Rワイヤーユニットβ

Rワイヤーユニットβ



板金鎧、胸の皮膚、胸郭、心臓――そんなものはすべて、
魂に直接触れられる魔道士が相手では役に立たない。


BB界のオリンピックとも言えるエースボーダー最終決戦(第4回目)に、全国のボーダー達が湧いた翌日…
事前の告知もなく唐突に現れたのは修理、再起動のみを目的とした普段通りの特別装備

ではなく

極めて異例な+攻撃付与系統であった


『エナジードレイン』
『あなたのブラストが戦闘した時、それの基本BPを+1200(秒間)し、相手ブラストの基本BPを-1200(秒間)する』
射程内の敵機に照準を合わせトリガーを引くと、ワイヤーに繋がれた機器が一直線に伸びて相手を微拘束する。
二機が繋がっている間、相手の体力を奪い自機を回復する。自機が全回復している状態でもダメージは入る。
リペアは一律で回復するが、敵へのダメージは装甲によって増減する模様。


詳しい説明に入る前に、まずはスペックを見てみよう。
そこそこの重量ながら
  • 効果範囲80m
  • 回復速度B
  • 最大持続時間15秒
  • リチャージ12秒

…そう、この性能配置、特に後半2つは
完全にユニット系統をジェノサイドしている。
特に素晴らしいのがチャージ速度で、系統2種ともに優れている。こちらに至ってはインジェクターβを抜き去り最速記録を更新した。
「使い切った状態で屈キャンを2セットしたらゲージが全快してた」という報告も上がっており、長い目で見た「使いたい時に使える」信頼度は随一。
ユニットなんていらなかったんや!


なんて上手い話だけで終わるわけがなかった


回復と攻撃を両立した新要素、表や数値からは分からない落とし穴が多々あったのだ。
このスペックにホイホイ釣られて実際に使ってみたとしよう。

この武装の目玉は「攻撃性能」であるから、貴方は手近な敵に照準を合わせる…まず、ここで想像だにしなかった自体が起こる
当たらない、本当に当たらない
個人のAIM力という不確定要素がありながら断言出来てしまう(一部の極まった人達は除く)のは、本武装の名前にある「ワイヤー」に起因する。
リペアユニットや重火力のUADは、レティクルに敵を収めなければイヤイヤするので射出されない(味方を修理しようとして、高速で手首をプルプルさせている支援乗りを一度は見たことがあるだろう)。
が、こちらは無機物であるためか、
何もない空間にも射出してしまうのだ
相手が居まいが、射出→限界まで伸びる→巻き戻し→収納というおよそ1秒(未検証)の動作が発生する。射出してから相手を捉え直す事は不可能なので、純粋なタイムロスとなる。
これがどういった感じかをワイヤー購入前に知りたいのであれば、リペアショットγを使ってみよう。
この仕様により、トリガーを連打する方法は全く有効ではない。むしろ狙い澄まして確実に当てるといったスナイパーの動きが求められる。
SEGA「ちなみに当たり判定はユニットやUAD系統と同じ(未検証)だから。」
解放条件であるインジェクターβも含めると、必要になるGPは少なくない。購入を検討している人は、まずはこの2つで使用感を確かめてみよう。
発射間隔1秒のハンデ付きでな

この強烈な洗礼を乗り越え、敵を捉えることに成功した。
「さぁ今から君をチュ〜↑ウ↓チュ↑ウ↓しちゃうぞ〜」と下卑な笑みを浮かべるも、それは決して長くは続かない。
この武装、超目立つのである
捉えた敵の腰を中心に、ふた回りほど大きな輪っかが現れる。するとワイヤーが発光し、さながら運命の赤い糸のように自分と敵機を繋ぐのだ。実際敵から見ると赤い。まぁロマンチック
ちなみに、ワイヤーを媒介してエネルギーを移送するという設定の通り、敵から自分へ、自分から味方へ、繋いだワイヤーを光の玉が伝わっていく様子が見られる。まぁファンタスティック
デカいフラフープ常に二者の最短を結ぶワイヤーがピカピカ光るおかげで、ワイヤーユニットを使用中である事はもちろん、自分の位置すら瞬時にバレる
これによって真っ先に集中砲火をくらうのは言うまでもなく、「障害物を間に挟み追撃(追従)を無効化する」誘導系の対策が 敵にとって一番やり易い仕様になっているのだ。

