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2014 総評 - (2015/04/20 (月) 18:00:37) のソース

>クソゲー四天王とも囁かれた数々の問題作が乱立するも、壮絶な相打ちの末、大賞無しという異例の結果に
>終わった2013年から一転、2014年は静かに始まった。
>
>発売前から期待された地雷は期待されたほどの進化を遂げず、いずれも選評がくるほどのクソゲーとは
>ならなかった。
>このまま選評すらない穏やかな1年になるのかと思われた矢先、秋も深まった11月に今年最初の選評が
>投下された。
>
>『クローバー図書館の住人たち』
>主人公は図書館の住み込み管理人であり、相手は昼は本、夜は人間になる図書館の不思議な住人達という
>所謂擬人化作品である。 
>冒頭の一部住人の認識を正すかの如く、本作ではシナリオ面で様々な問題提起がされている。
>ボイス有りで3時間かからずフルコンプリート可能。
>それを可能にしたのは、作品全体の8割を共有ルートが占める大胆なシナリオ配分だ。
>共有ルートは『図書館の資金難解決のため埋蔵金を掘ろう!」が最大の山場という盛り上がらない展開が
>延々と続き、個別ルートは恋愛に至る過程を極力排除。
>随所に張られた伏線も放置することでスピーディな展開を実現している。
>こうしたアプローチをシステム面で補強することも怠りはせず、選択肢は多い割にパラメーターを確認
>できない、1分程度で終わるシナリオの間に頻発するマップ移動と、不親切かつ煩わしいシステムと
>なっている。
>さらに本作は、擬人化作品というジャンルそのものにも果敢に挑戦した。
>擬人化作品には人間と人間でない者の恋の葛藤がつきものであり、人間でない者が最終的には完全な
>人間になることで問題を解決させるのが定番だ。
>だが『クローバー』にはそんな女々しさやご都合主義は存在しない。
>本はあくまで本、人間などになりはしない。
>それでも主人公は本達との恋愛や将来に関して一切不安を漏らさず、本達も人間でないからと身を引く
>素振りを見せることはない。
>心の強い登場人物達と思うかも知れないが、本作において最も心が強いのは本作の販売元である。
>発売から1ヶ月後プレイヤーに突如もたらされた情報・・・それは、
>
>「クローバー図書館は2部作」
>
>ここまで薄っぺらく伏線はすべて丸投げした作品発売後に2部作でしたと言ってのける勇気は
>賞賛されるべきものなのだ。
>
>
>久々の選評、愛すべきクソゲーの発見に住人達は盛り上がった。
>そして『クローバー』に触発されたように新たな選評がスレに到着した。
>
>『Double Score~Marguerite×Tulip~』
>年上男性との歳の差恋愛を楽しもうという『Double Score』シリーズの3作目だ。
>1年5ヶ月及ぶ発売延期の間、不穏な情報が流れていた本作は、いざ発売されてみると見事悪い期待に
>応えてくれた。
>本作のお相手は学校の教師(35)と超絶人気アイドル(29)
>アイドルは眼鏡をかけただけで高校侵入、そのまま一緒に高校生活を満喫。
>大勢のファンが詰めかけた遊園地コンサート前にリハーサルもせず主人公にデートのお誘い。
>アイドルとしてもアラサーとしても自覚を欠いていると言わざるを得ない。
>教師の場合も事前に発売された「付き合い始めた後の設定CD」では学校で働く姿が描かれていたにも
>関わらず、本作ではどのルートでも教師を辞めてしまう。
>教師の責任取ろうとする姿勢は評価したいが、それならば設定の整合性にも責任をもってもらいたい
>ものである。
>登場人物の職業意識は気になるのだが、それにも増して気になるのは開発者の職業意識だ。
>シナリオはボリューム半減、主人公はプロ級レベルの早着替えでスチルは安定しない。
>音声/あり(主人公以外フルボイス)という製品情報の記載も悲しく一部ボイスなし。
>そのボイスは再生エラーが発生し、BGMの音量が突然変わる。
>発売延期を繰り返した間一体何をしていたのだろうか。
>とりあえず3巻までは出しておけ、出した後のことは知らん!と言わんばかりのこの惨状。
>販売されるまで開発内部に何があったのか、楽しく想像することが本作の正しい遊び方かも知れない。
>
>
>これで『クローバー』『ダブスコ』の二作品を紹介した。
>両作が本年度の大賞候補であるのだが、大賞発表の前にもう1作、別の作品を紹介したい。
>それは『うた☆プリアイランド』
>『うたの☆プリンスさまっ♪』を原作としたスマートフォン向けゲームアプリ』だ。
>本作は長らく鎖国政策、つまり新規プレイヤーへの配信を長期間停止していた。
>6月末に配信を開始したもののエラー多発で4日後に配信中止。
>課金アイテムの返金対応にもたつき、半年後の大晦日になってようやく配信再開するも不具合が発生。
>ポテンシャルは大きいのだが、本作は原作ファン向けのミニゲームとしての性格が強く、現状では
>恋愛要素が存在しない。
>つまり乙女ゲーではなく、乙女的クソゲーオブザイヤー扱うべき作品ではない。
>恋愛要素と思われるものが実装予定であり、アプリ再配信の大幅な遅れを理由に特例として恋愛要素実装を
>発売と見做すべき、という意見が現在出されている。
>実際どうなるかはまだわからないが、今後も『うたプリアイランド』からは目を離さない方がいいのは
>確かだろう。
>
>
>では、2014年の大賞の発表をしよう。
>女性向け恋愛ゲームが誕生してから20周年。
>乙女ゲー業界の節目である記念すべき年に栄冠を勝ち取ったのは・・・
>
>
>『クローバー図書館の住人たち』 
>
>
>・・・である。 
>本作が大賞に選ばれた理由、それは乙女ゲーである故にクソゲーになったからだ。
>もし本作が擬人化された本達との恋愛ではなく交流を描こうとしていたのなら問題は大きくならなかった。
>共有ルートの長さ、盛り上がりのなさは、図書館内の何気ない日常の雰囲気を描く要素として捉えることも
>出来た。
>個別ルートは終盤イベントの1つに過ぎず、無理に恋愛関係まで発展させなくともお互いを意識させる
>程度で済んだ。
>相手が人間でないことに深く悩む必要はなく、物語は終わっても主人公達の日常が続くことを想像させる
>からと、伏線が放置されることを擁護することが出来たかも知れない。
>だが『クローバー』は乙女ゲーとして販売された。
>恋愛部分が駆け足に過ぎるのは、女性向け恋愛ゲームとしてはやはり不足している部分があまりにも
>大きい。
>物足りなさを抱えつつも雰囲気を楽しんでいたプレーヤー達に送るダメ押しである後出し2部作宣言等の
>メーカーへの失望感も重なり、今年度の受賞は「クローバー図書館」で揺るがないものとなった。
>
>
>昨年度の反省に始まり、乙女ゲーム的クソゲーとは何か、というテーマを何度も議論された1年間だった。
>それはすなわち、荒れるソフトの少ない、平和な1年だったと言えよう。
>クソゲーなどない方が幸せなのだ。
>全てのソフトが乙女ゲーマーの満足度を満たせば、乙女版クソゲーオブザイヤーは静かに役目を終えるだろう。
>それまでは、その手元にあるクソゲーを嘆きつつ、突っ込み、笑いへと昇華させて、クソゲーを愛し
>クソゲーの魔力に取り憑かれた住民たちでともに愛でることで、供養しようではないか。
>
>
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