文明開華葵座異聞録

販売:フリュー
開発:HuneX
公式サイト


製品概要

タイトル 文明開華葵座異聞録
ジャンル 女性向け恋愛AVG
対応機種 PSP
定価 5,800円(税込み6,090円)
発売日 2011年8月18日

要点

  • 「蔵でクラクラしちゃった~」等、唐突に寒いギャグを連発する主人公。中には時代が違うせいか攻略キャラが反応に困るものもある。
  • 「家紋家紋!」という呪文と共に攻略キャラが刀に変身する。その腰に刀が下がっていても。
  • 各店でもらうことができる特典ドラマCDは本編の番外編で、ドラマの中心となるキャラが違うくらいで直接的な接点はない。

選評

選評1

システムは快適、口パクも合っているし、スキップ早い、システムを起動する事にキャラが逐一しゃべってくれるのは
声優で押しているゲームだけあると思う
立ち絵もバリエーションがあり、全身立ち絵と奥行もあり、画面の展開は楽しい
システムに関しては特に言うことはない

だがそれを全て駄目にするシナリオ

主人公は実家の神社の納屋にある鏡に吸い込まれて突然明治時代の旅一座葵座へタイムスリップするのだがその
一座で大事にされている家紋が擬人化したものとして主人公は葵座に置いてもらうことになり突然の個別ルートへと入る
タイムスリップしてわけの分からないうちに家紋の擬人化として一方的な説明を受け、あぁ、きっとこれから葵座の
みんなと仲良くなる過程が描かれるのかと思いきや
ここでシナリオがごっそり抜けている

個別シナリオに入ったとたんに明治の衣装に身をくるみ、葵座の一員としてその身を置いている、タイムスリップした
主人公の不安などがほぼ描かれることなく、え?あのあとどうなったの?という困惑のままプレーヤーは完全初めから
置いてけぼりをくらう
共通ルートをもう少し付け足してプレーヤーを葵座の世界観に引き込もうという配慮は皆無

主人公
個人的に驚いたのが水戸黄門を狙っていたのだろうか
寿 鬼格(ことぶき きかく)というキャラクターを、年上であるのに呼びにくいといって

カクさん

と呼び出す主人公、もはやこのあだ名原型を留めていないような気がしたのだが
このネーミングセンスには非常に恐れ入った
剣助はスケさんといい、普通の名前で読んでくれ…とゲームの前で主人公の訳の分からないあだ名付けに涙したのは
初めてだった
他にもハッチなど冗談かと思うようなネーミングセンスは物語の端々にでてくる主人公の強烈なオヤジギャグにも
起因するものがある
元からそういったキャラなのかわからないが、シリアスなシーンであろうが話の内容にギャグをほりこんでくることが
しばしば
迷子になっている子どもの目の前で

「迷子のなったらオーマイ、ゴット」

などのギャグは当たり前、しかも明治時代では通じないネタ多数
一応選択肢で回避はできるものの主人公がこういったシーンでくだらないことを思いついているということ自体が苦痛
しかし、一番こういった親父ギャグを嫌う層が多いのが乙女ゲーユーザーということに制作の過程で気付かなかった
のか?で完全に滑っている

水戸黄門の雰囲気を取り入れたかったのか巡業中に裏家紋に取り付かれた人々を成敗するのだが、攻略キャラが武器に
なるという逆擬人化の変身シーンがあるのだが(そしてその武器は主人公しか扱えないというマンセー扱い)
その変身シーンで

家紋家紋!

が全キャラ共通してキメ台詞としてある
主人公の親父ギャグ設定も相まってか家紋Comon!にしか聞こえない
個人的にこれは馬鹿らしくて笑えた
大筋のシナリオも印象に残るほどではないのに、それはどの攻略キャラでも変わることがなくその時にどのキャラと
関わるか程度の変化で個別シナリオにした意味があるのか不明、しかも個別シナリオのせいで読んだことある文章が
既読扱いにならず周回プレイでイライラ