じゃあ何もない平坦な所なら使えるのか、というとまだ問題があってですね…
伸ばしたワイヤーと自機が絡まるのを防ぐためなのか、対象が正面90度(?)の外に出てしまうと
追尾を止めて勝手に戻ってきてしまう(高低差は未検証
目立つ射線により一方的な攻撃は不可能、ならばとインファイトに持ち込み相手の頭を飛び越えたりする運用も不可能。
相手を正面に捉え続けたままインファイトで翻弄する変態機動の使い手ならばあるいは……?

この筆者は
機動低下(後述)性能有り?→つまり劣化版スタナー→でもこっちは特別装備枠→偵察機を積んだまま出来るカラテ・ジツ(!?)
とwktkしてアクションチップを積み込んだが、上記の理由によりこれも悪手である。アクションを発動した時点で中断してしまうし。
更に非情な現実として「連続で攻撃を受けている時は回復しない」という厄介な制限はしっかり踏襲。
「これで貴様を捉えたぜ!(血まみれ)」
と物語の主人公よろしく格好つけてみても、躊躇なく☆やら象やら月光やら釘やら撃たれまくるので、タイマン時の回復はまず望めない。

+ 現状確認が取れていない話
あとは何だっけ…機動低下?
実装された当時のマップは凸のし易さで悪名を馳せたネソス島実験ドーム(しかも中央を更に複雑にした新マップ)であったため、隙あらばコアブレを狙うプレイヤーが多数参戦。殆どが軽量、標準脚で組まれていた。
その結果、戦場はヒットアンドアウェイの、文字通りハイスピードバトルといった様相を呈する事となり
…まぁ早い話が、ぶっちゃけ恩恵を受けたようには思えなかったと(ry
一応社務所の方に
『ホバーだとまともにジャンプ出来なくなる』
等の報告が上がっているので、ホバーや重量級になら有効打を与えられるかもしれない(チラッ
なお、重量級二脚でワイヤーを受けた場合、ダッシュ(地上挙動)に関しては然程遅くなったという感覚は感じなかった。元々遅いし。ジャンプ(空中挙動)中は未確認。
これはマグネタイザー系、ディスクシューター系(いわゆるスロー効果)を受けた状態と同じなので水上で喰らうと人知れず海底で大破する可能性が極めて高い(検証待ち)
ダリーヤの河ならディスクシューターRの1発でも6割近い耐久を削れるのでホバ脚は要注意
あとは、砂のマグネのようにリロード、持ち替えが遅くなるのか?といった検証を待っているところである(チラッ

「分かったよ!敵には使わないよ!」
という気分になった所へ、更に追い打ちをかけるのが自己回復の低さだ。
構えるだけで自分を回復してくれるのが通例であるが、この場合回復速度Bというのは嘘っぱち
どうもその効果はエナジードレインをしている時に限られるらしく、ただの自己回復ではRショットやインジェクターと同レベル(未検証)。
普段から低い物に慣れていれば話も違うだろうが「仕方なしに支援を出す程度で、使うのは専らRユニットやフィールドです」といったプレイヤーには辛いものがある。
味方の回復、再起動、敵へのダメージにはB(秒間1200?)が反映されるので、そこは安心。


ボロクソに書いているが、友軍へのリペア兵器として見ると、実はとても優秀。
遠距離まで届き、回復速度はB。
ライバルとなるユニットβはC+で、しかも50重い。
そもそも15秒も使えて12秒で回復するってのが、弱いわけがない。
世話焼きかつマメなボーダーにピッタリ!無鉄砲で放っておけないアイツの背後に寄り添っちゃおう!

…と思ってたらちゃんと弱点ありました。

まず前述した視点に関する問題。
視線を動かすとワイヤーが外れてしまうので、味方を修理する間、嫌でも目と目が合う瞬間を続けなければならない。
クリアリングができないというのはかなりのデメリットになり、好きだと気付いた敵が後ろから迫ってきても反応できない事がアッー!

