アスカが高熱を出したため、ハルヒは学校を休んで看病
アスカ「ゴホッゴホッ」
ハルヒ「ひどい熱」
翠星石「全然下がらないですぅ」
アスカ「ゴホッ……シン……ジぃ…………」
ハルヒ「今のうわ言……」
翠星石「『シンジ』って言ってたですぅ」
ハルヒ「何度目かしらね」
翠星石「きっと側にいて欲しいんです」
ハルヒ「それなら……特効薬に来てもらおうじゃない!」
翠星石「ハル姉、まさか……」
ハルヒ「翠、準備しなさい」
翠星石「はい!ですぅ」

シンジの通う学校にて。
トウジ「あ~やっと昼休みや~、さぁメシやメシ」
突如教室のドアがガラッと開く。
 「全員そのまま!!!動かないで!!」
トウジ「な、なんやオマエ?」
ハルヒ「SOS団団長涼宮ハルヒよ!碇シンジくんはどこ!?」
シンジ「えっ?ぼ、僕?」
ハルヒ「ふふん、あなたね。翠!」
翠星石「そら捕獲ですぅ!!」
しめ縄を持ってシンジに飛びかかる翠星石。
シンジ「うっうわぁああぁぁあぁぁぁ!!!!」
ドタドタッバタッ、ぎゅッ。
翠星石「目的を確保しましたァ!」
ハルヒ「碇シンジくんは現時刻をもってSOS団の指揮下とします!以上!」
レイ「待って」
ハルヒ「むっ、なによあんた」
レイ「どうして碇君を連れてくの?」
ハルヒ「ど、どうしてもよ!別にいいでしょ!?」
レイ「よくないわ」
ハルヒ「……アスカが高熱を出してるのよ。今日休みなの知ってるでしょ?
    それで、うわ言でシンジ君の名前を呼ぶから、今から来て看病してもらうためよ!文句ある!?」
シンジ「え……?」
レイ「そう。でも、まだ学校終わってないもの。ダメよ」
ハルヒ「アスカの熱は終業のチャイムなんて待ってらんないのよ!!!
    何なのよ、突っかかってきて。はは~ん、あんた、シンジ君のこと好きなんでしょ?」
レイ「……」
ハルヒ「ふん!学校終わってないからダメっていうなら、安心しなさい。
    この子がシンジ君の代わりに午後の授業を受けるから」
みくる「あ……ぁ…朝比…奈、みく…る……です……よろしく、お願い…します……」
ハルヒ「じゃっ!そういうことで!翠、帰るわよ!」
翠星石「はいですぅ☆」
シンジ「ちょっ……待ってよ!い、いたっ」
翠星石「ほらちゃっちゃと歩けですぅ。つまんねー反抗するなですぅ」
シンジを連れて引き上げるハルヒと翠星石。

ハルヒたち、帰宅。
ハルヒ「はい、これお粥。あと代えのタオルよ」
シンジ「僕が持ってくの?」
翠星石「当たり前ですぅ。そのためにおめーはここにいるですぅ」
ハルヒ「いい?あんたが自分で来たいつって来たんだからね?
    アスカに、あたしたちに連れてこられたなんて言ったら死刑よ!」
シンジ「~~~、わかったよもう」

アスカの部屋に入るシンジ。
アスカ「ゴホッゴホッ……」
枕元にお粥を置いて、アスカのひたいのタオルを取り換える。
アスカ「……!?」
シンジ「あ、ごめん。起こしちゃった?ここにお粥置いとくから、食べたくなったら…」
アスカ「何であんたがここにいんのよ?」
シンジ「え?そ、それは……」
アスカ「……ハル姉たちね」
シンジ「ちち違うよ!僕が……」
アスカ「何なのよ、余計な気使っちゃって」
シンジ「そんな言い方するなよ。お姉さん達はアスカを心配して」
アスカ「うるさい!バカシンジなんか連れてこられたって、かえって…ゴホッ…め、メーワクだわ!
    あんたもあんたよ!何のつもりか知らないけど、こんなとこまでノコノコやって来て…ゴホッゴホッ……」
シンジ「ご、ごめん……だ、大丈夫?アスカ」
アスカ「~~~っ!あぁもぅイライラする!もういいから出て…ゴホッ…出てってよ!」