KY主人公に惚れていく攻略キャラたちの恋愛過程もおざなりすぎる
とあるキャラは3~12月という長い期間の個別ルートの割に3月で主人公にか髪飾りを買って

「貴方を見ていたらつい、髪を梳いてみたくなってしまった」

堅物なキャラかと思いきや唐突すぎる恋愛イベントにアボン
ごっそりあるべきの共通シナリオが抜けており過程がないので萌えるに萌えれない
ほぼ全キャラといっていいほど重要なキスシーンが主人公の意思がない強引なもの
突然好きになって突然キスでほぼ合意の上のものはないので
え?えええ?という唐突感は半端じゃない、とあるキャラは突然恋人同士になってキス
とにかくキスキス強引なキスが目立った、個人的にこの展開が好きではないからか非常に気になった
個別シナリオにした意味があったのか?声優、時代設定といい題材がシナリオとKYな主人公で全て台無しになっていると思う
もう二度とこのゲームを起動することはないと思う

選評2

  • 主人公が親父ギャグ連発・ギャグの精度が低い
  • 個別なのに共通やってるのと変わらない金太郎飴、でも既読スキップはできない
  • 恋愛過程がぬけている上に金太郎飴・キャラ設定以外の差異なし
  • 全キャラ一方的にキス(結婚前の男女が並んで歩くだけでも大変な時代なのに)
  • 意思も設定もまえぶれもなく勝手に両思い
  • 親父ギャグは選択肢で各キャラ各章ごとに出て飛ばすことはできるが笑えないほど緊張感のあるシーンでもおかまいなしでドン引き
  • 選択肢だけでなく会話の中にも容赦なく出る
  • 親父ギャグと家紋カモンの変身シーンを排除したらシナリオ2割くらい削減される勢い
  • 立ち絵は公式サイトの立ち絵をそのまま流用、縮小しすぎて潰れてる
  • スチルは強引キスも合意キスもなぜか同じスチルの使いまわし
  • その他入浴シーン、夜這いシーン等同じ行動をするときは以下同文
  • スチルは各キャラ10枚+コンプ絵含め全員用の使いまわし10枚
  • スチルは基本的に使いまわしなのでシーンと合っていないこともままある。さらに背景を変える手間すらかけていない手抜き
  • 話が薄いため、どうでもいいとこでスチルが出るキャラもいる。しかもあんまり綺麗でも構図もよくなくて誰得?なスチルだらけのキャラもいて不憫。だったらキススチルや抱擁スチル使い回さなければいいのに

以下の回収されない伏線がいっぱい
FDのために温存したにしても脈絡なさすぎ
  • 双葉葵や神器はどんな経緯で誰の手によって生み出された物だったのか
  • 双葉葵が壊れた後は神器はどうなったのか
  • 神器を祀っている一族の者は、どうしてそれらを身体に宿す事が出来て変身することが出来るのか
  • どうして数ある神器の中でケンスケだけが人型になれたのか
  • ヨウスケが主人公の家に七年前から同居している理由
  • モニの担当声優は誰なのか
  • 女形と謳っておきながらリンの女形姿のスチルが無いのは何故なのか
  • 伏線は100%回収せずとも、ヒント置いてあってプレイヤーが想像出来るならいいけど、葵座では伏線ってレベルじゃなく大事な所ごっそり抜け落ちている
  • 伏線どころか基本設定が5人+隠しの6人に分散されていて、6人コンプして初めて基本設定がわかるという有り様。コンプするまで意味のわからない設定が多すぎてプレイヤー置いてけぼり

スチル差分について
  • 表情差分は各キャラに1枚あるかないか(6人中3人かな?差分あるの)表情どころか、ほぼわからないぐらい色味が変化するだけのキャラもいてほんと不憫で仕方ない
  • 何度も何度も入浴シーンがあるのにスチル1枚で使いまわしとか、宴会のシーンで刺身だのあんみつだの言ってるのに(お好み焼きパーティーやったときのスチル使いまわしてるため)テーブルの上はお好み焼きオンリー
  • 使いまわすこと前提にスチルが描かれているから微妙なのが多いんだこれが
  • 満足な背景差分も表情差分も用意しないとか手抜き感がありありと感じられる

戦闘シーン・舞台シーン
  • 全キャラどころか全ルート金太郎飴な戦闘シーン。いわゆる子供向け戦隊もの(ゴレンジャーとか古い?)の変身シーン。毎回同じでしょ?あれといっしょ。戦闘シーンもゴレンジャーとか仮面ライダーみたいだった
  • 舞台劇も全キャラ全ルートでスチル使いまわし
  • 白波五人男 1枚
  • 殺陣?みたいなの 1枚
  • 八百屋お七 1枚
  • 竹取物語 1枚
どのルートでもセリフさらっと流れて終わるだけ
しかもほとんどが微妙スチル…ヒロイン可愛くない、攻略対象モブっぽい

