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第2話「運命の赤い眼鏡」」(2006/11/26 (日) 20:24:53) の最新版変更点

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地球 終、12月31日生まれの17歳、高校3年生。 父親はおらず、母子家庭で育つ。 成績は並。見た目も性格も普通。 ただ一つ他の人と違っていたのは、 彼には、爪楊枝職人になりたいという大きな夢があったのです。 ---- **第2話「運命の赤い眼鏡」 ---- 「ここか・・・」 僕は巨大なビルを見上げた。 あまりに高くて、首が痛くなってしまいそうだ。 面接は10時からだったけど、 緊張して、家にいても落着かないので、早く家を出てしまった。 原爪楊枝東京本店についたのは9時27分33秒だった。 てっきり工場だと思ってたのに、こんな高いビルだったとは・・・ それにしても、昨日は思い切って電話してみたけど、 面接となるとやっぱりどきどきしてくる。 どうしよう・・・引き返すなら、今だぞ・・・ でも、引き返したところで何が変わる? 今までと同じように普通の人生をおくるのか? それでいいのか!?終!! 「っ・・・そんなわけないだろ!」 僕は拳を強く握った。 この道は、僕が初めて自分自身で決めたんだぞ。 そんなことを考えていたら、いつのまにかビルの中に入ってしまっていた。 どうやら僕は、考えていると勝手に足が動いてしまうらしい。 困ったものだ。 とりあえず面接会場はどこか聞こうと思い、受付に足を向けた、 その時だった。 何か、柔らかいものが、肩にのった。 「何してるの?」 僕の心臓は止まった。 こんな風に言うと、死んだみたいだけど、 僕の心臓は、確かに止まったのだ。 一瞬。彼女を見て。 彼女は、女性というよりも少女のようで、 ただでさえ外見が幼いのに、ピンクのゴムで髪をしばっている。 余計幼く見える。 そして、なんと言っても1番目立つのが眼鏡だ。 赤く太いフレームの眼鏡は、会った人に強烈なインパクトをあたえるだろう。 その眼鏡の奥にある目に見つめられたら、 きっと巨大な怪物でも化石になるだろう。 白い肌にはところどころひび割れをしていた。 頬は、少し紅い。 彼女は聞き覚えのあるような声で僕の顔色をうかがうようにいった。 「君、もしかして地球終君?」 えっ、と声を出しそうになった。 彼女は、どうして僕の名前を知っているんだ? すると、彼女は続けて、 「あ、やっぱり!そんな感じがしたのよね。  ・・・私のこと、分かる?」 わかりません。 と、言う言葉を飲み込んで、恐る恐る聞いた。 「えっと・・・あの、どちら様でしたっけ?」 すると彼女はますます喜んで、僕を見た。 「私よ。まあ、わかんないのも無理ないけど・・・  会うの初めてだしね。でも・・・うーん、    私の声、聞き覚え、ない?」 その時分かった。 僕が昨日電話した時に出た、少女みたいな声の・・・・・・ 「あの時の!」 「ああ!ようやく分かってくれた?よかった~」 僕の顔を見て、彼女はほっとしていた。 「あのね、面接会場は、あっちだから。私がつれてってあげる!」 何にも言ってないのに彼女は僕の手を引っ張って歩き出した。 「あ、あの・・・」 しどろもどろになりながらついていくと、面接会場らしきところについた。 彼女はそのまま「じゃ、がんばってね。」とだけ言うと去っていった。 何なんだあの人は。 まあとりあえず座って待ってるか、 と思いそこにおいてあったパイプ椅子に腰掛けた。 辺りを見回してみると、僕のほかにもちらほらと人がいた。 9時50分。 なるほど。どうりで。 改めて見ると、僕のほかには中年の人ばかりだった。 僕のような高校生とか、大学生とかもいない。 ・・・・・ふ、不安だ。どうしよう。 そうだ。 よくよく考えてみたら、僕みたいな高校生が来るところじゃないんだ。 ココは。 っていうか、爪楊枝の会社に来る高校生なんて、いるわk 「あれ?終?」 **いたよ。 「何してんのー。こんなとこで」 「それはこっちのセリフだっ!何でお前がここに!?」 同じクラスの野宮裕二。 態度も背もでかくて僕の嫌いなタイプだ。 しかし、何かと僕につっかかってくる。 そして、自称僕の「親友」とわめいている。 そんな奴が、なんでここに・・・ 「オレ、ここの部長と知り合いでさ。いやー偶然だなあ。でも、なんで終が?」 「とにかくこっちこい!お前、声でけーんだよっ」 間違えた。 態度と背と声もでかかったんだった。 ホールまで無理矢理腕を掴んで引っ張っていったんだけど、 野宮は余裕の表情で、笑ってた。 むかつく。 むかつくむかつくむかつく。 なんで甘い物をいつも常備している奴が僕よりでかくて頭良いんだ! いっつもヘラヘラしてるこいつに何でっっ 「オレよりも終の方が声でけーと思うんだけど」 「名前を呼ぶな!アホ!!」 「ほら~」 ぶちっ 「ふざけんな!このー・・・」 「何してるの君たち!!」 気が付いたら僕はホールの真中で叫んでいた。 はっとして声のした方を見てみると、赤眼鏡のあの人が立っていた。 第2話「運命の赤い眼鏡」  終わり つづく。
