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クリムゾン・エンパイア 〜Circumstance to serve a noble〜

製作:QuinRose (公式サイト http://quinrose.com/)




製品概要

タイトル クリムゾン・エンパイア 〜Circumstance to serve a noble〜
ジャンル ファンタジー・恋愛アドベンチャーゲーム(全年齢対象)
対応機種 Windows2000/XP/Vista
定価 7,900円(税込み8,295円)
発売日 2008年12月13日


選評

据え置き・携帯機ともに良クソゲーに彩られた2008年。
華やかとは言えずとも、スレ住人の五感を満たすものであったと言えるだろう。
だが、穏やかな年末を迎えた乙女ゲーKOTYスレに、究極の感覚崩壊ミサイルがやって来る。

 2008年12月13日 QuinRose製作 クリムゾン・エンパイア  発  売

赤・紺・黒の極彩色に身を包み、煌びやかな経歴を隠すことなく躍り出た本作。
昨年度大賞であるクローバーの国のアリスを越えるか否かが焦点となった本年度KOTYにとって、
「最も大賞に近い作品」として大きな期待を一身に背負って登場した。

肝心の中身も外見(パッケージ)の毒々しさに違わず、思わず目を背けたくなるほどの素晴らしい出来である。
まず驚かされるのがソフトインストール前のプロテクト。
業界大手ならば絶対回避のStarForceを使いこなし、まさかのプレイ前再起動要求という心憎い演出だ。
静かにOSよりも下に組み込まれるというそのスマートな戦法は、対ユーザー地雷とでも呼ぶべきか。

起動ごとに雄叫びを上げるウイルスバスターをたしなめつつの起動も、緊張の一瞬。
吊り橋理論を証明しようとでもいうのか、高鳴る鼓動は攻略前に収まることを知らない。
その後のOPはボイスを飛ばして進めてもニ時間を易々と超え、嫌と言うほど主人公の身上を学ばせてくれる。
主人公の心理描写に定評のあるQuinRoseらしく、今回の膨大な自分語りテキスト量は“汚名挽回”と言えそうだ。
シナリオと呼んでいい物か迷うほど高尚な文体には、毎度のことながら辟易すること枚挙に暇がない。
言い回しを変えながら、何度も同義語を織り交ぜる会話の趣き深さも特筆に値するだろう。

前作と大きく異なる点であるRPG部分。
こちらには「ゲーム性があるなら…」という希望を持った方もおられたのではないだろうか?
もちろんその要望に応えるのがQuinRoseだ。
(インターフェイスがもろに大手RPGの)戦闘を交えながら、主人公のレベルの上がりにくさは異端の一言。
ユーザビリティの確立にも力を入れたのか、取得・目標経験値の表示を隠すという小粋さにも目が点だ。
また、この戦闘をこなすものが大半であるクエストは、攻略対象との絡みゼロ。
哀愁を漂わせ、たった一人で旅に出る序盤の勇者を髣髴とさせる。

その他、アイテム説明と効果が異なる、“深紅に沈め”のテーマと一線を画すモンスターデザイン、
受けるまで分からないクエスト難易度、虚弱体質のセーブロード頼みのレアアイテム等々、
究極の斬新さを求めるならばこのゲーム以外に “選べる道なんて、いくつもない―――。”

更にこのクエスト、大きなバグを抱えた重症患者も兼ねている。
連続クリックなどの絶妙なタイミングでフリーズするというリズム感の巧妙さは、QuinRoseにしか為せぬ技だ。
また、バグと言えば言及すべきは特典であろう。
強固過ぎる本体プロテクトによって特典が弾かれる、というユーザーの心を砕く嬉しいオマケ。
その上デバイス破壊報告も上がっており、筆者もPCの奇妙な動作に目から冷や汗が一向に止まらない。
時折画面上を縦横無尽に駆け回る、サンドストームによる視覚かく乱にもご注目。
1677万色描画を贅沢に使用した美麗な描画は、迷彩服もかくやと言わんばかりの美しさである。

大ボリュームを謳っただけのことはあって、凄まじいまでのプレイ時間を要求することも忘れない。
クエスト一本10~15分(フリーズ時を除く)、ぶった切りイベントを読み返し進めねばならず、
尚且つ  全  2  4  0  タ  ー  ン  という抜け目のなさ。

時折箸休めにイベントスチルが挿入されるものの、萌える前に
『宣伝用は出来の良いものを厳選して公開していたのだな』、などと要らぬ思案に暮れてしまうこと請け合い。
妙に前面に押し出された主人公に目が惹きつけられ、多くの攻略対象が(せり出した乳房によって)薄らぐ有様。
「どんな作業もこのイベント、このスチルのため。」そう信じて突き進んだユーザーならば、
ずっと抑えて来た何かがこみ上げてしまうかもしれない。

まさに絢爛豪華なクソの宴、その誉れに相応しいキングオブクソゲーと言えるだろう。

最後に、本年も乙女ゲーKOTYでの勝利を確信し、QuinRose社員、ポエマーの方々と共に高らかに叫びたい。

   「トラ・トラ・トラ ワレ奇襲ニ成功セリ」