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「みえと裏切れない心」(2010/09/04 (土) 19:32:55) の最新版変更点
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*京浜急行、博麗霊夢、ラティアス、マルマイン、ドナルドの顔。共通点は? A.紅白。
キキョウシティのはるか東の海岸線。タンバジ、[[キシュージ]]らが次々と[[R団]]を襲撃していた頃、同じ快速軍の紅一点「みえ」は、[[R団]]の集まりを探して、海沿いを飛び回っていた。
[[みえ]]「うーん、このあたりに絶対いるはずなんですけどねぇ。」
[[みえ]]は[[R団]]の集団がいるとされる座標が示された地図を見ながら、上空から[[R団]]を探すが、見つからない。
[[みえ]]「どこか、洞窟とか森の中に出るんですかねぇ。むー」
[[みえ]]は飛びながら考え込んだ。考え込むのは無理も無かった。彼女はジョウトの中でも内陸の出身であるため、海沿いの地理にはあまり詳しくないのである。考え込む彼女の耳に、突如声が聞こえてきた。
暴走[[ドンカラス]]「クァーカカカカ、どけどけどけ!!」
[[みえ]]「ほぇ?」
[[みえ]]の目に入ったのは1匹の暴れ[[ドンカラス]]だった。何と、[[ドンカラス]]は[[みえ]]の方に真っ先に向かってくるではないか。
暴れ[[ドンカラス]]が[[みえ]]の存在に気づいたのは、まさに衝突直前であった。
暴走[[ドンカラス]]「クァッ!?」
[[みえ]]「はひ・・・ひぃやああああああ!!!」
暴走[[ドンカラス]]「グエェェェッ!!」
暴走[[ドンカラス]]は[[みえ]]をかわすことができず、彼女と正面衝突。2匹とも真っ逆さまに墜落してしまった。
[[みえ]]「ほひゃぁぁぁ・・・」
暴走[[ドンカラス]]「グェェ・・・」
地面に墜落してから先に口を開いたのは、暴れ[[ドンカラス]]の方だった。自分からぶつかってきたはずの暴れ[[ドンカラス]]は、まるで[[みえ]]が悪いかの如く、文句を言いつけてきた。
暴走[[ドンカラス]]「カーッ、この女! 飛ぶときゃ気をつけろぃ!!」
[[みえ]]「ぶつかってきたのはあなたですよ! わたしは考え事してただけです」
暴走[[ドンカラス]]「考え事だぁ? そんなこと地上に降りてやればいいだろうが!」
[[みえ]]「何であなたの都合でそんな事言われなきゃ・・・」
暴走[[ドンカラス]]「黙れぃ!!」
[[みえ]]「はひぃ・・・!?」
暴れ[[ドンカラス]]の一言で、[[みえ]]は半泣きで凍りついてしまった。暴れ[[ドンカラス]]はさらに[[みえ]]に暴言まがいの文句を言いつける。
暴走[[ドンカラス]]「久々に気持ちよく飛んでたのに邪魔しやがって、全く! 今度邪魔したら承知しないぞ! カーッ!」
暴れ[[ドンカラス]]は文句を言いながら、[[みえ]]の元から飛び去っていった。
[[みえ]]「・・・もーう、自分勝手な[[ドンカラス]]さんですねぇ。気を取り直して[[R団]]の人たちをさが・・・うひ!?」
[[みえ]]は立ち上がった途端、背中の羽に痛みを感じた。暴れ[[ドンカラス]]にぶつかって墜落した際、翼を痛めてしまったようだ。
[[みえ]]「は・・・羽を怪我してしまったみたいです・・・これじゃ飛べません・・・とほほー」
飛行手段を失った[[フライゴン]]、それはただのじめん・ドラゴンタイプのポケモンだった。仕方なく、[[みえ]]は自分の足でとぼとぼと歩き始めた。しかし、[[フライゴン]]とは本来飛んで移動するポケモン。彼女にそれが耐えられるはずも無く、すぐに座り込んでしまった。