次に使用時間の問題。
15秒というのは一番効率の悪い自己回復時の話らしく、再起動は2人が限界、全回復させようとすると、1人でほぼゲージを使い切る。
リチャージが早いので気にならないといえばならないが、知らないと面食らうのは必須。

敵ワフトローダーに打ったらドライバー(中の人)にヒットするらしい←降りたドライバーにワイヤーが絡まってた事例あり
↑ちょっと待て。この情報がもしほんとなら、敵ワフトローダーに1人しか乗ってなかったら、そいつを引きずり下ろしてワフトローダー奪い取ることができるってことなんじゃ……!?(高台からホバー機で飛び敵ワフトローダーの上に乗り続けることができれば……ゴクリ)


まとめ
早いチャージにより、定期的な味方の修理は得意。SP供給低い胴との相性もいい。
反面敵に対しての使用はかなり難易度が高い。
射線が通ってさえいれば80mまで届くので、有志の研究如何では化けるかもしれない。

+ 最近使い始めた人の意見
完全に人と組み合わせる装備を選ぶ。
装備とは支援の主:副武器。

射程限界は80mではあるものの、限界ぎりぎりでは信頼性に欠けるので実質70mくらいの印象。

ここでクエスチョン。
あなたの持っている主武器と副武器は、敵機まで70mの距離で生かせる性能を持っているのか?ということ。

イルミやラドゥガ、流行りのF70M等をお持ちの方は「YES!」と答えるだろう。
拡散小のライトニングやハガード等をお持ちの方も「何とかなりまっせ!」と答えるだろう。
でも、レイジスマックや我らがRX、往年の名機ワイスマなどを持った方は「NO」と言う人もいるかもしれない。
ちなみに筆者はRX持ちなので「NO」と言う。

拡散大以上の散弾では、プラント直径(32m)の倍以上離れている敵機には有効打を与えられないことが多いのだ。

これにマインやリムペ、バインドなどを手投げ設置型副武器としてもつと、至近距離以外の武器は何もない。
でもその距離で闘う味方への援護がしたい!と言うときに真価を発揮するのではなかろうか。

これを主武器で援護しようとして誤射+ノックバックなどさせようものなら大ブーイングだが、
ワイヤー系統ならば味方に当たった所で修理が始まるだけ。
さらに一度刺してしまえば正面に捉え続ける限り一律のスリップダメージが入るのだから、やってみる価値はあるはず。
更に自分が受けていたダメージは回復出来てしまうため、少し間を開ければ速いSP回復を利用して味方の修理ができる。
そう、味方との連携こそこの武器の真髄ではなかろうか。

味方との連携で輝く武器、と聞いてティンとくる御仁もいるかもしれないが、
ASG系統との相性が良いのではないかとは考えられないか?(実際に試験運用中、追記予定)

また胴のSP供給も重要である。
高くないといけないのではなく、高いともったいないのだ。
無論逆手に取りSP供給が無視できる、とも取れる。

一例として

使い切る前の回復時間(SP供給1.00計算)はβで10秒。
ロージーLM等SP供給E+(1.54)でも15.4秒。

対してSP供給C+(0.74)の回復時間は7.4秒。
そんなにドカドカ使うものではないため、これでは余ってしまう。
余らせていることが悪いことではないのだけれど、
ならばSP供給が高いことで強みを生かせるものを積んだほうが、ということになりがち。

そして一番やってはいけないことが
「自分が継続して被弾し続ける状態で敵機に対して使い続ける」こと。
つまり1VS1で向かい合っているときには使えない、ということになる。

他の自己修復機能搭載の装備同様、
ダメージを受け続けている状態では自機の耐久は回復しない。

つまり
「リスクとSPを消費してそんなに火力の高くない攻撃を延々し続けている」
ことになってしまう。
これでは本末転倒である。

要約するとワイヤーの使い道は

1.味方の修理&再起動
2.主:副武器の有効射程外で味方と交戦中の敵機への攻撃
3.主:副武器の有効射程外でこちらを見ていない or 気づいていない or 反撃できない状態の敵機への攻撃

となる。

上でも言われている通り、それなりのAIMと慣れは必要だが、
慣れれば味方の修理機材として使うだけでも十分な性能が出せる。
一度手に取ってみて使ってみるのも良いかもしれない。




最終更新:2016年10月19日 23:16