おかしい、あのハルヒが…天上天下唯我独尊って表現がピッタリな
あのハルヒが…
ハルヒ「どうしたの?キョン?私が作ったお弁当おいしくなかった?」
キョン「いやそんなわけじゃない。ただ、お前がこんなもの作ってくれるとは
    思ったこともなかったから…」
そう、今日のハルヒはおかしい。やさしく、おしとやかで、とにかくおかしい
こんな風に俺の胸が締め付けられるのはこいつがおかしいからに決まっている
それに昨日、俺が偶然部室で見つけた奇妙な石もまるっきし無反応だったし
あいつに何かあったのか
そして放課後の部室
みくる「今日の涼宮さんおかしくないですか?」ヒソヒソ
キョン「やはりそう思いますか?」ヒソヒソ
ハルヒ「どうしたの二人とも?」
みくる「な、なんでもありません~」
キョン「ハルヒ、昨日なんか変なもの喰ったか?」
罵倒されることを覚悟して聞いてみる。
ハルヒ「え?私ってそんな風に見えるの?」
キョン「いや、そういうわけじゃない。ただ様子がおかしいから…」
予測していない返事に困惑しちまう
ハルヒ「そうねぇ、確かに頭がボーっとしてるような気が…」

 ドサッ
キョン「ハルヒ、おい、どうしたんだ?」
有希「どいて。」
古泉「これは…!やられましたね…」
キョン「ハルヒがどうしたってんだ?」
古泉「涼宮さんの能力が彼女のなかで暴走、彼女の内面世界…精神といったものを
   侵食し始めています。」
有希「すぐに彼女を家に連れ帰り処置をすべき」
古泉「ええ、そうしましょう。車の手配をします。ちょっと待っててください」
キョン「処置って具体的にはどうするんだ?」
有希「彼女を外側から呼びかけると同時に彼女の内面世界に入って原因を除去する」
みくる「原因って…なにか精神的なものでしょうか?」
有希「違う。おそらくは、何かが彼女の内面世界に入り込みそのせいで暴走が発生している」
キョン「何かって…」
有希「わからない、何もかもが不明」
みくる「見た目はただ静かに眠っているだけなのに」
古泉「車が来ました。はやく」

アスカ「どういうこと?」
翠星石「ハル姉がどうしたってんですか?」
キョン「分からない、ただハルヒのなかで何かとんでもないことが
    起こっているってくらいしか」
アスカ「そんなんじゃ説明になってないって」
翠星石「こーなったら翠星石が夢の中に・・・」
アスカ「そうよ、その手が…」
翠星石「・・・」
アスカ「翠?」
翠星石「夢がないです」
有希「それもそのはず、彼女はいま自分自身の能力にセカイを覆われてるのだから」
古泉「直接、彼女の夢にアクセスは出来ないわけです」
アスカ「どうしてそう冷静なのよ?ハル姉の一大事なのよ?」
古泉「落ち着いて、首を絞めないで」
翠星石「これが落ち着いていられるかですぅ!」
キョン「落ち着け二人とも、ハルヒを救う方法ならある、そうだろ長門?」
有希「確かに、しかし人数が足りない。あと2時間後に状況を開始する。
   そのため今まで涼宮ハルヒに関わった多くの人々の協力が必要」
アスカ「じゃあ、とにかく人を呼べばいいわけ」
古泉「とりあえずは」
翠星石「なら善は急げ出すぅ」
アスカ「とにかくかたっぱしから集めるわよ」

