10 童話 はんしん村の ふたりのあにき

前回のお話:
普通からのがれることにあこがれていたとりたにだが、
はんしん村のめんめんの たくみな作戦により、ふつうというアイデンティティーをうしなわずにすんだ!
しかし、そのだいしょうとしてふってきたのは ひらのとのきまずい日々だった!

「めぐちゃんはどうやってアゴをかくしたのか」
わからない・・・わからないよあにきかねもと・・・!
とりたにの ねむれない夜はつづく・・・!


※この童話にとうじょうする じんぶつ だんたい ちめい あにきは すべてフィクションです。



たまには みんなで うみでつりをしたいんや!

あにきかねもとの そんな一言から はんしん村の人たちは うみにやってきていました。

秋になりかけた よくはれた日のことでした。


さかなをつりあげれば そのままその日のごちそうとなり、たのしいしょくじとなるので

みんなはがぜんはりきりました。


うつわのでかいあにきかねもとは じぶんがつりをしたいといいだしたくせに まっさきに

「ええ天気じゃのう」

といって ねむりについてしまいました。


あにきかねもとに くびをまくらにされたあかほしは、つりをしたいのにみうごきがとれなくなってしまいました。

かわいそうなあかほし。


とりたにはいつもどおり ふつうにつれたりつれなかったりでした。

いわのかげに しもさんがちらついているのは いつものことなので気にしません。


むげんのパワーをもつと言われる男、つるは 名前からしてつれそうだということで つれてこられていましたが、まったくでした。

さくらいは、じまんのパイプ椅子じさんで つりにいどみましたが、

とあるビッグヒットのさいに にくばなれをおこし 村にひとあし先に帰ってしまいました。


そんな のどかなつり時間も ひるになったころです。

ひるねするあにきかねもとのかおに ひとすじのかげがさしました。


とりたには きょうがくしました。

なんと なにものかが 木のぼうを あにきかねもとにふりかざして、

いまにもなぐろうと しているではありませんか!



「あぶない!」

だれかがさけんだ そのひとことで かんいっぱつ。

あにきかねもとは、なにものかによってふりおろされた 木のぼうをよけることができました。


…ま下にいたあかほしには クリティカルヒットしました。

ビクンビクンッ!こんな木のぼうなんかでっ・・・くやしいっ

…でも(ヘルニアが痛みを)かんじちゃうっ・・・!!


しばらくけいれんをおこしていた あかほしですが、ぴくりともうごかなくなりました。

きっといたみがひいたのでしょう。


あにきかねもとは とくにそれに気にすることも無く

こうげきしてきたにんげんを きっ、とにらみつけ こう言いました。


 「おう、おまえなにもんや。

  わしはこんな ひるからやみうちされるような うらみをかったおぼえはあらへんぞ。」


とりたには「おお・・・もう・・・」となにかいいたげでしたが しずかにしていました。

ころしやにかんして かなりくわしいやのは、「きっと まゆみがやとった ころしややな」と一人なっとくしていました。


そいつは にやりとわらい

「ひとのつりばしょで なにかってにさかなつりしとるんや。」

と言いました。


あにきかねもとは すかさずはんろんします。

「どこでつりしようが おれらのかってやんけ!ボケッ!」

まるでこどものけんかです。やれやれだぜ。


せきもとが すかさずあいだにわってはいりました。

「あにきかねもと、おちついて 話し合いましょうよ。」

さすがせきもと。だてにドMをはっていません。


するとなぞの男は

「へぇ、おまえがあの あにきかねもとか。ちょうどいいわ。

 せやな、おれと99番しょうぶしろや。」

と、なにを思ったのか しょうぶをいどんできたのです。


 「おまえが かったら これからもこのつりばをつかわせたる。

  ただし、おれがかったら、あにきのざは このおれ・じょうじま様のもんや。」



        __
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    l´(l|  u   .l、    .ll)`| な、なんだってー!!
    ヽ ll.    ´^ ^` u  .ll. /
     `'l.U  、.....ニニ....., u .|'´
      ヽ   ー―‐'   ./
      | ヽ _  ⌒ し,./ |



「あにきかねもと、ここはおちついt 「じょうとうやんけ!!やったるわ!!」

こうして、じょうじまとなのる男と あにきかねもとの、99番しょうぶの火ぶたが きっておとされた!!



