++トモヨ♪とむう♪3++

トモヨ♪ 「おはようむう♪。お目覚めかな?また寝ちゃったね。もう許してあげないからね。」
むう♪ 「トモヨ♪ちゃん、最初のころと話し方まで違っちゃってるよ。君は、一体誰なの?」
トモヨ♪ 「私は、一人だけじゃないよ。ほら、この手を握ってごらん。」
むう♪ 「この手って・・・。え?!虫!蠅の塊!!」
トモヨ♪ 「クスクス・・・。その蠅1匹1匹が小さな魂。望まれず、愛されることもなく、生を受けることなく消滅した魂。未練を残して亡くなった幼い魂。私は、それら無念の魂の集合体。」
むう♪ 「ボクの魂が、そのうちの1匹だっていうの・・・。」
トモヨ♪ 「そのとおりだよ。あとひとつ魂があれば私たちは昇天できたの。」
??? 「ちょっと待ちなさいよ!」
トモヨ♪ 「お前は誰?どこからここに入ってきたの?」
まりさ♪ 「あたしは、ムウマージまりさ♪だよ!人の形のあやかしごときが、あたしたち夢魔の姉弟を舐めンじゃないよ!」
トモヨ♪ 「私は、多分お前を知ってる。あのときの死に損ないの子だね。」
まりさ♪ 「はン!何のことだかさっぱりだね。」
トモヨ♪ 「別にお前の魂でも構わない。引導渡してあげるからかかっておいで!」
まりさ♪ 「望むところよ!可愛い弟を可愛がってくれたお礼をたっぷりしてあげるよ!」
トモヨ♪ 「ところでお前は、何を持っているの?何々。虫除けスプレーだって。クスクス・・・。それが私に効くと思ったの?」
まりさ♪ 「特性は、『おみとおし』ってわけね。」
トモヨ♪ 「殺虫剤代わりに使うつもりだったんだね。まずは、その無駄な努力をさらに徒労に終わらせてあげる。トリック!」
まりさ♪ 「あ!虫除けスプレーが!」
トモヨ♪ 「その代わりにこれをあげるね。プレゼント交換だよ。」
まりさ♪ 「何これ?!毒々玉!!!」
トモヨ♪ 「クスクス・・・。Trick or Treatだよ。お持てなししないと悪戯するぞ!」
むう♪ (・・・・え?何?今、見えたのデジャブ?・・・・。)
トモヨ♪ 「お菓子をちょうだい。代わりにお前には毒をあげる。」
まりさ♪ 「ちぇ!いくらむう♪の夢の中だって言っても、あいつが作り出した幻想の中だから、こっちが一方的に不利だね・・・。こン中じゃあたしの幻術も通用しそうもないし・・・。」
むう♪ 「姉ちゃん。大丈夫?」
まりさ♪ 「むう♪!あいつにぬいぐるみを貰ったって言ってたよね!」
むう♪ 「うン。でも、それって夢の話だよ・・・。」
まりさ♪ 「いいや。あいつは、あンたに夢を見させて、実際のあンたの記憶を塗り替えて、自分に取り込もうとしてたンだよ。だから、あンたが見た夢は、すべて現実さ!」
むう♪ 「そうなンだ・・・。」
まりさ♪ 「だから、あンたがあいつに貰ったぬいぐるみを最後に見た場所はどこ!」
むう♪ 「え?そンなのないよ。実際貰ってないンだし・・・。」
まりさ♪ 「あンた相当頭の回転悪いね。どこだっていいンだよ!あンたが最後にそこで見たってこの夢の中で思えば、現実世界で実現化するンだよ!!」
むう♪ 「わかったよ。ボクは姉ちゃんのベッドのところで最後にあのぬいぐるみを見た!」
まりさ♪ 「はい、よくできました。これで現実世界のマスターが、あいつの実体をなンとかしてくれるはず。」
トモヨ♪ 「あんたたち、何二人で悪巧みしてるんだい!」
まりさ♪ 「幻想世界の方のこいつは、あたしが片を付けてやる!さあ、呪縛から解き放ってやるよ。あたしの漆黒の波動に身を焦がされて昇天しな!!悪の波動ーーーーー!!!」
トモヨ♪ 「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!!!」
むう♪ 「蠅が!たくさんの蠅が真っ黒な炎に焼かれて散り散りになって飛んでいく・・・。黒い蛍みたいだ・・・。」
まりさ♪ 「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
むう♪ 「・・・・姉ちゃん・・・。・・・ありがとう。」
まりさ♪ 「・・・・帰ろ。むう♪。さあ目を覚まして。」

むう♪ 「・・・・・・う~~~ん・・・・・・・。」
マスター  「おはよう。むう♪ちゃん。お目覚めね。クスクス・・・。」
むう♪ 「あ!マスターおはようございます。姉ちゃんやゆきちゃんもおはよう。」
 「あれ?何かが燃えてる・・・あ!そのぬいぐるみ。」
マスター  「ごめんなさいね。むう♪ちゃんのぬいぐるみ、焼いちゃった。」
むう♪ 「真っ黒な炎を出して燃えてるね・・・。望まれず、愛されることもなく、生を受けることなく消滅した魂・・・。未練を残して亡くなった幼い魂・・・。」
まりさ♪ 「むう♪・・・・。・・・もう一人でどこかに逝こうとしたらやだよ。2度とやだよ・・・。」
むう♪ 「うン。わかったよ。」(・・・もう、姉ちゃんを泣かすようなことはしない。約束するよ。・・・)

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(2009.9.21)

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最終更新:2012年05月13日 22:26