き飛び、死が身近に迫って……


423 :VIP村人XL:2006/11/22(水) 18:22:20.32 ID:5fX2pIzLO
「……お兄さん、どうしたんですか?」
「……何がだ」
「だって……あんなモノ見て楽しそうに笑ってるなんて、変です」

そう、俺は笑っていた。
楽しくて仕方なかった。
俺の中の、何かが目覚めた。

「ククク……あははははは、はははははははははは!!」
「お兄さん……あなた、狂ってます」
「ははははは、ははははは!狂わせてくれてありがとよ……ははっ」
「どういたしまして」
「惚れちまったぜ、あんたに」
「あ、それは駄目です。私、愛してる人がいますから」
「そうか……そいつは残念だ。末永くお幸せに」

少女はありがとうございます、と照れたように言い残し、去った。
後に残ったのは俺と肉塊と、リアルを手に入れた興奮。

それからというもの、異常殺人は続いているが警察は手を出さない。
もちろん親馬鹿が過ぎる親父の命令だ。

これで彼女の純愛の邪魔者が、少しでも減ることを願う。

――まあ憐れな死体の中には、俺が遊び散らかしたモノもかなり含まれているのだが。

今日も俺は、素晴らしき世界を生きる。
彼女を応援し、人をモノに変え、リアルを楽しむために。

END…………?


433 :VIP村人u:2006/11/22(水) 18:57:11.10 ID:lAyocStI0
428にプレゼント!

『ほのぼの純愛★ドルルンルン』

 私、一人の男の子を愛する女の子☆
 でも、その正体は影から男君を見守る魔法少女なの。
 私の愛する男君の前には日夜悪い敵が現れて、私はその人達から男君の貞操と心を守っているの。

 今朝もまた男君に近づく悪い魔女が現れて、今とってもピンチ!
 悪い魔女が男君にハートシールが付いた呪いの手紙を渡し、惑わそうとしているの!

 こうしてはいられない!
 すぐに魔力を溜めて男君のところに向かわないと!
 悪い魔法に対抗する愛の力を集めなきゃ!




    近 く の カ ッ プ ル か ら ☆ 」



441 :VIP乙女:2006/11/22(水) 19:57:43.45 ID:nVzDGXLlO
男友「よ~うどしたんだ男」
男「ん?お前かなにちょっと本籍を移すために市役所にな…」
男友「暇だし付き合うわんで飯行こうぜ」
男「あぁ」
市「こちらになりますね」
男「はい」
市「それにしてもその歳で……学生結婚ですか?」
男「はい?」
市「あぁすいません。ハハハハ」
男「?………なっ!?コレは!!!」
男友「どうした!!」
男「俺と女が結婚している…」
男友「なにぃぃ!!!」
こういう時市の局員は何にもしてくれないんだぜorz
まぁもういいんだがな……


468 :どっかの映画っぽく :2006/11/22(水) 22:31:45.07 ID:iy2vG2EpO

―――――……………ココ何処だろ…

オレ何してたんだっけ…?

確か…、女に告白されて…断って…帰って…

思い出せない…


女「おーとーこーさん!」

男「フガッ?」(女さん?)

女「やっと気がついたみたいですねっ」

男「!」(か、身体っーーー縛られてる!)

女「いま私達は二人で合宿に来てるんですよ」

男「!?」(合宿!?)

女「二人の愛を深めるための合宿ですっ」

女「いまから男さんには4つの問題に答えてもらいます、
一つ間違う毎に罰ゲームが有りますから慎重に答えて下さいねっ」

男「ンンンーーー!?!」(冗談じゃない!?ナニ言ってるんだ!)




469 :どっかの映画っぽく2:2006/11/22(水) 22:32:18.82 ID:iy2vG2EpO

女「第一問!、『男さんは私が好きである』
マルだったら縦に首を振って下さいね!バツだったら横に振って下さい…」

男「ン!」(ナニされるか分かんないけど、ここは…バツ!)