しかし、しょうぶとよばれるには あきらかにあにきかねもとにふりなものばかりでした。

「しんのあにきというなら、どんなしょうぶであれ どんなあいてであれ かたなあかんやろ。」

そんなじょうじまのちょうはつに まんまとのってしまっ・・・

…いえ、うつわのでかいあにきかねもとにとって それくらいどうってことないのでしょう。きっとそうです。


勝負は、どんどんすすんでいきました。

ゴリラのものまねたいけつ、バナナのかわはやむきたいけつ、バナナはやぐいきょうそう・・・etc・・・etc・・・

はじめはふりだと思われていたあにきかねもとも、なかなかどうして かなりいい勝負をえんじていました。


しかしあにきかねもとがひっしになるのも、とうぜんの事でしょう。

ここでまけてしまっては はんしん村のみんなへの、じぶんのめんつが たもてないのですから。


とくに、78試合めのしょうぶである 「やせいのホームレス早しばき対決」では、

とてもはじめてのプレイとは思えない めをみはるかつやくをみせてくれました。


じょうじまも 「かいがんの石を遠投対決」「フィッシング対決」などでまきかえしたり、

「たき火のまえで がまん対決」では、あにきかねもとがあっとうてきな勝利をみせるなど、勝負は49勝49敗。

かんぜんに5分5分で、ついに99試合めにまでもつれこみました。


 「はぁはぁ・・・なかなか やるじゃないか あにきかねもと・・・。」

 「はぁはぁ、おまえもな。じょうじま。さいごの勝負はなんや。」

そしてじょうじまは さいごの対決のテーマを言いました。


 「これだけはやりたくなかったが・・・99試合目はこれや!『こぶしとこぶしで たおれるまでなぐりあい対決』!!」

    ざわ・・・


         ざわ・・・


ふたりのあいだに しおのにおいがする 秋のかぜがふきました。

まさにいっしょくそくはつ。あぶらがあったら もえてしまいそうです。


 「おうとりたに、合図だせや。」

 「・・・おれはいつでもおっけーや・・・。」

そんなやりとりがおこなわれ・・・


とりたにのあいずで ふたりはボコボコとなぐりあいをはじめました。

ばきっ!ドゴォッ!!

…とてもシュールでした。


しかし、しばらくしたころ。

やはりねんれいてきな物でしょうか。あにきかねもとにつかれが見え始めたのです。


ジョジョに てんかいが いっぽうてきになってきました。

「あかん・・・あかんで・・・!やっぱフィジカルの差はでかいんか・・・!

 こんなん、なぐりあいちゃうで!ただのいっぽうてきなぼうりょくや!

 もう見てられへん!!」←せきもと


 ---だれか、だれでもいい!じょうじまをとめてくれ!---

あかほしいがいが そうねがった そんなときでした。

なんと、じょうじまに なにかがへばりつき、スピードをうばっているのです!


「あれは・・・あれは・・・!つ、つらいさん!」

ドドドドドドドド

「つらいさんッ!いきていたのかァーッ!!!!」←せきもと

つらいさん「チッチッチ!」

「じごくを きさまに two ride death(意味不明)」


つらいさんは またたくまにじょうじまをはがいじめにしました。

「はなせ!!はなさんかいコラァ!!」

じょうじまは さけびます。

しかし つらいさんははなしません。


つらいさんはおおごえでさけびました。

「あにきかねもと!これまでの あくぎょうのかずかず、ゆるしてくれとはいいません!

 しかし、ぼくは しゅぎょうをして うまれかわりました!」


つらいさんは つづけます。

「ぼくは あたらしいじぶんをてにいれました!

 ぼくはもうつらくない!もしあなたが、ぼくをみとめてくれるなら!

 『あらい(新しいつらいの略)』と、そうよんでください!

 『あらい』はかならず、あにきかねもとのやくにたってみせます!!」


あにきかねもとは こぶしをふりあげて いいました。

「(なんかよくわからんけど)でかしたで!『あらい』!!」


そして、うつわのでかいあにきかねもとは

「うおおおおおおおおお!しにさらせやああああああ!!」

はがいじめされ むていこうなじょうじまに、おもいっきりなぐりかかったのです!


そのときです。

あらいとよばれたことがうれしかったあまりに 力をぬいてしまい、じょうじまのはがいじめがとけてしまったのです。



かいほうされたじょうじまは、めをちばしらせて あにきかねもとにむかって



いくと思いきや ふりかえり、

しょうぶのじゃまをした あらい?をボッコボコにしはじめました。


あにきかねもとも、なんかよくわからなかったので あらいさんをボッコボコの人生サヨナラホームランにしました。

「つらいです・・・つらいです・・・」

しくしくとすすりなくつらいさんをよこめに、あにきかねもととじょうじまは すっきりした顔。

ふたりには、ふしぎな しかしたしかな友情がめばえていました。


じょうじまは てれくさそうに ほっぺたを ポリポリかくと、こういいました。

「こんかいは ひきわけや。いきなりでわるかったな、あにきかねもと。この勝負 あずけるわ。」


あにきかねもとは ニッコリ とわらい こたえました。

「おう、いつでもこいや、じょうじま。・・・いや、おまえは、ジョニキや。」

ジョニキ・・・?なんだかよくわからなかったけど、
とりたには こんかいはじぶんも まゆみばりにくうきだったので、だまっておくことにしました。


しかもけっきょく その夜は、どさくさにまぎれてしもさんが ほとんどさかなをかっぱらったため、

とりたにがまた がんばってつった魚を みんなでわけて食べました。


あにきかねもとは なにやらジョーきげん。

よくうごいたから おなかもすいたのでしょう。



ほんとにくうだけだなこいつ・・・。



いっけん ボコボコにされただけにみえたつらいさんも、

今回、えんまんかいけつに ひとやくかったということで、こんどこそ はんしん村にもどってこれたのです。

ひろばでの 大漁パーティーがおわり おのおのは 家にかえっていきました。


いえに帰ったつらいさんは、

「もどってきたからといって、うかれてはいけない。これからが ほんとうにがんばらなければいけない時期だ」

とじぶんをいましめていました。

じつは ほんとうに ほんとうに、成長したようです。


つらいさんはけついをかため、はやめにとこにつくことにしました。

ふとへやをみまわすと、うつわいっぱいの水が むぞうさにおいてある。


「ん?なんだこの水。まぁのどもかわいたし くいっと飲むか。」




         お  し  ま  い  。





次回予告:

どうとんぼりで たおれていたおじさんを たすけた、はんしん村のめんめん。
おじさんは「カーネル」というなまえいがい、すっぱりわすれてしまっていました。
しばらくはんしん村でかくまってあげることになりました。

しばらくして、いしはらとなのる男が はんしん村にやってきました。
いったいどういうかんけいなのか!

『カーネルおじさんと空とぶキャッチャー』(変更の恐れあり)

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最終更新:2009年12月08日 21:30
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