愛憎深く

【クヌギの森】
ヤマメ♪アリアドス) 「ねえ、チョキン♪。目にゴミが入っちゃったよ。見てみて。」
チョキン♪カイロス) 「見え見えの誘惑だな。イ♪にばれても知らないぞ。」
ヤマメ♪ 「黙ってたらわからないよ。」
チョキン♪ 「ははは。相変わらずの悪女だな。ん?そこにいるのは誰だ!」
イガウエノ 「・・・・・・・・・・・・・・・。」
チョキン♪ 「ヌケサク♪!いやイガウエノじゃないか?」

イガウエノ 「・・・・カクカクシカジカ・・・・・」
チョキン♪ 「ふ~ん。そうだったのか。よし匿ってやるから、ここにいるときはヌケサク♪って名乗ってろ。」
イガウエノ改めヌケサク♪ 「・・・・アリガトウ・・・・」
チョキン♪ 「安心しな。お前が虫の楽園にいる限りは仲間が絶対にお前を守るからな。」
ヌケサク♪ 「・・・・・トコロデ,ジョオウサマハ?・・・・・」
チョキン♪ 「今は不在だ。」
ヌケサク♪ 「・・・・・・・・」
チョキン♪ 「・・・・・・。いや、お前には本当のことを教えてやるよ。蟲の女王様なんてほんとはいないんだよ。」
ヌケサク♪ 「!」
チョキン♪ 「正確に言えば蟲の女王様はおられる。でも人として存在しないんだ。」
ヌケサク♪ 「?」
チョキン♪ 「俺たちのマスターは、本当ははるか♪様という名だ。はるか♪様は実は多重人格者なんだ。」
ヌケサク♪ 「!!!」
チョキン♪ 「蟲の女王様の人格のときは、慈悲深い慈愛に満ちた優しいマスターなんだ。だけど、今は別の人格が入っておられる。」
ヌケサク♪ 「・・・・・・・・・・・・」
チョキン♪ 「今の人格のマスターは、愛憎が深すぎる方なんだ。情愛が深すぎる故に暴走してしまう。愛するが故に人を深く傷つけ、自らも傷ついてしまう。憎悪の対象は冷徹に徹底的に叩いてしまう。そして周りの者すべてを傷つけてしまうんだ。」
ヌケサク♪ 「・・・・・・・・・・・・」
チョキン♪ 「今の人格が表に出ることは、過去ほとんどなかったし、出てもすぐに他の優しい人格に戻ることが多かったんだが、なぜか今はまだあの人格のままだ。」
ヌケサク♪ 「・・・・・・・・・・・・」
チョキン♪ 「これは、はるか♪様のポケモンでも一部の者しか知らない。ほとんどのポケモンは、はるか♪様のひとつの人格だけが自分のマスターだと思ってるよ。」
ヌケサク♪ 「・・・・・・・・・・・・」
チョキン♪ 「頼む。このことは誰にも話さないでくれ。」
ヌケサク♪ 「・・・・・ワカッタ・・・・・」

女王の居城】
密偵 「女王様、重大な情報を入手しました。」
女王 「なんだい?」
密偵 「ロンシャンが暗殺されかけました。」
女王 「なんだって!でも未遂か・・・。」
密偵 「はい。犯人は?????というロンシャンのポケモンのようです。」
女王 「飼い犬に手を噛まれたってか。ふ。まあ、あれだけ追いつめとけば、誰かそれくらいのことはするわな。で、ロンシャンは、どうしてるんだい?」
密偵  「側近のポケモンが身代わりになり、ロンシャン自身は軽傷ですんだようです。側近のポケモンは重体のようですが。」
女王 「で、犯人の?????って奴はどうなった?」
密偵 「すぐに逮捕され身柄を拘束されたようですが、護送中に逃走したようです。」
女王 「そいつは、何でロンシャンを殺ろうとしたんだい?」
密偵 「それが、完全黙秘だったので、真相は不明のようです。」
女王 「それは使えるね。そいつには主殺しの汚名と内通者の濡れ衣の両方を引っ被った上で、ご退場願いましょうかね。リン♪に伝えな。ターゲット追加だよ。」
密偵 「かしこまりました。では、先般のリン♪様へのご指示は保留ですか?」
女王 「あんたバカ?ターゲット追加だって言ってるでしょ。先の指示は、ちゃんとしてちょうだい。」
密偵 「はは!申し訳ありませんでした。すぐにリン♪様にご指示を伝えます。」
女王 「急いでよ。あたし何か最近調子悪いんだから・・・。」