女「ブッブーー!はーずーれー!」


グサッ!


男「…!」(脚…なんか…刺さっ…!)

女「アハッ!」

男「ンンンーーーーーーーーー!!!」



470 :どっかの映画っぽく3:2006/11/22(水) 22:36:03.69 ID:iy2vG2EpO

女「もうっ!男さんが悪いんだよ!答え間違えるから、
つぎ二問目ね!」

女「『男さんは私を愛してる』、さぁ答えて」

男「ンンーーーー!!」

女「またバツですか」

男「フガッ!?」(ち、違う!痛いんだよっ!)

女「ハイ、間違い!」


ザスッ


男「フグッ!ンンンンンッーーーーーー!!!」




471 :どっかの映画っぽく4:2006/11/22(水) 22:37:41.27 ID:iy2vG2EpO
女「サクサクいきますよー!つぎ三問目!
『男さんは私と結婚したい!』さぁ答えてっ!」

男「ンンー!!」(マ、マル!!)

女「マルですかぁ?、でも…心が籠もってないからダ~メ!」


ザクッ!


男「フッ!!ングゥーーンンンンッーーーーー…………」




472 :どっかの映画っぽく5:2006/11/22(水) 22:40:22.48 ID:iy2vG2EpO
女「『男さんは私と一生を添い遂げる!!』さぁっどうぞ!」

男「………………」

女「チッ…チッ…チッ…
ハイ時間切れっ!」


ブシャッ!


男「ピク……………ピク…」

女「マダ死んじゃダメだよ男さん、合宿はまだ続くんだから~!
だいジョウ夫!例エ五体不満足になってモ私が側に居るカラネ!」


女「 オ と コ サ ン ― 」



188-189の続き投下しようか迷ってるとこ。





487 :VIP番長:2006/11/23(木) 00:10:55.10 ID:r1uxglDdO
ありがとう。でわ。
 僕は最近、ストーカー被害にあっている。
ポストには狂気じみた恋文が投函され、ネズミの死骸をプレゼントされる。僕の幼なじみや他の友人達は脅しの被害にあっているらしかった。
そして、皆口には出さないものの犯人に見当は付いているらしかった。
「男さん!おはようございます!」
奴だ。まとわり付いてくる女を引き剥がしながら今日も終わる。


488 :VIP足軽q:2006/11/23(木) 00:13:49.30 ID:r1uxglDdO
2
 翌朝起きると、僕の横に女が寝ている。
「あ!おはようございます☆」
その声を無視して、着衣を確かめる。…乱れはない。
「無視なんてひどいですよ☆私は昨日の夜からこの為(挨拶)に待ってたんですよ。」
(゚Д゚)
昨日(正確には今日になるが)僕が寝たのは2時過ぎだったはずだ。どうやって入ったんだ?
「お前!どうやって入った!?」
尋ねる。すると彼女は自慢げに鍵を一つ僕の鼻っ面に差し出した。


489 :VIP足軽q:2006/11/23(木) 00:18:37.57 ID:r1uxglDdO
3
「っっ!!」
声が出ない。奴が差し出して来たのは間違いなく僕の部屋の鍵だった。
「どこで!?」
やっとの思いで声をだす。
「ご両親から戴きました☆お二人ともすぐに分かってくれましたよ。」
両親にはこいつの事を話してある…ということは。
「何をした…」
怒りを押し殺した抑揚のない声で聞く。
「大丈夫です!お二人にはちょっと眠ってもらいました。ご忠告のお手紙(私達の邪魔わ許しませんよという内容)も置いてきたので大丈夫ですよ☆」
「このやろう!」
「まぁ落ち着いてください。ご両親、 ま だ 大丈夫ですので☆」
「くっ!」卑怯な奴だ。


