季節は梅雨のはずだがお天道様はまるで真夏のように覗いている、そんな朝である。
教室に入るとハルヒが膨れっ面をして俺の後ろの席に座っていた。
キョン「よう。どうしたハルヒ、朝から不機嫌そうな顔して」
ハルヒ「不機嫌にもなるわよ!キョン聞いてよ!
アスカは暑いから食欲ないわー、とか言ってせっかく作った朝ごはん食べないとか言うし、
翠はまたアスカ怒らせて逃げようとしてお皿割るし、朝から大変だったんだから!
まぁアスカは結局食べてったし、翠もちゃんとあやまって片付けたからいいけど」
キョン「それは朝から大変だったな」
ハルヒ「そうでしょ!もう手のかかる妹たちだわ!
でもアスカは翠が割ったお皿を一緒に片付けてたし、翠もアスカが元気なかったから
ギャーギャー騒いであの子なりにテンション上げさせようとしたんだろうし、
だからしょうがないから許してあげたんだけどね。
でも、次に朝から騒いだりしたらもう許さないわ!こっちだって朝の準備大変なんだから!」
キョン「ん・・・、そうか」
ハルヒ「・・・なによキョン、そのなんか飲み込んだような返事は!?
言いたいことがあるならハッキリ言いなさいよ!」
キョン「い、いや・・・なんかお前、顔怒ってるわりに楽しそうだな」
ハルヒ「はぁ!?アンタ何言ってんの?楽しくなんかないわよ!こっちは被害者なのよ!」
キョン「そうか。でも俺はオマエが意外といいお姉さんやってると思ったぞ」
ハルヒ「な!?あ、当たり前でしょ!?団長たるものは家でもリーダーなんだし・・・ってもう!
アンタに話したアタシがバカだったわ!もういいわよ!ふん!!」
こうしてハルヒはそっぽ向いて窓の外に眼を向けてしまった。
しかし、こんなこと口に出せるわけないだろう。
ハルヒ、おまえは将来姉御肌のいい奥さんになりそうだな、なんてな・・・