武者スズメバチVS凶暴ウサギ(むてきまる先生VSキレネンコ)
R団と
女王の戦いが終結してから、数日が経った。
やじゅうZは再結成された
R団に再び加入し、その後好きだった
あゆみへと自分の気持ちを正直に手紙で伝えたものの、まだ返事は貰っていない。今日も
やじゅうZは、空の郵便受けを見つめていた。
やじゅうZは見かけによらず、デリケートな心の持ち主だった。獰猛な外見に似合わず、その心はどんな草食系男子よりも純粋だった。
やじゅうZは気晴らしに
イコマ山へ散歩に出かけることにした。
やじゅうZ「ひでぇな・・・。山に罪はねぇのに・・・。奴は・・・
女王は俺達への私怨を晴らすためだけに、こんなむごいことをしやがったのか・・・」
やじゅうZは自分達が行った挑発行動、そしてこの度の
女王の復讐を重ね合わせた。どちらも「悪」だったのかもしれない。しかし、そのどちらが「善」で「正当」であったかなど、誰も知るはずはなかった。この争いがポケモンバトルとしての「闘い」ではなく戦争としての「戦い」であり、戦いに駆り立てたのも
女王の「怒り」と、
ロンシャンの「トレーナーとしてのプライド」であり、明確な目的などどこにもなかったからである。
やじゅうZはしばらく散歩を続け、山道へと出た。するとそこには2匹の
マリルリがいるではないか。1匹はコサックダンスをしていて、もう1匹は本を読んでいる。
やじゅうZ「アレはプーチンとキレネンコ・・・。
R団の工兵と、戦闘員のコンビだな」
その2匹の
マリルリは工兵「プーチン」と戦闘員「キレネンコ」。
R団では有名な
マリルリコンビだった。
やじゅうZは彼ら2匹へと近づいた。プーチンは
やじゅうZが近づいてくる様子に気付いていたが、キレネンコは全く気にも止めず本を読んでいた。キレネンコはキゲン良さそうに本を読んでいる。
やじゅうZは彼を邪魔するのは何となく危険な気がした。
もう1匹のプーチンはガクガクと震えている。何に怯えているのかはよく分からなかった。その時、1匹の
スピアーが飛んできて、本を読むキレネンコにケチをつけてきた。
むてきまる「貴様、働きもせずに本を読んでいるとは何事でござる! 貴様も
R団の一員ならば働けぃ!」
スピアーの名は
むてきまる。有名な
スピアーの名を持つ、武者
スピアーである。
むてきまるのケチを聞いた途端、キレネンコは急に本を閉じ、本をその場に置いた。キレネンコの表情は眉間にシワを寄せ、目つきは非常に鋭くにらみつけるような、非常に恐ろしくおぞましいものであった。それを見て、プーチンは顔を青ざめてさらに怯え始めた。
やじゅうZ「何だ、何が始まるって言うんだ!?」
むてきまる「ム、貴様拙者と一太刀交えるつもりか!
よかろう、後悔するでないぞ!!」
むてきまるは連続でダブルニードルを放ち、見事キレネンコに直撃した。なかなかの威力だ。
むてきまる「どうだ、拙者の必殺ダブルニードル連射、クアドラプルニードルの味は!!」
しかし、キレネンコは倒れるどころか、その場に動きもせず立っていた。何と、キレネンコは4発の針を全て受け止め、掴んでいたのである。キレネンコは怒りの形相で
むてきまるを見つめている。
キレネンコは受け止めた針を槍投げのごとく、
むてきまるに投げつけた。
むてきまるは針の直撃を受け、地面に落下してしまった。追い討ちをかけるかのごとく、キレネンコは
むてきまるの両腕(?)の針を掴み、何度も何度も地面に叩き付けた。
この様子を見た
やじゅうZはあ然とする他なかった。プーチンは最早見ていられないようで、目を背けてしゃがみ込んでいる。
むてきまる「じ・・・実は拙者も・・・はたらきたくないでござる・・・」
威勢よく登場した
むてきまるだったが、キレネンコの逆鱗に触れ、ボコボコにされてしまった。キレネンコは何事もなかったかのようにまた本を読み始めた。プーチンはまだ青ざめ怯えている。
やじゅうZもキレネンコの戦い方に驚きを隠せなかった。
むてきまるが弱かったのか、キレネンコが強かったのかなどはどうでもよかった。
やじゅうZはただ、キレネンコがキレたらいかに恐ろしいかを思い知ったのであった。息はしているようだがピクリとも動かない
むてきまるを尻目に、
やじゅうZはその場を去った。
<<作者はバイオレンス・ヘヴンで亡くなりました>>
最終更新:2010年07月26日 23:59