R団の居城】
ウオッカ♪ 「えっと、連帯保証契約書、ロンシャンのサインっと、書類はそろってるから、また闇金から高額融資を受けましょうかね。まあ、これでロンシャンは、破産しか生きていく道ないね。あたしの知ったことじゃないけど。そうだ!受取人をあたしにして、生命保険でも入っておくかな。殺されかけたみたいだし。」
親衛隊員 「ウオッカ♪さま。ロンシャン様のご容態について、報告に参りました。よろしいでしょうか。」
ウオッカ♪ 「どうだった。」
親衛隊員 「はい。ロンシャン様のご容態ですが、まったくの軽傷でご心配におよびません。」
ウオッカ♪ 「あっそ。」
親衛隊員 「傷の方はまったく心配がないのですが・・・。」
ウオッカ♪ 「何かあるの?」
親衛隊員 「反応がないのです。心ここに非ずというか・・・。お一人で何かつぶやいていて、医師や我々の呼びかけにも反応しないのです。何か『やじゅうz』とか訳のわからないことをずっとつぶやいています。」
ウオッカ♪ 「あっそ。」(・・・・何か企んでいそうだね・・・)
親衛隊員 「あゆみ様は未だ危険な状態が続いています。」
ウオッカ♪ 「あっそ。」
親衛隊員 「?????は、まだ見つかりません。」
ウオッカ♪ 「そいつは捜索隊を出しな。逮捕に抵抗すれば射殺してもかまわない。」
親衛隊員 「かしこまりました。あと、もう一点重大な報告があります。」
ウオッカ♪ 「何?」
親衛隊員 「ウオッカ♪様の第1部隊が神官のウジヤマダ様に乗っ取られたようです。」
ウオッカ♪ 「あっそ。」
親衛隊員 「あっそって・・・。それで、不確かな情報ですがおうじ♪隊長代行が射殺された模様です。」
ウオッカ♪ 「あっそ。」
親衛隊員 「・・・・・・・・・・。それで、どういたしましょう。反乱部隊がキキョウに向かっているようなのですが・・・。」
ウオッカ♪ 「HSウメダに反乱軍制圧を指示して。あとテンマバシ隊に帰還とキキョウの守備を命じて。」
親衛隊員 「かしこまりました。」
ウオッカ♪ 「ああ。それから、部隊長クラスを全員ここに集結させて。緊急会議を開催するわ。」
親衛隊員 「HSウメダ様とテンマバシ様は、部隊の指揮があるのでは・・・。」
ウオッカ♪ 「副隊長にでも任せとけばいいのよ!幹部会議の方が重要なの!」
親衛隊員 「か、かしこまりました。」

ウオッカ♪ 「さて、そろそろ潮時のようね。おくう♪!あんたそこにいるでしょ!」
おくう♪ 「ふふふ。わかっちゃいましたか?」
ウオッカ♪ 「反乱軍の情報は、あんたがここに持ってきたんでしょ。居城に届くの早すぎるからわかるよ。」
おくう♪ 「ふふふ。反乱軍なんかと行動を共にして共倒れなんていやですもの。」
ウオッカ♪ 「じゃあ、最後にひとつ簡単な仕事をお願いするわ。ダイパー♪をここによこして。R団幹部として登録しておくから。」
おくう♪ 「ダイパー♪ですって!・・・・・。ふふふ。あんた相当な悪女だね。わかったよ。すぐにこっちに来るよう手配しておく。ふふふ。で、あんた、わたしに街であっても、もう声かけないでね。あんたみたいな女大嫌いだよ。」
ウオッカ♪ 「くくくく。何をいう。似たもの同士が。」

<<愛憎深く・完>>

(2009.10.3)