無駄に神がかり的な操作性
  • クイックセーブもクイックロードもいくつか方法があって、その方法も説明書なしでもみつけやすかった
  • キー操作に関しては自分で設定を選べる。A~Hまで8種類の中からボタン設定を選べ至れり尽くせり
  • 設定、操作、音声、音響、文字に関しては完璧すぎるほど完璧
  • どうしてここまで操作性が高いのにシナリオとのバランスがとれていないのか謎。プレイする上で全く生かされないことがまたストレスの元

選評3

文明開華 葵座異聞録

プロローグのシーンで「蔵でクラクラしちゃった~」と言い出す主人公に戸惑ったプレイヤーもきっと多いことだろう。
そのクラクラしちゃった蔵にある鏡の力で女子高生である主人公が何故か明治時代へタイムスリップしてしまう
ことから物語は始まる。
タイムスリップ先で主人公は旅の一座「葵座」と出会う。
わずかな会話から主人公が未来から来たと察する葵座一同は家紋(御神体的なモノ?)が人になったのが主人公だと
いうよくわからない理屈であっさりと主人公を迎え入れる。
戸惑う主人公、戸惑うプレイヤー、お構いなしにゲームは個別ルート選択画面へと進む。

以下、剣助ルートの第一月目を紹介しよう。
明治時代にタイムスリップしてしまった主人公の戸惑いや苦労、葵座の素姓、メンバーの自己紹介、家紋とは何なのか、
といったことは特に描かれることなく、主人公の明治時代生活はスタートしていた。
主人公が剣助をどう呼ぶか決めるシーンがあるのだが、主人公が決めた呼び名は「スケさん」。
後に、他のメンバーに「カクさん」「ハッチ」という命名もすることとなる。
これらの微妙な呼び名はプレイヤーの萌えを阻害するのではないかと製作サイドは思わなかったのだろうか。

どうやら葵座には裏家紋なるものを成敗する役目があるらしく、よくわからないままに裏家紋退治に駆り出される
ことになる主人公。
その打ち合わせの場で、主人公が突如何かを閃く。
「今だ!」の選択肢を選ぶと
「合気道だけに、あー、いきどおりー」
とダジャレを放つ。なぜダジャレ?不安を覚えたプレイヤーも多いことだろう。
その不安は的中する。主人公のダジャレは全編にわたってついてまわることになる。

葵座の面々は「家紋」「神器」といった特殊能力を持つ。
裏家紋退治での超常能力バトルを想像し期待は膨らむ。いざ、戦闘になると

攻略対象キャラが刀になった。

衝撃であった。
公式サイトを見るくらいしか予習をしていなかった私が悪いのであろうが、衝撃であった。
攻略対象キャラの立ち絵が刀に変わった瞬間の衝撃を私は忘れない。
葵座の面々は家紋の力で神器と呼ばれる武器に変身できるらしい。
そもそも剣助は腰に刀をさげていたのに使うことはないのだろうかと疑問に感じつつも、主人公は刀(剣助)と
使いこなし裏家紋を鎮め一件落着。

以上が最初の一ヶ月である。
四月から十二月まであり、基本的に裏家紋絡みの事件が起こって解決という流れだ。
攻略対象ごとに最初から個別ルートだが、起こる事件、サブキャラとの会話などが同じなため、いわゆる金太郎飴な
印象を受ける。
だが安心してほしい。主人公のダジャレはルートごとに変わる。

心惹かれる女性も多いだろう明治時代という時代設定、トリップモノのお約束を踏まえた残留エンドと帰還エンドが
あり、使い回しが多い(せめてキスシーンのスチルは使い回さないで欲しかった)がイベントCGは奇麗、システム面は
全く問題なく快適にプレイできる。
ただただ残念なのはシナリオ。
唐突にキスしてくるなどの過程すっ飛ばしの恋愛イベント、頻出する主人公のダジャレに耐えつつ、基本情報が
明かされないままのシナリオを読み進めていかなければならない。さらに金太郎飴シナリオがプレイヤーの気力を奪う。
これがクソゲーたる所以である。

参考までに登場したダジャレを挙げておきます。
「犬ってワンダフル」
「妖怪に用かい!」
「宴会行かんでええんかい?」
「紅葉に行こうよう」
「支度をしたく思います」
「酒は避けます」他多数



