ヤクシャ零 脚部

ヤクシャ・零


(C)SEGA

重量 装甲 通常移動 高速移動 加速 重量耐性 積載猶予 チップ容量
950 D- (1.25) D- (5.58m/s) A+ (27.00m/s) E-(5.16秒) D- (4250) 3300 0.5


「救いとなれ、果てた闘士達のために…。」

「月影・烈風」や「ガルムシリーズ」の躍進に怯んだ、ナクシャトラによる最後の切り札たるであろう、ヤクシャ型ダッシュ特化脚部モデル。
これまで機体パーツの外観に合わせたスラスターを製造、搭載してきたナクシャトラのパーツ群だが、これ等の拘りをかなぐり捨てて超大口径の無骨な新型ブースターへと換装。その結果ダッシュが「A+」と、ヤクシャ・弐初登場時におけるジョインジョインヤクシャァのトラウマがフラッシュバックするような性能に至った。でかい(確信
そして、ダッシュA+の比較対象は「シュライクV型」「アスラ」「アスラ・弐」「月影・新」だが、このどれよりも積載量が多いことが魅力。
ただし、積載量についてはそれぞれ月影・新とは20、アスラ・弐とは60の差であるに加え、両者とも加速がC-であるため、長距離移動勝負は分が悪い。

さらに、実装当初からのチートパーツと名高かった、前段階モデル ヤクシャ・弐/脚(以下、役弐脚と呼称する)と比べるとダッシュ1段階と引き換えに全ての性能が下がっている
特に痛いのが重量耐性が310も減っていることだろう。超過を起こさず役弐脚から切り替える場合には、武器のダウングレードを行わなくてはならない。どう見てもこのスラスターのせいですよね
そういった部分から、役弐脚による抜群のキメラ適性はすっかり消えてしまったと断言できる。

また、チップ数が「0.3」と、月影 烈風のチップ数「0.5」をさらに下回った。
このことから、胴を役or弐or零、もしくは腕を改or零にすると稼働チップ数5が確定してしまう。
つまり、フルヤクシャの最大スペックを引き出すためにセトボチップ2を付けたら、あとはコスト2しか残らないということ。
また、組み方次第では稼働チップ数4のフルヤクシャ(初or改/弐/改/零)という拡張性が零になるため、注意して組み立てよう。
なんにせよチップによる小細工はほぼ無しで戦うことになるだろう。

さらに、最低レベルにまで低下した歩行E+・加速E-も痛い点。
まず、歩行E+は屈キャン精度の低さを誤魔化せないレベルの遅さであり、屈キャンが不得手なプレイヤーが使用すると「あれ?遅い……?」となりかねない。
次に、アスラ弐腕による反動吸収に続き現行最低値・E-の2つ目となった加速は、手軽な操作による長距離高速移動を非常に困難なものとしている。
具体的に言うと、巡航加速に達するまでほぼ2秒掛かり、そこからほぼ4秒(巡航開始からほぼ6秒)掛けてようやく最高速、ないし終速による巡航に達する。
武のトレンドである、加速を活かした戦術には甚だ不向きで、素早く動く為には屈キャン等のテクニックが必須である。
おいなんか赤字だらけだぞ
それだけこのスラスターの制御が難しい&高性能であるという証左でもある
実際、極端な差のある低歩行・低加速・高ダッシュの脚部は、屈キャンが出来ると出来ないとでは体感速度も実際の速度も大きく違ってくる。
完璧に屈キャンを行えた場合の移動速度は、まさに韋駄天の如し。めっちゃ速いかんな!

性能を十全に発揮する為には、プレイヤー側に一定以上のスキルを要求してくるという、ある意味「エース級の腕前を持ったボーダー用」という設定を反映している…と言えるかもしれない。
弐「なんと極端なんだ…。もう少し、こう…何というか手心というか…」
零「痛くなければ覚えませぬ」
特に、加速は屈キャン次第とはいえプレイヤースキルではカバー不可能な要素である。
現在の流行であるガルム67等の高加速高ダッシュ脚部と張り合い、上回る為には、プレイヤー側の技量の高さが必要不可欠であろう。
低歩行からくる空中機動力の低下も、プレイヤー側の技量で補ってやらなければ不利が付くのは否めない。