地球 終、12月31日生まれの17歳、高校3年生。 父親はおらず、母子家庭で育つ。 成績は並。見た目も性格も普通。 ただ一つ他の人と違っていたのは、 彼には、爪楊枝職人になりたいという大きな夢があったのです。 ---- **第2話「運命の赤い眼鏡」 ---- 「ここか・・・」 僕は巨大なビルを見上げた。 あまりに高くて、首が痛くなってしまいそうだ。 面接は10時からだったけど、 緊張して、家にいても落着かないので、早く家を出てしまった。 原爪楊枝東京本店についたのは9時27分33秒だった。 てっきり工場だと思ってたのに、こんな高いビルだったとは・・・ それにしても、昨日は思い切って電話してみたけど、 面接となるとやっぱりどきどきしてくる。 どうしよう・・・引き返すなら、今だぞ・・・ でも、引き返したところで何が変わる? 今までと同じように普通の人生をおくるのか? それでいいのか!?終!! 「っ・・・そんなわけないだろ!」 僕は拳を強く握った。 この道は、僕が初めて自分自身で決めたんだぞ。 そんなことを考えていたら、いつのまにかビルの中に入ってしまっていた。 どうやら僕は、考えていると勝手に足が動いてしまうらしい。 困ったものだ。 とりあえず面接会場はどこか聞こうと思い、受付に足を向けた、 その時だった。 何か、柔らかいものが、肩にのった。 「何してるの?」 僕の心臓は止まった。 こんな風に言うと、死んだみたいだけど、 僕の心臓は、確かに止まったのだ。 一瞬。彼女を見て。 彼女は、女性というよりも少女のようで、 ただでさえ外見が幼いのに、ピンクのゴムで髪をしばっている。 余計幼く見える。 そして、なんと言っても1番目立つのが眼鏡だ。 赤く太いフレームの眼鏡は、会った人に強烈なインパクトをあたえるだろう。 その眼鏡の奥にある目に見つめられたら、 きっと巨大な怪物でも化石になるだろう。 白い肌にはところどころひび割れをしていた。 頬は、少し紅い。 彼女は聞き覚えのあるような声で僕の顔色をうかがうようにいった。 「君、もしかして地球終君?」 えっ、と声を出しそうになった。 彼女は、どうして僕の名前を知っているんだ? すると、彼女は続けて、 「あ、やっぱり!そんな感じがしたのよね。  ・・・私のこと、分かる?」 わかりません。 と、言う言葉を飲み込んで、恐る恐る聞いた。 「えっと・・・あの、どちら様でしたっけ?」 すると彼女はますます喜んで、僕を見た。 「私よ。まあ、わかんないのも無理ないけど・・・  会うの初めてだしね。でも・・・うーん、    私の声、聞き覚え、ない?」 その時分かった。 僕が昨日電話した時に出た、少女みたいな声の・・・・・・ 「あの時の!」 「ああ!ようやく分かってくれた?よかった~」 僕の顔を見て、彼女はほっとしていた。 「あのね、面接会場は、あっちだから。私がつれてってあげる!」 何にも言ってないのに彼女は僕の手を引っ張って歩き出した。 「あ、あの・・・」 しどろもどろになりながらついていくと、面接会場らしきところについた。 彼女はそのまま「じゃ、がんばってね。」とだけ言うと去っていった。 何なんだあの人は。 まあとりあえず座って待ってるか、 と思いそこにおいてあったパイプ椅子に腰掛けた。 辺りを見回してみると、僕のほかにもちらほらと人がいた。 9時50分。 なるほど。どうりで。 改めて見ると、僕のほかには中年の人ばかりだった。 僕のような高校生とか、大学生とかもいない。 あぁ ふ、不安だ。どうしよう。 そうだ。 よくよく考えてみたら、僕みたいな高校生が来るところじゃないんだ。 ココは。 っていうか、爪楊枝の会社に来る高校生なんて、いるわk 「あれ?終?」 **いたよ。 「何してんのー。こんなとこで」 「それはこっちのセリフだっ!何でお前がここに!?」 同じクラスの野宮裕二。 態度も背もでかくて僕の嫌いなタイプだ。 しかし、何かと僕につっかかってくる。 そして、自称僕の「親友」とわめいている。 そんな奴が、なんでここに・・・ 「オレ、ここの部長と知り合いでさ。いやー偶然だなあ。でも、なんで終が?」 「とにかくこっちこい!お前、声でけーんだよっ」 間違えた。 態度と背と声もでかかったんだった。 ホールまで無理矢理腕を掴んで引っ張っていったんだけど、 野宮は余裕の表情で、笑ってた。 むかつく。 むかつくむかつくむかつく。 なんで甘い物をいつも常備している奴が僕よりでかくて頭良いんだ! いっつもヘラヘラしてるこいつに何でっっ 「オレよりも終の方が声でけーと思うんだけど」 「名前を呼ぶな!アホ!!」 「ほら~」 ぶちっ 「ふざけんな!このー・・・」 「何してるの君たち!!」 気が付いたら僕はホールの真中で叫んでいた。 はっとして声のした方を見てみると、赤眼鏡のあの人が立っていた。 第2話「運命の赤い眼鏡」  終わり つづく。

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