バンジージャンプ

あゆみ 「ロンシャンさま~♪あら?何?そのいかにも嫌そうなお顔。」
ロンシャン 「いかにも嫌なんだよ!もう来ないでくれ!」
あゆみ 「え~?どうして?」
ロンシャン 「どうせ、今回も何か企んでるんだろ!」
あゆみ 「そんなことはないですよ~♪」
ロンシャン 「お前が来たらロクなことがないんだよ。」
あゆみ 「え~!ロンシャンさま、ひど~い!今日は違うのに!」
ロンシャン 「え?」
あゆみ 「せっかく二人でケーキ食べようと思って買ってきたのに!」
ロンシャン 「え?ケーキ?」
あゆみ 「うわ~ん!せっかくロンシャンさまのお好きなモンブラン買って来たのにぃ!」
ロンシャン 「おい。泣くなよ・・・。」
あゆみ 「ふぇ~ん。ロンシャンさまなんて大嫌い!」
ロンシャン 「ごめんよ。謝るよ。」
あゆみ 「いや!許さない。え~ん。え~ん。」
ロンシャン 「こ、困ったな・・・。ベロベロバ~!」
あゆみ 「うわぁぁぁーーーーーん!!バカにしたーー!!」
ロンシャン 「おい。頼むから泣くなって。泣きやんでくれよ・・・。どうすれば機嫌直してくれるんだ?」
あゆみ 「うえ~ん。あのね・・・。お願い聞いてくれる?」
ロンシャン 「え?」
あゆみ 「うええ~ん。嫌そうな顔した~!」(>_<)
ロンシャン 「仕方ないな・・・。わかったよ。」
あゆみ 「え~ん。え~ん。何でも言うこと聞いてくれる?」(-_・)チラ
ロンシャン 「わかった。何でも言うことを聞くよ。」
あゆみ 「わ~い。わ~い。約束だよ。」
ロンシャン 「え?」
あゆみ 「あのね。もうエントリーしちゃったんだ。」
ロンシャン 「やっぱり・・・。」
あゆみ 「今度も副賞が豪華なんだよ。」
ロンシャン 「聞きたくもない。」
あゆみ 「私にくれる?」
ロンシャン 「ああ、好きなだけもってけよ。」
あゆみ 「やった~♪」
ロンシャン 「で、今度の競技は何だい?」
あゆみ 「バンジージャンプ。」
ロンシャン 「お断る!」
あゆみ 「びえっ。」(>_<)
ロンシャン 「わかったよ。泣かないでくれ!出るよ。出るよ。」
あゆみ 「さすがロンシャンさま、太っ腹だね。」
ロンシャン 「でも僕は本当に高所恐怖症なんだよ。」
あゆみ 「大丈夫。大丈夫。1回落ちればすぐ終わるから。」
ロンシャン 「落ちるのは僕なんだぞ。」
あゆみ 「大丈夫だって。私じゃないんだから。」
ロンシャン 「お前なあ・・・。」
あゆみ 「でも、ロンシャンさまが高所恐怖症だなんて初めて聞きましたよ。」
ロンシャン 「僕が小さいころ、ジャングルジムから落っこちたんだよ。それ以来高いところはダメなんだ。」
あゆみ 「大丈夫ですよ。ジャングルジムなんかよりもっと高いところですから。」
ロンシャン 「全然慰めになってないぞ。で、それって会場はどこなんだよ。」
あゆみ 「トツガワ渓谷の吊り橋です。」
ロンシャン 「ああ。寒気がしてきた。熱が出てきたかな・・・。」
あゆみ 「お熱はもう下がったでしょ。ダメですよ。ずる休みはなしです。」
ロンシャン 「テスト勉強しなくちゃ・・・。」
あゆみ 「男に二言はない。」
ロンシャン 「わかったよ・・・。」
あゆみ 「今回の大会は、R団で最も勇気のある男を決める大会だよ。」
ロンシャン 「題目はもうどうでもいいよ。好きにしてくれ・・・。」