とはいえ、ヤクシャが強力な理由の一つはダッシュのセットボーナスを保持していること。
これによって元々高いダッシュをさらに引き上げられるため、戦闘機動においては前述のパーツ群よりも圧倒的な速度を引き出せるようになる。
加えて、ダッシュAとA+の差は0.9m/sと非常に大きい(通常は1ランクの差は0.6m/s)。この差はコスト5のダッシュ3チップと同じである。
そこにセトボチップ2を組み込むことでダッシュは1.2m/s上昇する。

その結果、
重量超過無しでのダッシュ速度は28.80m/sとなり、
アスラ参が失ったダッシュSどころかダッシュS+の領域に到達することができるのである。
アスラ参の存在意義って…

…とまぁ仰々しく煽ってみたものの、現環境では加速もアセン構築において重要な部分を占めるようになっているため、E-という最低スペックは無視できない。
重量耐性も役弐脚ほど高いとは言えず、前述のとおりキメラ用脚部たる強みは消えてしまったが、ダッシュ性能に関しては他の追従を許していない。
このようにダッシュのみ一点強化のフルセット推奨の脚部という仕上がりになったため、万能キメラ脚部モデル・役弐脚の正当進化とはいえない別物として考えたほうがいいだろう。

どうしても超過が気になる場合は少ないチップ数を切り盛りし、セトボチップを1にダウングレード、重量耐性チップや脚部強化チップを組み込むという手も存在する。
セトボチップ1だけでもダッシュ速度は28.20m/s、さらに脚部強化を組み込めば28.50m/sになるため、ダッシュSを維持することは可能である。
そこに重耐1チップを加えれば、素の重量耐性を90だけでも底上げでき、最高速度こそ下がれど、多少の汎用性を得られる。
一考してみては如何だろうか。

ちなみに、フルヤクシャ構成ならば、多少の重量超過は素のダッシュ性能とセットボーナスの相乗効果で、半ば強引に無視可能だったりする。
例えば、フル零構成(ダッシュ系、セトボチップなし)で200程度超過しても、ダッシュAを僅かに上回る速度を維持出来る。
即ち、多少の超過に目を瞑れば、速度と充実した武装の両立が実現できるのである。
フルヤクシャの持ち味である超高速ダッシュこそ失われてしまうが、ダッシュA以上の速度を維持したまま、武装をそこそこの自由度で選択出来る。
そこをどう捉えるかで、この脚部モデルの評価が分かれるだろう。

パーツ単独で見た場合の競合モデルは、冒頭に挙げられているダッシュA+の脚部達と、月影・烈風。
特に、烈風の存在がパーツ単体というか…、この脚部でキメラを組む意義をほぼ消滅させている。
こちらが勝るのは積載170と微差の装甲と歩行。対して、烈風はダッシュ1段階とチップ0.2、そしておまけながら加速2段階こちらを上回る。
同じ「積めない代わりに速い」脚部同士なので、積載差170はかなり大きいのだが、あちらは素でダッシュS-となっているのがネック。
この種の脚部を選択肢に挙げる場合は、強襲兵装による高速凸機体を組む場合が殆どの為、キメラならば、より速い脚部に軍配が上がり易い。
また、ほぼ大差の無いパラメータはともかく、チップ0.2の差も割と響く。
積載差170を巧く活用しない限りは、零脚をキメラに組み込む意義はまず無いといえる。
やはり、フルセットで使ってこその脚部と考えて間違いは無いだろう。
フルセットならば、チップに頼らずに烈風のダッシュS-(27.75m/s)に肉薄する27.60m/sに到達する(ちなみに、アスラ・参は烈風と同じ速度の27.75m/s)。
そして上にもあるように、この脚はフルセット状態でセトボチップ1を挿すだけで、ダッシュ速度は28.20m/sに到達する。
これだけで烈風、参のダッシュ速度を簡単に上回る速さが手に入る為、余程の理由が無い限りは、フルセットでの使用を強く勧めたいところである。

流石にピーキー過ぎると判断されたのかVerXではチップ容量が0.2、歩行が1ランク上がり、20の軽量化が施された。
上記の烈風とのチップ差がなくなり積載差も190となったが、上記の理由に加えフル零で6スロ確保できるようになったためやはりフルセット運用が勧められる。



最終更新:2017年10月04日 21:50