葵座選評書いた者ですが、指摘があったところなど少し補足します

  • システム面
これは本当に快適。操作性よし、ロードもスキップもさくさく。
直してほしいと感じるところはなかった。
あえて難を挙げるなら、システムボイスが充実しすぎていて、バックログ画面を開くときに
「過去を振り返ってみようか」などのキャラボイスがつくのだが、
シナリオが無残なのでバックログ画面を頻繁に見直していたので、
その度に再生されるボイスが疎ましくシステムボイスを切りたくなったくらい。

  • シナリオ
明治時代、旅の一座といった設定に惹かれてゲームを始めたら、
攻略対象たちが武器に変身する家紋カモーンなトンデモバトルに( ゚д゚)
ただ、これは事前に雑誌などには載っていたようなので回避可能かも。
ストーリーはとにかく説明不足のまま進んでいく。説明してほしいところには触れられずに
無駄とも思えるシーンがたくさん。読み進めるのに気力が必要となる。
恋愛イベントはとても唐突。
例を挙げると、攻略対象キャラが主人公に唐突にキス。驚く主人公に「俺たち恋人同士だろ」。
恋人同士だったと把握していなかった。そのようなシーンは今までなかったと思う。
プレイヤーが何か見落としていたのか、攻略対象キャラの強引さの演出なのか、とても悩まされた。

声優は豪華、システム快適、立ち絵もイベントCGも奇麗、舞台設定やキャラ設定もキャッチー。
なのに残念なシナリオが全てを台無しするがっかりクソゲー。

選評4

豪華なキャスト、魅力的なキャラクター、意外性のある設定、充実したシステム、質の高い音楽。
それら全ての要素をブチ壊し、むしろクソゲーと強く印象付けるのが文明開華葵座異聞録のシナリオである。

全てのルートを読み終わると、全体の謎が解ける。
この仕様のシナリオは珍しいものではないだろう。
葵座も同じ仕様を狙ったらしい。
序章が終わると、即個別ルートに入り、選択したキャラと一月ずつ過ごしていく。
それぞれのキャラごとに解決する謎、明らかになる過去があり、全てのルートを通った暁には全てを理解できる仕様だ。

だが、ここで問題が発生する。
個別ルートがめちゃくちゃつまらないのだ。

キャラや設定に魅力がないわけではない。圧倒的に内容が薄いのである。
地の分がなく、会話のみで話が展開するため、時間の流れなどが把握しにくい。
その分会話を充実させるべきだが、それがまったく足りていない。
例えば芝居の稽古も、台詞を一つ二つ言っただけでシーンが切り替わる。芝居の本番ですらそうである。
これでは稽古を頑張った、素晴らしい舞台だったという実感がわかない。
イベント中も説明不足な点が多々ある。
話の中で主人公は、邪気に蝕まれた人間を浄化する。
しかし相手は弱りすぎていて、そのまま消えてしまう。
そのことにショックを受けた主人公を、攻略相手が慰めるというイベントだった。
しかし待って欲しい。主人公はいつそんなに敵側に同情するようになったのか。
いつ使命感を持って力を使うようになったのか。そこに至るまでの流れがまったく書かれていないのだ。
また、泣いている主人公を相手が慰めるという美味しい展開ですら、会話は短い。

設定の説明不足、状況の説明不足、イベント不足、恋愛過程の説明不足にストレスをためながら個人ルートを
進めなければならない。
最初の一人で心が折れたというプレイヤーもいるだろう。
どうにかこうにか一人目をクリアし、二人目、三人目と数を重ねるうちに、ぼんやりと大筋が見えてくる。
全員をクリアした暁には、おそらく「葵座」の物語は理解できていることだろう。
その世界観を主人公と共に楽しんだかどうかは別にして。

明治時代にタイムスリップ、イケメンだらけの旅の一座とそれに守護される立場の主人公、不思議な力の謎、
武器に変身して戦う個性的なキャラ、影のある脇役・・・
これだけ濃い素材の上澄みだけ掬って出されたような薄味のシナリオだった。

設定もノリもキャラも好きになれた身としては、シナリオさえまともならと言わずにはおれない。

選評5

「文明開華葵座異聞録」の発売から3ヵ月と少し・・・
12月の初旬にアマゾンでは定価6090円の新製品が75%OFFの1552円で投げ売られていた。
販売本数1万本程度のゲームソフトが3ヵ月でここまで値下がりした記憶はない。
このゲームが一体どのような出来なのか興味半分で買ったのが間違いだった。