キョン「で、とにかく集めたはいいがどうするんだ?」
有希「涼宮ハルヒの能力を知らない者たちにはとりあえず眠ってもらう」
谷口「なんだか急に眠く…」
鶴屋さん「めがっさねむいにょろ~」
のり「ふあ~ぁ」
青葉「むにゃ」
巴「すーすー」
ジュン「ぐ-」
アキト「グー」
シンジ「すやすや」
翠星石「みんなあっという間に眠りやがったですぅ」
アスカ「こんなに呼ぶ必要あったわけ?なんか台詞もなく寝てるだけの可哀相な人たちも多いけど」
有希「彼らはなかに入る私たちが何かあったときのための命綱」
古泉「僕たちが退くとき迷わないように、また不意の負傷で戻るさいのね」
キョン「今回はそんなに危ないのか?」
有希「ええ、相当危険。よって入る人間を選ぶ」
古泉「SOS団と妹さんたちは当然として」
水銀燈「わたしもいくわぁ、この娘にはお世話になったし」
朝倉「私もいく、可愛い妹が行くって言ってるし」
喜緑「私はお留守番してます」
真紅「私と雛苺も待機しているわ」
蒼星石「僕は…」
翠星石「蒼星石は待っててください。」
蒼星石「わかったよ。翠星石の無事を祈ってる」
レイ「有希、ここであなたたちの無事を祈ってるわ」
ルリ「頑張ってください、有希姉、翠ちゃん」
有希「うん、いってくる」
翠星石「任せろですぅ」
レイ「そこの赤毛」
アスカ「ケンカ売ってんのあんた?」
レイ「早く帰ってこないと碇君の寝込みを襲うわ」
アスカ「はあ?あんた叩きのめ」
レイ「だから無事に帰ってきなさい。わかった?」
アスカ「なっ…」
レイ「怪我せずになるべく早く帰ってきなさい」
アスカ「なによもう調子狂うわねぇ」
レイ「お返事は?」
アスカ「わかりました!」
有希「それでは出発する。集まって」
ルリ「いってらっしゃい」
有希「行ってくる」
          ブン
雛苺「きえちゃったのぉ」
真紅「どうかみんな無事で」

