事件はある晴れた日に起こった。

「ただいまあ~」
「ハル姉お帰りですう。今日は早かったですね?」
長女の帰宅を留守番の三女が迎えるいつもどおりの光景。
「まあね。たまには三人で遊びにでもいきましょう。アスカも帰ってくるって」
「しゃ~ねえ~ですね。ならこの翠星石をしっかと抱っこしていくですぅ」
「ああ、真紅ちゃん抱っこねw」
「ちょ、なんですかその名前は!ここここんなのはドールを扱う常識ですぅ!」
「ジュン君抱っこのほうがよかった?(ニヤニヤ)」
「ち、ちび人間はもっと関係ないですぅ!改名を要求するですぅ!」
「はいはい」
いつものたわいないやりとり。そこにタイミングよく次女のお帰りとなる。

「ただいま~あらハル姉早かったのね」
「アス姉お帰りですぅ」
「おかえり。今日はSOS団休みにしたからね。団員の福利厚生も考えるのが団長のつとめってもんよ!」
「ふ~ん。じゃさっきのは活動じゃなかったんだ・・・」
妙なことをいうアスカ。
「アス姉、どうかしたんですか?」
「いや、さっきキョンさんと・・・ファーストの妹の有希さんだっけ?が
 二人だけで歩いてたからまた不思議探しかt」「それどこで見たの!?」
アスカがしゃべり終わる前にものすごい勢いで割り込むハルヒ
「え、駅前の商店街付近だけど・・・」
「今日は駅前商店街に買い物に行きましょう!しかも可及的速やかに!長女命令!」
いうが早いかもう靴を履き始めてるハルヒ。あわてる妹二人。
「ちょ、ハル姉!アタシ服着替えたいんだけど?!」
「そんなのあと!」
「ハル姉、翠星石もよそ行きに着替えたいですぅ!」
「あんたその服以外に持ってないでしょ!」
「が、がーん ですぅ」
「ほら早くいくわよ!」
「わ、わかったわよ!ほら翠乗って!」
「が、がってんですぅ」
ものすごい早足で家をでる長女に妹達(アスカin翠星石)は駆け足で追いかけていった・・・

道中、

「バカキョンめ、あたしの目を盗んでデートしようなんて・・・有希も有希よ、簡単にキョンにたぶらかされちゃって・・・
 ぶつぶつ・・・」
とか
「(ハル姉必死ですね。そんなにキョン人間のことが気になるですかねえ)」
「(てか携帯にかけてみればいいじゃんねえ)」
などの思惑があったことは想像に難くないだろう。
~商店街到着~
「はあ、はあ、もーやだ。疲れた~!ほら早く降りなさいよ」
肩で息をしているアスカに振り落とされるように降りる翠星石
「アス姉ごくろうですぅ。ほめてつかわすですぅ」
「・・・怒る気力もないわ・・・ってハル姉何してんの?」
見ると長女が電柱の影から何かをうかがっていた。
「しっ!アンタたちも隠れて!」
指を口の前にたてて指示をする。仕方なく二人もハルヒと同じ行動をする。


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|==、ヽ
| ノ从)ト、
|゚-゚ノiノ
|⊂ノ
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| … 々
|从 リ)〉
|゚ ヮ゚ノ|
⊂)} i ! 
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|二ヽ>
|ノイハ))
| -゚ノ|
⊂). |
|ハゝ≧
|∪  ミ


「あっ、キョン人間と無口人間です」
そこにはなにやら店の前で会話しているキョンと有希の姿があった。
「なにか持ってる袋のことで話しているみたいね」
アスカが言う。
「・・・・・」
ふてくされ顔で出て行こうとするハルヒ。すると

「じ、じゃ行こうか長門」
「・・・感謝する」

きゅっ

「「「あっ!」」」

なんと二人が空いた手をつないで帰りだしたではないか!

