鶴橋駅3番乗り場、約束の時間から約2時間が経過。流石のコダマちゃんも、
中々来ないオシリアに痺れを切らして電話をかけた。すると、
オシリアはナガシマスパーランドへギムレット達と遊びに行く事になり、
そこから抜け出せないという。

コダマちゃん「えーっ、来られなくなっちゃったんですか!?」
オシリア「ごーめーん、コダマちゃん!!!中々皆が帰してくれなくて、そっちに行けなくなっちゃったぁー!!」
コダマちゃん「あらあら・・・。それは残念ですね、ではまたの機会に・・・。」

コダマちゃんはしょんぼりしながら電話を切った。

ツルハシ「何だ、来られなくなったって?」
コダマちゃん「ハイ、大人の皆さんが突然『ナガシマスパーランドに行くぞ』
って誘ってきて、断れなかったらしいんです」
ツルハシ「あーあ。アイツ、押し弱いからな・・・どうする」
コダマちゃん「仕方ありませんね、帰りましょう」
ツルハシ「しゃーないなぁ」

コダマちゃんとツルハシは仕方なく大阪環状線に乗車し、天王寺へ帰ることにした。

R団女王が戦争状態に入った」ということは
広く知られていたが、ほとんどは
「全ての一連の事変の原因は、R団による
女王の私有地における残虐非道な強姦・略奪行為」が原因であり、
R団の内部分裂は偶然起きたものであり、前述の略奪行為とは一切無縁である」という見解が広がっていた。
だが、これに疑問を持つ者は、何もコダマちゃんやツルハシだけではない。

誘拐された♀の虫ポケモン達は本当に「強姦」されていたのか、という疑問である。
されていたのならば、「実際誰に」やられたのか言えるはずであるが、
実際に誘拐された♀の虫ポケモン達は、現時点では
R団のポケモンに集団強姦され、多数の子供を産まされた」
と証言するのみで明確な証拠は無く、「集団強姦」の根拠も
「♀の虫ポケモンと大量の幼虫ポケモンが同時に発見された」
というものであったからだ。

天王寺の一角、コダマちゃんの家。
1匹のエーフィがコダマちゃんとツルハシの帰りを待っていた。

コダマちゃん「ただいま・・・。」
ツルハシ「帰ったぞ。」
テンノウジ(エーフィ)「おかえり。あれ?どうしたのコダマ???」
ツルハシ「イヤ、あのバカっ娘にドタキャン食らってしまってな。
滅茶苦茶凹んでるんだ」
テンノウジ「ドタキャン食らってこんなに遅くなるものなの?」
ツルハシ「コイツ、待ったら長いから。2時間待ってた」
テンノウジ「長っ!!」
コダマちゃん「ハァ・・・わたし、もう寝ます・・・」

コダマちゃんは落胆のあまり、髪をほどいてベッドで寝てしまった。
オシリアにドタキャンされたのがよほどショックだったようだ。

ツルハシ「あーあ、ふて寝しちまった。そもそも調査団体ORIGINの幹部が、
どうしてナガシマスパーランドなんかに遊びに行くんだよ。あれ、賢島じゃなくて桑名だろうが」
テンノウジ「リフレッシュしたかったんじゃない?」
ツルハシ「事変で本部を破壊されて以後、一切活動してないのに、
何のリフレッシュがいるんだ、ドジっ娘まで巻き込みやがって。
あっちの都合とこっちのことを考えろっての」
テンノウジ「確かに・・・。ところで、今回の事変の最中に女王からPPKOへ出された密書が、
公開文書として出されたってさ」
ツルハシ「何?すぐ見せろっ!!」
テンノウジ「まぁ落ち着いてよ・・・すぐ準備するからねー」

テンノウジはいそいそと、PPKOに出されたという
密書の内容が映っているテレビ番組が録画されたDVDを出した。

ツルハシ「いつの間にそんなモンを録画した・・・?」
テンノウジ「『女王はるか♪PPKOに出した密書、公開』
って欄にあったから。多分、あの人がR団に行ったことを、
R団がやったことを公開することで正当化するためだね。」
ツルハシ「だろうな、そうでもなきゃ『密書』を公開するはずがあるまい。」