キョン「到着した瞬間絶体絶命の危機なわけ?」
アスカ「なんなのよ!このでっかい虫みたいのは?」
翠星石「気持ち悪いですぅ」
朝倉「片っ端から片付けるからさがって」
水銀燈「逝きなさぁい!!」
古泉「攻撃は3人で十分です。長門さんは防御に」
有希「了解。ここから見える範囲でいいから状況を探れる?」
キョン「良くは見えん」
みくる「剣にナイフに光弾に虫」
アスカ「なんか向こうのほうが明るい気がする」
翠星石「ホントですぅ、光が漏れてるですぅ!でもあっちから虫がわいてきてるですぅ」
朝倉「なら、そっちに原因あるんじゃない?」
古泉「彼女の能力で現れたのがこの虫みたいですからね」
キョン「じゃあ、あの光の部分にハルヒが?」
有希「可能性は低い。」
水銀燈「なんにせよ、この虫どんどん湧いてくるわぁ。大本から絶ったが早いんじゃない?」
古泉「どっちにせよ、行くしかないみたいですね」
キョン「そうと決まれば、走るぞ!!」
アスカ「翠、あんた大丈夫?ついてこれる?」
翠星石「こんなこともあろうかと鞄を持ってきておいたですぅ」
キョン「ああ…スイーっと行っちゃうわけね」
朝倉「駄洒落とは余裕ね」
キョン「そっちこそ、ナイフ振り回しながら良くしゃべる」
水銀燈「まだ今は大丈夫ってことよぉ」
古泉「余裕があるうちにしゃべっておかないと忘れられますからねぇ」
みくる「光に近づいてきました」
アスカ「なんかこの辺怪しくない?」
翠星石「なんか唸り声が聞こえるですぅ」
キョン「あそこから光が漏れてるな」
みくる「危険じゃないですか?」
水銀燈「覚悟していたことでしょう?」
キョン「行くぞ!」
みくる「まってください~」
アスカ「何ここ?何もないィイイィ?」
翠星石「今度は馬鹿でかいお化けですぅ」
古泉「攻撃が効かない!?」
朝倉「銀ちゃん!?」
水銀燈「大丈夫よ、涼子姉。肩を掠めただけ」
有希「こちらからの操作も通用しない」
キョン「じゃあどうするんだ?」
みくる「とりあえずは長門さんの作ったフィールドから出ないようにしないと
    こっちがやられます」
アスカ「あっちに何か見える」
翠星石「あれはハル姉のリボン!!」
アスカ「ってことは、あの向こうにハル姉が!?」
翠星石「急ぐですぅ」
みくる「だめ、ここからでたら」
翠星石「は~な~す~で~す~ぅ」
アスカ「駄目よ、あんたを怪我させるわけにいかない」
水銀燈「こんなときにあのひとがいたら…」
朝倉「弱気は駄目よ?とにかくこのデカブツの足止めをすればいいんでしょ?」
古泉「攻撃すれば怯みますけど長くは続きませんよ?」
水銀燈「とにかく攻撃して、怯んだところを進むわけぇ?自殺行為ぃ」
キョン「それしかないか…」
古泉「いきますよ」
朝倉「走って!!」
アスカ「ハアハア」
キョン「くっそ、普段から運動しとけば」
古泉「文句、言っても、しょうが、ないですよ?」
朝倉「銀ちゃん、大丈、夫?」
水銀燈「ちょっと翼が動かしづらいだけよ」
古泉「クッ!」
キョン「どうした?」
古泉「やつら怯まなくなりました」
アスカ「リボンにはたどり着いたわ」
翠星石「この近くに何かあるです」
古泉「でも、もう動けませんね…」
朝倉「囲まれた…」
水銀燈「もう怯んではくれないのね…」
キョン「くそ!」
みくる「あそこ、割れ目みたいのがあります」
翠星石「こうなったら翠星石だけでもいくですぅ」
アスカ「ダメよ、あんたまで何かあったらどうすんのよ!?」
翠星石「アス姉…」
朝倉「銀ちゃん、いままでありがとうね。銀ちゃんが妹になってくれてほんとに良かった」
水銀燈「どうしたのぉ?らしくないこと言い出して」
朝倉「これでお別れ」
水銀燈「涼子姉!?何するつもり?」
朝倉「この身体を消滅させてこいつらを道連れにする。さよなら銀ちゃん」
水銀燈「涼子姉!?」
朝倉「長門さん、後はよろしく」
水銀燈「嫌!!やめて!!!」
???「まったく、困った妹ね?涼子」

そういった直後、私は神言をもって虚空に陣を敷く
狙いは眼下の黒き異形
ソレがなんであるのかは知らない、知る必要はナイ
ソレが可愛い妹たちを苦しめている、ソレが妹を泣かせた
私にとって大切なのはその事実
真実、真理を求める立場の魔術師であろうとも
今の私は二人の可愛い妹のたった一人の姉なのだから
   「私の妹を苦しめた代償、安くないわよ?」
放たれる魔術はそれこそ神すらも傷つける脅威
その威力を前に黒き異形になすすべもなく、ただ消えいくのみであった


