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あんた、看病しなさい - (2006/12/11 (月) 23:37:15) のソース

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第一中学、2年A組、この日はいつもより少し静かだった。<br>

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「碇くん、アスカが来てないけどどうしたの?」<br>
「センセ、嫁はんが来とらんがどないしたんや?」<br>
原因は、女子の中心でいつも元気いっぱいの女生徒が休みだからだ。<br>

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「なんでみんな僕に聞くんだよ・・・知らないよ」<br>
(今朝は起こしに来なくて、遅刻しちゃったんだ。僕が知りたいよ。アスカ、どうしたんだろ?)<br>

朝から何度も同じ質問を受けた碇シンジが、ぼんやりと考え事をしていると、教室のドアが盛大な音を立てて開いた。クラス中の視線がそこに集まる。<br>

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そこには高等部の制服を着た、少しきつめだが掛け値なしの美少女が立っていた。<br>

少女はぐるりと教室を見渡し、目当てのモノを見つけると、がしっと捕まえて問答無用で引きずっていった。<br>

「センセ・・・。何で碇ばっかり!!」<br>
「いや~んな感じ。」<br>
「碇くん・・・」<br>
「今のは、アスカのお姉さん?」<br>
それはクラス中があっけに取られ、見守るだけの早業だった。<br>

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「こ、ここ、何処ですか?僕なんでこんなとこに連れてこられたんですか?」<br>

「黙りなさい!」<br>
「ひゃ、ひゃい!・・・って、アスカのお姉ちゃんじゃないですか。ここ、アスカの家だし」<br>

シンジが首根っこを掴まれ連れてこられたのはアスカの部屋の前。<br>

連れて来たのは、アスカの姉のハルヒ。<br>
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何かあったんですか?と問うシンジにハルヒが説明、と言うよりも命令する。<br>

「アスカが風邪を引いたの。わたしはSOS団があるから、あんたが看病しなさい」と。<br>

否が応もなく、それだけ言いつけると、『翠行くわよ』と妹を連れて出かけてしまった。<br>

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「ハル姉、あんな駄目っぽいチビ人間にアス姉を任せて大丈夫ですか?」<br>

「仕方ないじゃないの。アスカが寝言まで言うんだから!」<br>

「心配ですぅ。アス姉の趣味も分からんです」<br>
「ほんとね。あんな優柔不断っぽいのの何処が良いのかしら?」<br>

「まあいいわ、わたしはSOS団に行ってくるから」<br>
「翠はジュ・・・、真紅のとこに遊びに行ってくるです」<br>

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ぶつくさと自覚の無い文句を言うと、姉妹は揃って出かけて行った。<br>

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処戻って、アスカの部屋の前。<br>
(に、逃げちゃ駄目だ・・・逃げちゃ駄目だ・・・逃げちゃ駄目だ)<br>

右手を開いたり閉じたりしながら、シンジはまだ迷っていた。<br>

(アスカが病気、居るのは僕だけ。・・・勝手に部屋に入って殺されないかな?<br>

 けど、ハルヒさんが連れて来たんだし。何処か行っちゃったけど・・・・・・!?<br>

 じゃあ弱ったアスカと二人っきり!?・・・・あんなことやこんな事・・・・最低だ俺って・・・)<br>

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十ヵ月後、アスカは珠のような赤ちゃんを産んだ。おわり。</p>