[[みえ]]「はぁぁ~。一体これからどうすればいいのでしょう・・・」
途方に暮れる[[みえ]]。そんな彼女に、誰かが声をかけた。
???「どうかしたんですか?」
[[みえ]]「ほえ?」
優しい声に[[みえ]]が顔を上げると、そこには1匹の♂の[[フライゴン]]が立っていた。その[[フライゴン]]はすぐに[[みえ]]が翼を痛めていることに気がついた。
???「・・・翼を怪我してるじゃないですか!」
[[みえ]]「い、いえ、これはかすり傷ですから・・・」
???「こんなの、かすり傷じゃありませんよ。何かにぶつかられたんでしょう」
[[みえ]]「どうしてわかるんですかぁ?」
そう言われた[[フライゴン]]は[[みえ]]にくっきり残った傷を指差して述べた。
???「この傷跡! クチバシを持った鳥ポケモンに高速でぶつかられないと、つきませんよ。」
[[みえ]]「・・・当たりですぅ・・・」
???「やっぱり。最近暴れ[[ドンカラス]]がこの辺りを飛び回ってて、被害者が続出してるんです。」
[[みえ]]「わたしも、さっきやられましたぁ・・・」
???「そうですか・・・とりあえず応急処置ですがしておきますね」
♂の[[フライゴン]]はそう言うとキズぐすりを出し、[[みえ]]の翼に手馴れた手つきでそれを吹きかけ始めた。通常、人間の道具の使い方がわからないはずのポケモンが、キズぐすりを使う。[[みえ]]はすぐ気づいた。『彼は少なくとも野生のポケモンではない』と。
[[みえ]]「手馴れてますねぇ、キズぐすりが使えるなんて」
???「そういう訓練をしてきましたから・・・」
[[みえ]]「手つきでわかります。あなた、野生のポケモンじゃないですよねぇ」
???「はい。」
[[フライゴン]]は自分がトレーナーのポケモンであるということを、あっさりと肯定した。[[みえ]]はさらに続ける。
[[みえ]]「トレーナーさんはキャンプボーイさんですか」
???「・・・いえ、1人じゃ何もできない、ただの人間ですよ。特別頭がいいわけじゃない、腕がいいわけでもない。でも、ボクらにとっては大切なトレーナーなんです」
[[みえ]]「『ら』ということは、他にもいるんですかー?」
???「はい、愉快な仲間がいっぱいいますよ!」
[[みえ]]「わたしも、仲間いっぱいですよぉ」
???「へぇ。応急処置が済みましたよ!」
[[みえ]]「・・・あー、痛みが引いてこれなら飛べそうです! ありがとうございますー」
???「無理はしないでくださいね。それじゃ!」
[[みえ]]「あー、あのー、あなたのお名前は・・・いっちゃいましたねぇ」
[[みえ]]が[[フライゴン]]の名前を聞こうとした途端、彼は名前も告げずに足早に飛び去ってしまった。少し顔を赤らめながら、小さくなっていく[[フライゴン]]の影を見つめる[[みえ]]。彼女の様子は明らかに異なっていた。そして、[[みえ]]はこう口を開いた。
[[みえ]]「みえはどうやら・・・あの方が好きになってしまったようです。このわたし[[みえ]]、自分の恋心は決して裏切れません・・・」
そう、彼女はあの[[フライゴン]]の優しさに、一目ぼれをしてしまったのである。[[みえ]]は一度欲しいと思ったものは手に入れるまで諦めない性格だった。そして[[みえ]]はある決断をした。
[[みえ]]「こうなったら・・・禁じ手『ストーキング』ですっ!」
一度へばりつくとなかなか諦められない性格の[[みえ]]は目を光らせ、[[フライゴン]]を追いかけだした。これが、彼女の1つの戦いの幕開けだった。
<<作者は殲滅の英雄ハンニバルZにぐちゃぐちゃにされました>>