「蔵でクラクラしちゃった~」
唐突に、ゲーム序盤から寒いオヤジギャグを繰り出すヒロイン。
クラクラしたままアッサリ明治時代にタイムスリップすると、葵座の面々がこれまたアッサリ仲間に迎え入れるという展開。

その後もオヤジギャグは真冬のブリザードのごとく続く。
「紅葉に行こうよう」
「支度をしたく思います」
「迷子のなったらオーマイ、ゴット」
「酒は避けます」
「合気道だけに、あー、いきどおりー」
「犬ってワンダフル」
「妖怪に用かい!」
「宴会行かんでええんかい?」

物語はたいした山場も谷間も無く。もちろん恋愛シーンなどないまま、いきなり男がキスしてきて「俺たちは恋人同士」とのたまう。
家紋とか未来人とかの設定はどこに行ったんだ?
驚愕したのは、攻略キャラが刀などの武器に返信する事。
刀を腰にぶら下げてるキャラが、その刀は使わないで自分自身が刀になるという、何度考えても理解不能。シュールな設定すぎだろ。
しかもこの変身シーンは何度も使い回される。同じシーンがありすぎて未読なのに既読な状況。
もちろんシナリオ金太郎飴は標準装備、全員使い回しスチルが10枚、それに各キャラ10枚。

しかも物語の謎は絶対に解けない。たぶん書いてる人が途中で飽きたんだな。
例えば、主人公や武器人間たちがなんでそんな能力を持ってるのかとか、起こった事の全ての謎が一切不明のまま終わる物語り。
どうして相手を好きになったのかも謎。何にも書けてない。
「家紋を書いた奴カモン」と製作者を呼びつけ殴りつけたくなりました。

クソゲー愛好家ならば葵座は避けては通れないだろう。

選評6

パッケージに書かれた 『どちら様もご笑覧あれ!』 との謳い文句。ご笑覧あれと言われても笑うに笑えないのが文明開華 葵座異聞録だろう。
ろくな説明も無いまま、蔵でクラクラした主人公が明治時代にタイムスリップ。
攻略したいキャラを選んでひと月毎のイベントを読み進む事になるのだが、毎回見せられるのが変身シーン。
仮面ライダーのごとく攻略対象キャラはなんと武器に変身します。もはや明治時代の雰囲気もへったくれもありません。
サカリのついたバカップルのごとく、いきなり何の脈絡も恋愛もないままチュッチュッとやりだしたり抱き合ったり、唐突にやりたい放題。

なんと説明不足な恋愛過程は、アマゾン、ソフマップ、アニメイト、メッセサンオー、メディアランド、あみあみ等でそれぞれ中身の違う
特典ドラマCDをゲームと一緒に買わないと理解できない。
そう、特典ドラマCDは単なるオマケではなく本編を理解するための必須アイテムなのだ。

明治時代にタイムスリップするというもの凄い状況に直面しても、寒いダジャレを垂れ流しながらヒーローごっこをしているヒロイン。
守るべき存在であるはずの家紋=ヒロインに何の躊躇もなく発情しまくりの男たちは、毎月もれなく寒い変身を繰り返し武器に変わるという
真面目な顔したコメディアン。
緊張感のない戦闘に命のやりとりをかけたあげく、最後は仲直りという何の志も何にもない敵として存在するためだけの裏紋。

特典CDを売る為に発売日から中古屋に駆け込む者が続出し、中古価格はもちろん新商品の価格も暴落。
クソゲーという悪評も加わり、アマゾンでは発売3ヵ月で75%OFFという閉店間際の弁当も驚きの価格で投げ売られるという、ライブドア株の
ようなクソゲー大暴落地獄を招いた。おそらくこの記録はもう破られる事はないだろう。
発売日に購入した者、しかも特典目当てで複数を購入した者はまさに金をドブに捨てただけという結果となった。
製作会社がビタミンなどの名作を生みだしたヒューネックスだからと早々に購入を決めるのは危険なのだ。
販売メーカーはクソゲーオブザイヤー携帯版の常連「フリュー」なのだから。
フリュー品、不良品で有名なあのフリューなのだから。
最終更新:2012年01月01日 23:32