猛将、地に立つ

【留置場】
ウジヤマダ 「ウエロク様」
ウエロク 「ウジヤマダか。ずいぶん騒がしいが、外では何があった。」
ウジヤマダ 「私は、ロンシャン様に反旗を翻しました。」
ウエロク 「お前が謀反だと?ふ。ははははは!これはけっさくだ!はははは!で、その謀反人が食中毒料理人の俺に何の用だ?」
ウジヤマダ 「私に協力をしていただきたいのです。」
ウエロク 「断る。」
ウジヤマダ 「そうだと思っていました。あなたのような義に厚い武将が協力していただけるとは最初から思っていません。」
ウエロク 「俺を殺すのか?」
ウジヤマダ 「いいえ。私はあなたを尊敬しています。そして、これは聖戦です。無益な殺生はしません。」
ウエロク 「立派な心がけだな。」
ウジヤマダ 「ウエロク様は、もうお気づきでしょう。ロンシャン様はおかしいのです。今ロンシャン様がなされておられることに正義はありません。」
ウエロク 「だからといって、お前が正義なのか?」
ウジヤマダ 「・・・・・・・・・・・・・・・・」
ウエロク 「で、俺に何を望むのだ。」
ウジヤマダ 「せめて中立を保っていただきたいのです。」
ウエロク 「わかった。」
ウジヤマダ 「ありがとうございます。」
ウエロク 「ただし、3日間だけだ。」
ウジヤマダ 「3日間!」
ウエロク 「3日でクーデターが成功しなければ、どのみちお前の部隊は全滅だ。俺が手を出すまでもない。」
ウジヤマダ 「わかりました。」
ウエロク 「俺も見極めたいのだ。確かにロンシャン様の所行は解せん。一体何が真実なのか、俺は俺で調べる。」
ウジヤマダ 「わかりました。それでは留置場の鍵を開けておきます。」
ウエロク 「いらんよ。こんな牢獄、いつでも脱出できる。気が向いたらいつでも出ていくよ。」
ウジヤマダ 「そうですか。では、我が軍は出発します。もうお会いすることはないでしょう。」
ウエロク 「ああ、じゃあな。」

【追う者、追われる者】
????? 「ロンシャン様、今のあなたはおかしいです。ポケモンの気持ちをまったくわかっていない。私やあゆみさんがどんな気持ちであなたを見ていたのか。だから、私は、優しかったあなたの思い出を私の心に封印してしまっておきたかった。だけど、私は、仲間のあゆみさんを手にかけてしまった。私は、取り返しのつかないことをしてしまった。どうすることもなく、こうやって行く当てもなく逃げているけど、私は、どうしたらいいのでしょう。」
????? 「でも、私は、このまま性別も種別も分からずに終わってしまうのはいや。私は、ロンシャン様のことが好きだった。もし、私が♂だったら、私はきっとカイリキーなのよ。別にそうならそれでいいんだけど、ロンシャン様にこの愛を受け入れてもらえるかしらん?」

リン♪ 「あれだね。逃走中の犯人は。でも、性別も種別もわからんって呼びにくいったらありゃしない。ん?だれか来る!」

むう♪ムウマ) 「きゃはははは。姉ちゃン。見つけたよ。ねえ。ねえ。ねえ。あいつ殺しちゃっていいンでしょ?ねえ。ウオッカ♪様そう言ってたよね。」
まりさ♪ムウマージ) 「待ちなよ。むう♪。まだ性別も種別も分からないポケモンなんていたぶりようがないからね。これが明らかになるまで泳がせておくってのもいいかもね。」
むう♪ 「ボク。ボク。ボク。そんなに待てないよ。ひゃひゃひゃひゃ。」

リン♪ 「ち!変なのがでてきたよ。ん?また、変なのが走って来たよ。」

やじゅうZリングマ) 「うおぉぉぉぉぉりゃあぁぁぁぁぁっぁーーーーーー!!!!!許さーーーーーーん!!!!あゆみちゃぁぁぁぁぁぁん!!!!! 」

リン♪ 「ち!三つ巴か。あたしはしばらく隠れて様子を見るとするか。」

むう♪ 「ねえ。ねえ。ねえ。姉ちゃン。あの熊五郎なにさ?」
まりさ♪ 「あたしが知るわけないだろ。でも、あっちから先にいたぶっちゃおうか?ひひひひひ。」

????? 「あ~ん。何なのよ~。ロンシャン様助けてください。せめて、あたしの性別と種別だけでも決めて~!」

【再び留置場】
ウエロク 「さて、どうしたものか。そろそろここを出て調査を始めるか。」
???ハピナス) 「そこにいるのは誰ですか?」
ウエロク 「ん?俺はウエロクって言うんだが、あんたこそ誰だい?」
あい♪ 「私は、あい♪PPKO赤十字班所属のポケモンです。もちろんはるか♪様のポケモンでもありますが、急遽紛争地域への派遣が決まりまして、私が一番近くに住んでいるものですから、私が一番乗りしたわけです。よろしく。」
ウエロク 「ああ。あいさつにしてはずいぶん長い話だったな。よろしくな。」
あい♪ 「あなた、こんなところに閉じこめられているんですね。早速救助します。」
ウエロク 「ああ。確か鍵なら、さっきウジヤマダが・・・・。」
あい♪ 「冷凍ビーーーーーーーーーム!!!!!!」
ウエロク 「うおぉぉぉぉぉ!!!おい!!!中に俺がいるのにいきなり冷凍ビーム打つなよ!!!!」
あい♪ 「全然びくともしませんね。じゃあ、火炎放射ーーーーーーーーーーー!!!!!」
ウエロク 「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!やめてくれーーーーー!!!」
あい♪ 「これもダメですね。じゃあ今度は・・・・・・。」
ウエロク 「話を聞けーーー!!頼む。話を聞いてくれ。お願いだ。」
あい♪ 「あら?なんですか?」
ウエロク 「はあ、はあ。そこを見てくれ。鍵があるから。頼むから鍵で開けてくれ。」
あい♪ 「あ。そうだったんですか。もう。早く言ってくださいね。」
ウエロク 「このタイプは初めてだ・・・・。」
あい♪ 「すぐ鍵を開けますね。」

ガチャガチャ。

あい♪ 「おケガは、ありませんか?」
ウエロク 「ああ。全然大丈夫だ。」
あい♪ 「あら?ひどい凍傷と火傷!早く治療しなくては。」
ウエロク 「こんなのほっとけば治るよ。」(・・・そもそもあんたが原因だと思うが・・・)
あい♪ 「ダメです!きちんと治療をします。ハイは?」
ウエロク 「は、はい。」
あい♪ 「じゃあ、ちょっと距離がありますがはるか♪様の病院があるのでそこで治療をしましょう。」
ウエロク 「はるか♪の病院だって!わかった。治療をしてもらうとするか。」
あい♪ 「では、行きましょう。この車椅子に乗ってください。」
ウエロク 「え?おい。俺歩けるよ。って俺飛行タイプだから飛べるし。」
あい♪ 「ダメです。病人を歩かせたり、飛ばせたりできません。私が車椅子で運びます。よいしょっと!」
ウエロク 「って!え!やめてくれーーーー!!!!」
ドスン!
あい♪ 「あなたそれだけ立派な体格なのに結構軽いですね。では出発です。出発進行!!!!」
ウエロク 「ふえぇぇぇぇえ!!!やめてくれーーーー!!!!自分の足で立たせてくれーーー!!!!」

<<猛将、地に立つ・完>>

(2009.10.3)

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最終更新:2009年11月14日 21:18