ある夜。
ハルヒはおとなりに来ていた。テレビから目を離さない長女、もてなしのお茶を出してくれる三女をよそに次女と向かいあっていた。
今日はおりいってSOS団の万能超人に用があった。
有希「それで、今日はなに?」
ハルヒ「あ、うん。…ね、有希はドイツ語ってできる?」
有希「日常会話程度なら」
実際はもっとできるがそのへんは読書でどうにかできる範囲にとどめる。
ハルヒ「やっぱさすがね……ね、あたしに教えてくんないかな?」
ルリ「急にどうしたんですか?」
ルリが聞くとハルヒは若干苦笑しながら、話し出した。
ハルヒ「…今日ね、家に帰ったらアスカと翠がドイツ語で会話してたのよ…」
話しを要約すると、
二人ともドイツにゆかりがあり、今日たまたまテレビでドイツ語会話の番組を見たので、つい懐かしくてしゃべっていたのだそうだ。
ハルヒ「あたしが帰ったのを見たらやめちゃったけど、なんか気を使わせちゃったみたいで」
ハル姉にわからない言葉で話すのは悪い-
そんな感じだろう。妹たちの気持ちはうれしいがハルヒにはしゃくでもあった。
ハルヒ「だからこっそり勉強してある日いきなりペラペラしゃべってやろうと思ってさ」
有希「了解した」
ハルヒ「ほんと?ありがと!じゃ、明日の放課後、SOS団終了後からお願いできる?」
有希「かまわない」
ルリ「それでしたら夕食どきまでうちでやってもいいですよ。…私も若干できますし」
さすがは電子の妖精。
ハルヒ「助かるわ!じゃ、よろしくね!あ、くれぐれも二人には内緒で!おじゃましました!」
ドアを蹴破る勢いで退場するハルヒ。
ルリ「妹思いのお姉さんですね」
有希「確かに驚かせようと言うよりは二人への気遣いの分が比重をしめていると思われる」
ルリ「まったくうちの姉にも見習ってほしいですね、レイ姉?」
せんべいを食べながらテレビをずっと見てる長女に皮肉る。
レイ「私もそれなりに考えてるわ。心配しないで」とはいいつつもせんべいをぽりぽり。
ルリ「はいはい。わかってますよ…」
このあとこの勉強会が元でいろいろあるのだが、それは別の話し。