ツルハシらは、女王PPKOに出したという密書の内容を
何度も何度も見返した。

ポケモン平和維持機構委員長様。わたくしはるか♪は、R団の理由なき侵略に怯えています。去る8月、わたくしの領地の一部である虫の楽園に突如R団所属のポケモンが乱入し、わたくしのかわいいポケモンたちを誘拐しました。このときは、わたくしのポケモンたちの自助努力で何とか誘拐された仲間たちを救出したのですが、このたびR団は、大部隊を編成し、わたくしの領地に再び侵略を仕掛けてきたのです。・・・このたびの侵略は、わたくしや、か弱いわたくしのポケモンたちの力ではとても食い止めることはできません。そこでPKKOの方々にお力添えをいただきたいのです。わたくしの領地のアサギ及びR団の本拠地キキョウに平和維持部隊を派兵し、和平を斡旋していただきたいのです。ただ、ひとつだけ許せないことがあります。虫の楽園事件の首謀者及び略奪・暴行をしたR団のポケモンの追放又は去勢を和解の条件としていただきたいのです。もちろん、わたくしも微力ながら、わたくしのポケモンたちを平和維持部隊に派遣したいと思っております。なにとぞよろしくお願いします・・・

※放送倫理のため「強姦」を「暴行」に改めてある

ツルハシ「・・・ちょっと待て」
テンノウジ「どうしたの?」
ツルハシ「この文書を見る限り、R団が一方的に略奪・強姦及び侵略を行ったのは『既成事実』だよな」
テンノウジ「そうだね」
ツルハシ「この文面を見ると、ロンシャン
悪意と私利私欲のままに『ただむやみやたらに森を荒らし尽くし』、
『根こそぎポケモン達を奪い尽くし』、『♀のポケモンを犯し尽くし』てきて、
この許し難い非人道的行為をPPKOに通告した、というように見える。
・・・これじゃあまるで 三光作戦 だ。
自分らがちょっと聞いてみた所だと、ロンシャンの一連の活動は
女王とバトルするための挑発』で、
『悪意と私欲の元に行われた略奪と侵略』であるというのは
でっちあげだ、という話だ。ま、そうだとしても
やりすぎたってのはあるかもしれんが・・・。」
テンノウジ「あえて相手を怒らせて戦いを挑む・・・それもよくある話だね。
でも、その彼の挑発を女王は『宣戦布告』と解釈。
そして、当然のことのようにキキョウへと乗り込み、
人質になっていた虫ポケモン達、そして
普通に捕獲されていた虫ポケモンまで全て取り戻した。
・・・これはロンシャンが自分の力を過信していたのも敗因だったね。
『あれくらいの虫が宣戦してきたところで、自分のポケモンだけで十分止められる』
ってさ。だけど、違った。
宣戦布告も、女王が直接勝負を挑んでくることもなく、
突然不意打ちを受けて成す術なく敗れ去った。」
ツルハシ「そりゃ、駅の近く歩いてて『敵の仲間』というだけで戦い挑まれて
問答無用でボコボコにされた奴もいるからなぁ・・・。
北朝鮮の人間だからって反朝団体の右翼が襲ってくるようなモンだ」
テンノウジ「ロンシャンをさらに悪玉に仕立てるために、
彼がR団の大幹部ウオッカ♪を通じて、死の商人から
国際条約で使用が禁じられている対人地雷『クレイモア地雷』を買い、
実際にそれを使用したという事実が作り上げられてる。
でもロンシャンは正直だし優柔不断だし、
自分の意思だけでそんな大それた事するはずないよね」
ツルハシ「だな。
あの正直者でアホな奴がそんな闇取引をする勇気なんてあるわけがない。
どうせウオッカ♪にそそのかされて衝動買いしたんだろう。
大麻拡散もだ。あれはロンシャン主導じゃない、
黒幕のHSウメダが個人でばら撒いたモンだろう。
それも女王
『団長ロンシャンが自らのポケモンに大麻を使用させた』
とみなしているようだが?」
テンノウジ「大幹部が大麻を使っていたとなれば、
信用の失墜は免れられないからね。
でも、どこからHSウメダは大麻を?」

