ズゥゥゥーーーン・・・地下数十mに作られた避難施設にまで、振動が響く。避難警報が鳴ってから約30分。クラス毎に決められた、教室より少し大きめの空間で、涼宮ハルヒは、飽きていた。「キョン、ちょっとキョン!」制服の袖をぐいぐいと引っ張られた少年が、なんだよとばかりに向き直る。それを待たずに、呼びかけた本人は話を始めた。「飽きたわ。ここを出て上の戦いを見に行きましょう!行くのよ!」男なら、誰しもが魅かれそうな満面の笑顔で、涼宮ハルヒが宣言した。しかし、キョンと呼ばれた少年は、心底迷惑そうな顔をして一言、「却下だ」不満そうに頬を含まらせたハルヒに、キョンは続けた。ここを出るのは危険だ、俺はまだ死にたくない、と。「平気よ。それに姉として妹の成長ぶりが気になるもの」関係者以外には分からない爆弾発言をすると、ハルヒは強引にキョンの腕を取り歩き出した。「ここよここ、前の訓練の時に見つけたの」ガタンと音を立てて鉄の格子が外れる。振り返りもせずに進むハルヒを、何とか引きとめようとするキョンの努力は無駄に終わった。地上に続く、最後の扉を開けると、二人の目の前に・・・・紫の巨人が降ってきた。
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