「ひええ、二人はこんな関係だったですか・・・」
「こ、これは・・・ってハル姉?」
アスカはさっきから黙り込んでいる長女のほうに向き直ろうとした。

すると

・・ゴゴゴ・・・

「ごごご?」

思わず翠星石も向き直ろうとする。

ドドド・・・

「どどど?」

そこには

ドドドドドドドドドドド

この世のものとは思えない顔をしたハルヒが-

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

某スタンド漫画で多用されている擬音を発しながら立っていた-

「ひ、ひいっ!ハル姉が鬼の顔にいいい!」
「シ、シンクロ率400パーセント?!」

「・・・アスカ、翠」

口から煙を出しながらもはや鬼になったハルヒが口を開く。

「「は、はいいいい!」」

「とりあえず・・・帰るわよ・・・」

「「さーいえっさー!!(ですぅ)」」

踵を返してズズンとかドシンとか足を鳴らして歩く長女に
妹二人は同じ手足を出しながらあとをついていったのでした。

~帰宅後~

PLLLLL

がちゃ

「・・・もしもしですぅ」
「あっ、翠星石さんですか?こんばんは、ルリです。あの、ハルヒさんご在宅でしょうか?」
「ハ、ハル姉ですかっ?!!!ハハハハル姉は、いいいまちょっと手がはなはなせないんですうう」
なぜか声が震える翠星石にきょとんとするルリ。
「そ、そうですか。実は今日のことでハルヒさんにお話しておきたいことがあったんですが・・・」
「き、今日のこと?」
「はい。実は今日有希姉が私にお菓子を買ってきてくれたんですが・・・」
「お、お菓子?」
「ええ。でもこのお菓子はパーラーがカップル限定に販売することで有名だったんでどうやって買ったのか聞いたんです」
「そ、それで?」
「そうしたら有希姉がキョンさんにカップルのふりをしてもらって買ってもらったんだそうです。
 しかも「演技を続行しないと怪しまれる」とかいって家に帰るまで手をつないできたんですよ」
「なるほど・・・そういうことだったですか」
「え?」
「そ、それでどうしたですか?」
「もしハルヒさんに見られてたらあらぬ疑いを持ってしまうだろうと思いまして。明日、有希姉からも説明すると
 思いますが、私に買ってきてくれたものですから先に事情の説明をと。・・・ってどうしました?」
受話器の向こうの翠星石から暗いオーラがただよってきた。
「ルリルリ、遅すぎたですぅ・・・」
「え?!」
「ハル姉は帰ってきてから部屋に閉じこもってるですぅ。ときたま「死刑・・・処刑・・・天罰・・・滅殺・・・」とかつぶやきながら
 刃物を研ぐような音を出してるですぅ・・・」
「なんていうか・・・すみません」
「それにわたしたちも「翠!翠!ハル姉が呼んでる!早く!」」
アスカが話しにわりこんできた。その声には恐怖と疲労が伺えた。
「ルリルリごめんなさいですぅ。今のハル姉には逆らえないのです・・・い、いまいくですー!」
「え・・・ちょっと翠星石さん?ちょっとー!」
がちゃん・・・ツーツー
唐突に受話器が置かれた

「・・・・・」
「ルリ、状況の報告を」
そこに本日の元凶ともいうべき有希が待っていた。
「・・・・・・とりあえず。有希姉はご飯抜きでハルヒさんに釈明しにいってください。
それと明日キョンさんと古泉さんに謝ってください」
「・・・・うかつ」
「うかつどころじゃありません!わたしも一緒に行きますから!」
「ルリ、わたしのご飯は?」
「レイ姉は黙っててください・・・」

その後有希とルリの説明によりハルヒの怒りは鎮火した。
「いや~そうよねえ~有希がキョンとなんてねえ~落ち着いて考えればおかしいってわかることなのよ~」
「誤解を与えたことを謝罪する。ごめんなさい」
(でも明らかにキョンさんへのアプローチでしたね有希姉・・・)
「まったく人騒がせですぅ!(生きてる心地がしませんでした・・・)」
「まあ、誤解が解けてよかったわ!(ほんともう勘弁して・・・)」
「さ、せっかくですから今日買ってきたケーキみなさんで食べましょう」
「ルリ、私には・・・?」
「反 省 し て く だ さ い」
「・・・・・・」

だが、キョンがデレっとした態度で有希と手をつないでいたので
結局それなりに閉鎖空間は発生し、

古泉は徹夜を余儀なくされ、

レイのご飯はしばらく忘れられるのであった・・・

「ほんともう有希姉も軽率な行動はつつしんでくださいよ」
「ごめん、ルリ」
「わたしよりも明日が大変なキョンさんと古泉さんに謝ってください」
「了解した。最優先事項とする」
「ならいいんです。・・・はいこれ」
「これは・・・さっきのケーキ」
「手段はどうあれ私が食べたいもを買ってきてくれたんですから。
遅れましたけどありがとうございます。有希姉」
「ルリ・・・」

ぐうう~

「ルリ・・・有希・・・早く帰ってきて・・・」

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最終更新:2007年06月23日 21:07