【大会当日】
パーコ♪ 「みなさん、こんにちわ♪毎度おなじみのパラセクトパーコ♪です。今回も元気に実況中継行ってみよう!おー!」
あゆみ 「パーコ♪さん、いつもとノリが違いますねw」
パーコ♪ 「いつもワンパターンだと読者様に飽きられますからね。」
あゆみ 「じゃあ、私もパターンを変えてっと、今日も元気に行ってみよう!おー!」
パーコ♪ 「きゃーかわいい♪自分たちで言うのもなんですが、私たちってかわいいですね。」
あゆみ 「はい。かわいいです。」
パーコ♪ 「で、今回の大会はいつもとは違っていますね。」
あゆみ 「はい、違っています。」
パーコ♪ 「参加者がロンシャンさんだけなんです。」
あゆみ 「そうなんです。みんなビビっちゃって、参加者はロンシャンさまだけなんです。」
パーコ♪ 「そうすると、ロンシャンさんが無事にジャンプを決めれば、それで優勝決定ですね。」
あゆみ 「そうです。無事にジャンプを決めることができれば優勝です。」
パーコ♪ 「無事じゃないことってあるんですか?」
あゆみ 「めったにないって聞いてます。」
パーコ♪ 「あと、今回の大会は、家族連れの見学が多いですね。」
あゆみ 「家族連れどころか、全R団員が来ていると思いますよ。」
パーコ♪ 「そうなんですか?最近のロンシャンさんの活躍でR団員の結束が固まったってことですね。」
あゆみ 「それに今回の大会は、屋台やミニコンサートなどの各種イベントが盛りだくさんですからね。」

パーコ♪ 「それでは、見学者にインタビューしてみましょう。ねえ、そこのボク!」
チビ 「何?お姉ちゃん?」
パーコ♪ 「ボクは、誰とこの大会の見学に来たの?」
チビ 「父ちゃんと母ちゃんとだよ。」
パーコ♪ 「ロンシャンさんは、無事にジャンプを決めることができると思う?」
チビ 「ボク、ロンシャンさんのジャンプより、屋台の方がいいんだ。」
パーコ♪ 「あ?そうなの?お父さんには、何か買ってもらいましたか?」
チビ 「うん。ワタアメ買ってもらった。」
パーコ♪ 「へぇ~。それはよかったね。じゃあイベント楽しんでね。」
チビ 「は~い。」

パーコ♪ 「もう一人聞いてみましょう。え~と、あのお姉さんに聞いてみましょう。すみませ~ん!」
はるか♪ 「あら?パーコ♪ちゃんじゃない?」
パーコ♪ 「あら?女王様じゃないですか?」
はるか♪ 「あなた、また司会のバイト?」
パーコ♪ 「はい。」
はるか♪ 「そうなの。がんばってるわね。」
パーコ♪ 「女王様も見学ですか。」
はるか♪ 「はい。」
パーコ♪ 「女王様の今日の主な目的は、ロンシャンさんのジャンプですか?」
はるか♪ 「もちろんです。」
パーコ♪ 「ロンシャンさんは無事にジャンプを決めることはできると思いますか?」
はるか♪ 「落ちるだけですからね。めったに失敗はしないんじゃないですか?」
パーコ♪ 「女王様は、参加されないのですか?」
はるか♪ 「いやです。」
パーコ♪ 「けんもほろろなご回答ありがとうございました。それでは楽しんでください。」
はるか♪ 「はい、楽しみです。」

パーコ♪ 「それでは、メーンイベントのロンシャンさんのバンジージャンプの時間が近づいてきました。」
あゆみ 「いよいよですね。」
パーコ♪ 「それでは、メーン会場の方へ移動しましょう。」
あゆみ 「はい。」
パーコ♪ 「あ、そうそう。今回の大会の名前をご紹介するのを忘れていました。」
あゆみ 「忘れてました~♪」
パーコ♪ 「今回の大会は、R団で最も勇気のある男を決定する大会です。よって、この大会の名称は、「君はR団の宝だ!団員全員が君を尊敬しているカップ」。略して「宝敬杯」です。」
あゆみ 「たからけいはいって読んでくださいね。」