水銀燈「キャスター姉さん…」
朝倉「お姉ちゃん」
キャスター「どうしたの二人とも?泣きそうな顔しちゃって」
朝倉「そんな顔なんかしてないわよ。ちょっとびっくりしただけよ」
水銀燈「そ、そうよ勘違いはやめてよねぇ」
朝倉「でも、どうして?世界のつながりはもうないはずよ?」
キャスター「世界のつながりより、姉妹のつながりのほうが強いってこと
      ほら、そこの二人ももっと強く願いなさい。そうすれば、道は開けるから」
アスカ「翠」
翠星石「わかってるですぅ」
古泉「また来た!今度は、でかいのから小さいのまで」
キャスター「それじゃ二人の邪魔はさせないようにもうちょっと頑張りましょう」
朝倉「それじゃあやりますか」
水銀燈「やるわぁ」
キャスター「でかいのは私が消すから撃ちもらした小さいのをお願いね?」
キョン「どうだ?二人とも?」
アスカ「ハル姉が十字架に縛られてる…」
翠星石「何か黒い箱がハル姉を苦しめてるですぅ」
みくる「あ、割れ目がさっきよりも大きく」
キャスター「ここは私たちにまかせなさい?」
キョン「ありがとうございます!よし、行こう」
古泉「ここが彼女の本来の内面世界みたいですね」
キョン「ハルヒ!」
アスカ&翠星石「ハル姉!」
古泉「迂闊に近づいてはいけません、なにかいます」
キョン「黒い箱?」
みくる「! あぶない!キョン君」
有希「シールド発動」
古泉「レーザー!?どうやらあれが、侵略者みたいですね」
???「我を使え」
キョン「なんだ?」
???「我を使え、さすれば彼奴を打ち破ろう」
キョン「この石か?」
翠星石「この大事なときにさっきからどーしたですかキョン人間」
キョン「アスカちゃん、翠星石ちゃんはハルヒを残りのみんなは二人の援護を」
アスカ「キョンさんは?」
キョン「あれをどうにかする」
古泉「無茶だ!」
キョン「大丈夫、勝算はある」
アスカ「よろしく」
翠星石「任せたですぅ」
キョン「そこの黒い箱、相手は俺だ。いくぜ!」
って、あれどうやって使えばいいんだ?
アスカ「ハル姉」
翠星石「こんなツルあっという間に」
有希「くっ」
古泉「キョン君無視されてますよ?」
キョン「くそ、どうやって使うんだよ?」
???「我が名を唱えよ我が名は…」
キョン「タスラム!!」
みくる「きゃっ」
有希「箱が砕けた」
古泉「ツルが消える」
アスカ&翠星石「ハル姉!!」
アスカ「よかった、無事で」
翠星石「まったく人騒がせな姉ですぅ」
有希「涙を流しながらも姉を思いやる。いい姉妹」
キョン「まずは帰ろう。疲れた」

レイ「お帰り有希」
アスカ「あんたシンジに」
レイ「だすわけないでしょ」
ルリ「お帰りなさい有希姉、翠ちゃん」
翠星石「ただいまですぅ蒼星石、ルリルリ」
蒼星石・真紅・雛苺「お帰りなさい」
古泉「では眠っている皆さんを起こして解散しますか」
水銀燈「キャスター姉さんはいないのね」
朝倉「大丈夫、すぐにまた会えるわ。姉妹の絆は強いんだから」


それから数時間後
ハルヒ「うぅ~ン」
アスカ「おきた?」
翠星石「大丈夫ですか?」
ハルヒ「あら、あんた達?あたしどうして」
アスカ「部室で倒れたからって運んできてくれたの」
ハルヒ「そう、あ、もうこんな時間夕飯の準備しなくちゃ」
翠星石「そんなんいいですぅ、きょうは出前にするですぅ。だからゆっくり休むです」
ハルヒ「そう?あ、そうだ夢でね、どうしようもない状況にまでなったんだけどね
    二人の声が聞こえてね、おかげでものすごく元気になれたのよ」
アスカ「どうしたの」
ハルヒ「だから…その…二人と姉妹でよかったって…て何言わせるのよ?今の発言は無し。取り消し!」
翠星石「うんにゃ、取り消し不能ですぅ仕方が無いからその…嬉しかったってことにしてやるですぅ」
アスカ「そーいうこと」
 
3姉妹の家からは今日も仲のいい声が聞こえてくる

 

キョン「結局あの黒い箱と石はなんだったんだ?」
有希「おそらくはキャスターたちの世界がつながっていたときの名残」
キョン「名残?
有希「そう、おそらく外れたときの矛盾がすべて彼女に振りかかった。それがあおの黒い箱。」
キョン「じゃあ、あの石は?」
有希「おそらくはあおの世界の人たちが残した想いの結晶」
キョン「…また会えるかな?」
有希「もちろん、ここはそういう世界だから」

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最終更新:2007年12月31日 11:03