ある休日、翠星石はいつもより遅く起きると、家に誰もいないことを確認する。
「あれ…なんであの姉共いねぇのですぅ?」
はぁ、とため息をつき、なにか食べようとテーブルへ…すると、何か紙が置かれていた。
「ん…なになに、『翠へ、起きるの遅いわよ!私たちはちょっと公園で遊んでくるから、ご飯食べたらさっさと来なさい!』」
全く…姉のくせに妹ですぅ。と小さく呟くと置いてあったものを食べ始める。
全て食べ終わるのに、そう時間はかからなかった。量が少なかったのか、遊ぶのが楽しみだったのかはわからない。
「さぁて、子供のような姉のもとへ行ってやるですぅ!」
ドアを開ける。すると、一瞬ぽかんとして、とても楽しそうに走る。
公園は家の近所のため、走れば五分くらいで着くだろうか。
………
公園に到着する翠星石。
「ハル姉!アス姉!来てやったで…うぅっ!」
「来たわね!これは遅刻の罰よっ!」
「そうね!お・ね・ぼ・う・さ・ん!」
ここで状況を説明しよう。場所は家付近の公園。人の姿は三姉妹以外はないようだ。だが、いつ見ている風景は真っ白。つまり、雪が降ったのだった。ちなみに、さっきのは雪の玉。顔面にヒット。
「うぅぅ…つめてぇのです…やりやがったですね!!!」
「さぁ!三姉妹三つ巴雪合戦の始まりよ!」
当たり前と言うべきか、雪合戦はアスカが優勢だった。ハルヒと翠星石はどっこいというところか。
「ふぅふぅ…アスカ…やるわね…」
「当たり前でしょ!これでもエヴァのパイロットなんだから!!」
何故か一対一の勝負になっている雪合戦。理由は…
「ほら!見やがれですぅ!おっきな雪だるまなのですぅ!」
「………おっきな?アンタねぇ…それ、アンタより少し大きいくらいじゃない!?」
「…そうね。じゃあ!私たちも作るわよ!雪だるま!いいわね、アスカ!」
こうして、少し大きいくらいかな?という雪だるまと、まぁまぁ大きいな。という雪だるまが二つ公園に残された。
………
「そういえば翠、こんなに雪が降るなんて初めてじゃない?」
「そういえばそうなのですぅ。何者かの陰謀すら感じさせる程の雪の量だったのですぅ。」
「二人ともなに話してるのよ!?ほら、ご飯できたわよー!」
「まさか…ね。」
そんな雪の日。