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小さな家に住む、あったかい三姉妹の物語」(2006/12/31 (日) 01:43:43) の最新版変更点

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<p>ここがこうなって・・・食費が・・・・<br> 「こらっ!翠、まちなさーい!」<br> んで、来月には・・・・<br> 「きゃあ~♪アス姉がくるですぅ逃げるですぅ~」<br> お正月だから多少物入りね・・・<br> 「ほらっ捕まえた!こちょこちょこちょこちょ・・・」<br> 「きゃはははっ、やめ、止めるですぅ~」<br> ばんばん!!ハルヒが大きく机を叩く。<br> 「あんた達、ちょっと静かになさい!!家計簿付けてるんだから!!」</p> <p><br> ここは三姉妹だけが住む、小さな小さな一軒屋。<br> 年の瀬を迎えて外は雪。しんしんと降り積もり、寒風が吹きすさんでいる。<br> けれど、この家の中はいつも通り賑やかだった。</p> <p> 長女、ハルヒは、こたつに入り難しい顔してこの家の財政と睨めっこをしていた。<br> 幸いに僅かながら貯えがあるものの、妹達は成長期。よく食べるし、服も直ぐに駄目になる。<br> 何とか大学まで行かしてあげなければと、毎月末はこうして家計簿を睨むのであった。</p> <p> 当の妹達は、最初は大人しくコタツから仲良く首だけ並べてTVを見ていたのだが、<br> それにも飽きたのか、いつの間にかハルヒの周りで追いかけっこを始めたのだ。<br> そして冒頭へ。</p> <p><br> 机を叩いた姿勢のまま妹達をきっと見つめる。<br> 「ハル姉が怒ったですぅ~」<br> 「ハルヒが怒った♪」<br> アスカも翠も、まったく堪えた様子も無い。<br> むしろ、新しい『鬼』の出現を待ちわびてるかのような、期待に満ちた目でハルヒを見つめている。</p> <p> ハルヒもそれを悟ったのか、「駄目よ」とだけ応えて、アスカに翠をお風呂に入れるようにと言い付けた。<br> アスカも珍しく素直に「はーい」と返事をすると、翠星石を抱えたままお風呂へと消えていった。</p> <p> やっと静かになったリビングで、ハルヒは家計簿に戻る。<br> 今月は出費が嵩んで大変だったのだ。<br> 「赤字・・・かしら?」<br> ぽつりと呟く。来月も、その後に来る新学期も、いろいろと物要りなので頭が痛い。<br> それでも、今はお風呂場できゃーきゃー騒いでる妹達の為に長女のわたしがしっかりしないとと<br> 気合を入れ直したところで、呼ぶ声がした。</p> <p>「おねーちゃーん!ねえ、おねえちゃーん!」<br> この声はアスカだ。<br> 普段は『ハルヒ』と呼ぶアスカが『おねえちゃん』と呼ぶ時はろくな事が無い。<br> だいたいお小遣いをせびる時か、用事がある時か、よっぽど甘えたい時か。<br> 「シャンプー持って来てー」<br> 今回は2番目だったようだ。<br> やれやれと腰を浮かせる。確か買い置きのシャンプーがまだあったはずだ。</p> <p><br> お風呂場の戸をあけて、ぽいっとシャンプーを投げてやる。<br> 「ハルヒも入る?」「ハル姉も一緒に入るですぅ」<br> 妹達の誘いを断ってまたこたつで家計簿と睨めっこ。</p> <p> あのこ達が笑ってられるように頑張らないと。また気合を入れる</p> <p><br> お風呂場では、二人が湯船でこそこそと言い合っていた。<br> 「良いこと、翠星石?ハルヒの邪魔しちゃ駄目よ?ハルヒも大変なんだから」<br> 「えー!最初に追いかけてのはアス姉ですよ?」<br> 「そ、そうだったかしら?まあ、あれよ、明日は大掃除だから、二人でお手伝いするわよ!」<br> 「わかったですぅ!翠星石に任せておくですぅ!」</p> <p>これは小さな家に住む、あったかい三姉妹の物語</p> <p>おわり</p>

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