リビングにて。
ハルヒ「ごくろう!」
シンジ「僕……来ない方がよかったんじゃないかな?」
ハルヒ「なんでよ?」
シンジ「迷惑って言われちゃったよ。はは……」
ハルヒ「……」
シンジ「僕がいてもアスカを苛立たせるだけだよ」
ハルヒ「……あんたを連れてくる前、アスカはうわ言で、何度もシンジ君の名前を呼んでた」
翠星石「アスカのやつはいーっつも素直じゃないですぅ」
ハルヒ「だから、口では酷いこと言っても、心の中では喜んでるはずだわ」
シンジ「そうかな……」
ハルヒ「そうよ。あたしは、あの子のことはよく分かってるつもり。だからお願い、
    色々言われて嫌かもしれないけど、あの子の側にいてあげて」

アスカの部屋。
アスカ(なんであんなこと言ったんだろ、あたし。サイテーだ……)
   (シンジのやつ、もう帰っちゃったかもね)
お粥を口にするアスカ。
   (ハル姉たちにも申し訳ないな)
   (ホント、最低だあたし……)
横になり、涙が出るのをこらえながら、そのまま寝てしまう。

真夜中、ふと目が覚めるアスカ。
アスカ(真っ暗……変な時間に目が覚めちゃった……)
ひたいにのせてあるタオルがヒンヤリとする。
アスカ(気持いいな……)
まどろんでいるうちに、再び眠りにつく。

翌日早朝。
アスカ「あれ?」
すっかり体も回復して起き上がったアスカが最初に目にしたのは、
自分の横で制服姿のまま、タオルを持った手を氷の入った洗面器に突っ込んで眠る、
シンジだった。
アスカ「……」
リビングに行くと、ハルヒと翠星石がだらしない格好で寝ていた。
彼女たちの寝言が聞こえる。
翠星石「……ハル……姉……アス……を着替え…させ……老廃物で……小汚……」
ハルヒ「………アスカ……着替……シン…君…ちょっ……部屋から…出……覗…な……」

アスカ「そっか。遅くまで看病してくれてたのね……。ありがと、ハル姉、翠星石。
    ……ありがと。シンジ」

そして、アスカに叩き起こされる三人。
アスカ「ほらほら、あんたたちバカァ!?そんなカッコで寝たら、今度はあんたたちが風邪ひいちゃうでしょ!
    あたしならとーっくに元気一杯よ~!このあたしが風邪ごときにくたばるわけないじゃない!!」
ハルヒ「ねむ~い!なによ朝っぱらからうるさいわね~……」
翠星石「……全くですぅ。誰のおかげで治ったと思ってるですか。
    こんなことならトドメさしとけばよかったですぅ……」
アスカ「バカシンジも起きなさいよ~!」
シンジ「ふぁ~あ。ん?アスカ具合いはもう…」
アスカ「ていうか……あんた……あたしの部屋で…って!ちょっと!ずっと隣で寝てたわけ~!?」
シンジ「え?あれ、いつの間に寝てたんだろ。気付かなかっ」
アスカ「も~サイアク!寝てる間に変なことしてないでしょうね!?」
シンジ「すっ、するわけないだろ!ずっと看病してたんだから!
    着替えさせる時だけちょっと……あ、いや違うんだ何も見てないしどこにも触ってなんか…」
アスカ「うわあぁ~~やっぱりしてたんだ、バカ!エッチ!痴漢!変態!」
シンジ「なっ何言ってんだよ、だからしてないってば!そういってるだろ!」

ハルヒ「子供ねー」
翠星石「子供ですぅ」

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最終更新:2006年12月11日 23:36