490 :VIP番長:2006/11/23(木) 00:23:35.15 ID:r1uxglDdO
4
「お茶を入れてきますね。今後の事はそれから…」
お茶が来た。いらついて喉がカラカラだ。
一口飲む。
奴が微笑う。
意識が遠くなる。
やられt……。
目が覚めた。暗く、地面が冷たく硬い。地下室か?
「うぅ……。」
「起きましたか?今日からここが私たちの新居…二人だけの世界です☆」
僕の地獄が始まった……。
終わり。


502 :宿屋の女中:2006/11/23(木) 01:01:38.37 ID:Ji8Er8Cl0
女「男さん、これに署名お願いします」
男「ん? 何これ?」
女「何って、婚姻届ですよ」
男「はぁ? そんなんにサインできるかよ」
女「・・・男さんひどい。昨日はあんなに優しかったのに」
男「消しゴムかしただけじゃん・・・」
女「好きだって言ってくれたのに」
男「君が持ってたバンドのCDのことを言ったんだけど・・・」
女「だから私、こうやって一大決心したのに!」
男「勝手に決心されてもなぁ・・・・」
女「・・・ひどい!! この場で死んでやる!!」
男「・・ホントに?」
女「私は本気です!!」
男「じゃあ、婚姻届書いても仕方ないよね」
女「・・・あっ」

保守代わり。


503 :棒またぎ姫:2006/11/23(木) 01:06:51.01 ID:GRD47det0
『ほのぼの純愛★ドルルンルン』

男「ん~。今時ラブレターとは、中々純粋な子だな」
ドンドン!
男「誰だろ? ……まぁいいや、さぁてどんな恥ずかしい台詞が書いてあるんだ?」
「男君! 開けないで!!」
男「あれ? 女の声」ぺりっ

女「男君、大丈b……あぁ、なんてこと……」
男「な、何が? ってか勝手に家に入るなよ」
女「す、すでに精神が錯乱してる!
  でも安心して。人体を構成する要素はパルケスススの論によれば肉体、精神、魂の三つだから、
 たとえ精神があの女の呪いに犯されていたとしても、残り二つで補えるの☆」
猫「にゃー(ここは肉体的感応による治療を施すべきだろう)」
女「そうね、私もそう思う!」
男「ちょ、誰と話してるんだよ!」
女「大丈夫……すぐに正常になれるから、
 負の波動に汚れた魔女の思念を私の身体で浄化してあげるね☆」
男「止めなさい!」ゴツン
女「ツンデレなんて酷いよ!」
505 :棒またぎ姫:2006/11/23(木) 01:25:24.87 ID:GRD47det0
『ほのぼの純愛★ドルルンルン』

男「で、どうしたんだよ……?」
女「だって、呪いだよ!? その手紙には男君を自分のモノにしようする魂胆が丸見えな、
 邪悪な念が込められてるんだよ! そんなのほっとけないよ!」
男「いや、これ普通のラブレターだし。っていうか何で受け取ったの知ってるんだよ……」
女「そんなの聞かれなくても分かってる癖に☆」
男「お前……うぜえよ」
女「……うぜぇ?」

  うぜぇ

   うぜえ

    U Z E E

     こ、これは数秘学<ゲマトリア>解析を試しているのね!

女「……
 (U Z E E……、これを数値変換すると21・26・5・5ね。計は57。
  あれ? 57? コレが一体何を表しているの!?)」
女「ど、どういう事?」
男「言葉の意味も分からないのか? 正直どっか行ってくれ」
女「う、うぇ」
男「ちっ」
女「うぇええええええええええええん!
 男君が呪われちゃったああああああああああああああああ!!」



504 :宿屋の女中:2006/11/23(木) 01:19:52.01 ID:Ji8Er8Cl0
女「めだか」
男「からす」
女「す・・・好きです」
男「す、す、すー・・・数学」
女「く・・くちづけ」
男「け、け・・・袈裟懸け」
女「結婚しよう!」
男「う? う・・・受付」
女「結婚しよう」
男「う、うさぎ」
女「・・・・どうして『うん』って言ってくれないんですか!?」
男「言ったら負けちゃうだろ!!」

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最終更新:2006年11月23日 10:50