その時、どこからともなく何者かの声が聞こえてきた。

???「簡単なことだよ。『大麻と知らずつかまされた』のさ」
ツルハシ「?」

その声が聞こえる方向を見ると、窓際に1匹のクロバットがいる。
クロバットはツルハシとテンノウジの話に割って入ってきた。

テンノウジ「キシュージ・・・」
ツルハシ「お前か・・・」
キシュージ「ウメダは、最初から大麻をばら撒く目的で
大麻を持ったというより、それが大麻であるということを隠されて
大麻を渡され使用、それが大麻と知った時には既に皆が依存症・・・
ってオチだと考えられる。いくら奴があくどい奴だからって、
R団である限りポケモンバトルを汚すマネなんかしないだろう」
ツルハシ「アイツら正直者ばっかりだからな」
キシュージ「それのカギとして、最近R団と『とあるグループ企業』
が密接に関係していることがわかってきてな」
テンノウジ「あるグループ企業?」
キシュージ「そう・・・。そのグループ企業の名は・・・『はるか♪グループ』」

衝撃の事実が、キシュージの口から放たれた。
『はるか♪』で連想されるもの、それはまさしく女王である。

テンノウジ「『はるか♪グループ』!?」
ツルハシ「女王の傘下財閥か!?」
キシュージ「確証は無いが・・・。少なくとも、完全な無関係ではない。
女王と各社の上層部が知り合いだという話らしいからな。
R団が活動資金を融資してもらっていたのは『はるか♪銀行』
R団に数々の薬品を提供していたのは『はるか♪製薬』・・・他にも数々の
関連企業がR団と密接に関係している。
ウメダの奴が『はるか♪製薬』から大麻をつかまされ、
このグループが深く関係する死の商人がウオッカ♪を通じて
ロンシャンに対人地雷を売りつけた可能性が高い。
・・・女王の命令で、R団を『許されざる悪』へと仕立て、
『正当』のもとに完全排除するためにな。
そうすれば、女王
『許されざる悪の組織』R団の被害者であるという後ろ盾を得、
その『許されざる悪の組織』であるR団に何をしようと正当防衛になる。
仲間割れしているところに空襲を仕掛けようが、
町ごとロンシャンを亡き者にしようがな」
テンノウジ「いや、流石にそれは無いでしょ」
ツルハシ「どういう理屈でそうなる、ロンシャン ビンラディン かお前」
キシュージ「女王はそうみなしていたようだ。
少なくとも奴は、ロンシャン
  • ポケモンに大麻を使わせるゴミ野郎
  • 自己防衛のために対人地雷を使う外道
  • 私欲を満たすために他人のポケモンを犯すクズ
というように仕立て、R団及びロンシャンを完全に『悪』にしようとした。
そして『きれいごとだけの正当性』だけを掲げて世論や政府をも味方に付け、
『100%正当』の上で完全にR団を討つ・・・。
本当の目的が『挑発行動に対する報復』『私怨を晴らすための復讐』
にもかかわらずな」
ツルハシ「まるで、世界貿易センタービルに飛行機突っ込ませた
アルカイダに報復する ブッシュ みたいだな」
キシュージ「そんな正当じみてかっこいいモンじゃないぞ、
殺人事件の遺族が犯人とその関係者を皆殺しに行くようなもんだ。
これじゃどっちが悪か判らなくなっちまうだろ」
テンノウジ「愚かな物だね。同じ人間同士、ポケモン同士、トレーナー同士で、
自分の価値観だけで善悪を一方的に決め付けようなんてさ」
キシュージ「『善悪』と『敵味方』の区別がついていないのさ、アイツらには。
正義と味方、悪と敵はノットイコール、別物だってことがわかってない」
テンノウジ「味方が悪のこともあるし、敵にも正義はいる・・・。
自分の憎しみやプライドで戦ってたものだから、
それが盲点になってたんだろうね」
ツルハシ「だろうな。そうでもなけりゃ、『単なる挑発』から
『敵の最後の1匹を殺したら勝ち』『味方の最後の1匹が死んだら負け』
の最終戦争にはならんよ」
キシュージ「大げさに言ってみれば、 ブッシュ ゴルバチョフ
『かかってこいソ連人』って言ったばっかりに第三次世界大戦で
人類滅亡ってとこかね・・・」

キシュージがそう言った途端、3匹の間に気まずく、そして寒い空気が流れた。

ツルハシ「全然大げさじゃないだろ、むしろそれジョークか!?」
テンノウジ「キシュージ、ジョークヘタクソ」
キシュージ「・ ・ ・ ・ ・」

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