【吊り橋の上】
ロンシャン 「あゆみぃ・・・。やっぱりキャンセルできないかな・・・。」
あゆみ 「ダメです。」
ロンシャン 「おい。見てみろよ。この高さ・・・。観客が豆粒だよ。こんなの飛べないよ。」
あゆみ 「あら、ほんと。下を見るとめちゃ怖いですね。」
ロンシャン 「だから、頼むよ。熱が出たとかなんとか言い訳をつけて、勘弁してくれよ。」
あゆみ 「ダメです。団員全員がロンシャンさまに期待しているんですよ。」
ロンシャン 「じゃあ何でヘルメットにCCDカメラなんかついてるんだよ!みんなで僕を笑い者にしようって魂胆だろ?」
あゆみ 「違いますよ。R団はクーデターやら財政難やらで結束が危うくなっていたんですが、ロンシャンさまの最近の10番勝負の大活躍でまた団員たちの団結と活気が戻りつつあるんですよ。」
ロンシャン 「もうそんな結束はどうでもいいよ。勘弁してくれよ。ほんとに怖いんだよ。」
あゆみ 「ダメです。」
ロンシャン 「なあ、副賞ってなんだったんだよ。もし、よかったら僕が同じものを買ってあげるよ。それで許してくれないか?」
あゆみ 「副賞は、ケーキバイキングのご招待券です。」
ロンシャン 「ケーキバイキングで僕を売ったのかよ・・・。」
あゆみ 「はい、そうです。でも、そろそろ、見学者の方がしびれを切らしだしましたよ。」

観客A 「どうしたー!ロンシャン!早く飛び降りろ!」
観客B 「ローン・ウルフの名が泣くぞ!それでもR団、最強、最速の男かよ!」
観客J 「金玉ついてんのかよ!縮こまってんじゃねえよ!この皮かむり!」
ブーブーブーブー!ブーブーブーブー!

あゆみ 「あーあ、ブーイングが始まっちゃいました。」
ロンシャン 「いいんだよ、ほっとけば。あいつら人の不幸でメシウマする連中なんだから。」

ヘタレ!ヘタレ!ヘタレ!ヘタレ!ヘタレ!ヘタレ!

あゆみ 「もう!ヘタレコールまで巻き起こっちゃったじゃないですか!」
ロンシャン 「いいんだ。どうせ僕はヘタレだし。いいんだ。団員たちに何を言われようと。」
あゆみ 「ふふふ。私が許しません。引導渡してあげる。」
トン!
ロンシャン 「うわ!うわわわ!!うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーー!!!!」

パーコ♪ 「おおおおっと!ロンシャンさん、やっと飛び降りた!というより突き落とされた!」

ロンシャン 「うぎゃあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーー!!!!!」
観客 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおぁぉぉぉぉぉぉっ!」

びよぉーーーーーーーーん!!!
観客 「うおおおおおおおおおおおぉぉぉぉっ!」
びよーーーーーん!
観客 「うおおおおおおぉぉぉぉっ!」
びよーーん!
観客 「おおぉっ!」
びょん。
観客 「ぉぉ」
ブラーン。ブラーン。ブラーン。ブラーン・・・・。

チビ 「父ちゃん、今回のイベントいまいちだったね。」
アマガサキ 「ああ。あっという間だったから、あまり興奮しなかったな。」
サンノミヤ 「ねえ。それより金魚すくいしない。」
チビ 「ボクもしたい。」
アマガサキ 「よしやろう。父ちゃんは、子どものころ金魚100匹すくったんだぞ。」
チビ 「ウソだい!」
アマガサキ 「あはは。父ちゃんの腕前を見せてやろう。」

パーコ♪ 「今回のメーンイベントは企画倒れだったようです。では、CCDカメラが捉えたロンシャンさんの表情を見てみましょう。」
 「・・・・・・・・・・・・・・・・」
 「泡を吹いていますね。」

<<バンジージャンプ・おしまい>>

(2009.10.20)

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最終更新:2010年08月14日 15:39