5 童話 あにきかねもとと不思議な世界

前回のお話:
しもさんのかつやくもあり みごと あくのみちにすすむまゆみ村長を たすけだしたあにきかねもと。
しかし 日に日に バラのかおりがつよくなっていく はんしん村。
いったいひらののあごには なにがはいっているのか・・・
あにきかねもとの ねむれない日々は つづく・・・。

今日もちんたらと そこそこのしごとをなんとなくすませた あにきかねもと。
じかんもあいたので、ふもとの どうとんぼりにさんぽにいきました。

どうとんぼりには、とらとうが やたらとものをふほうとうきするので、たくさんのものがながれついています。
『人のものは おれのもの。』
あにきかねもとの びのてつがくです。
たまに べんりなものがながれついていたりするので あにきかねもとはそれをめあてに ひろいにくるのです。

そうこうしているうちに、あにきかねもとは 川のふちで なにかきらきらひかるものを みつけました。
そこには、じぶんのすがたがさかさにうつしだされる いたのようなものがありました。

「なんや、これ。」

そういって いたにふれたしゅんかん まばゆいひかりが あにきかねもとをつつみました。
きがとおくなる あにきかねもと。
きがついたときには すでにゆうがたでした。さっきのいたは もうなくなっていました。

「いったい さっきのはなんやったんや・・・」

あにきかねもとは ふしぎに思いましたが、とりあえず村にかえることにしました。

そして、村にかえったあにきかねもとが見たものは ちょっとおかしなものたちでした。

村のいりぐちで、こまったかおをしているのは 村のふるかぶ ひやまでした。
うつわの大きいあにきかねもとは、こまったかおをしているひやまを たすけてあげようと思いました。

そして なにかおれいをもらおうと思いました。

ちかづいてみると、なんとそこには さまざまな村から
「ひやまくんの力をみこんで ぜひ手だすけをおねがいしたい」
というてがみを たいりょうにもらってこまっている ひやまのすがたがあるではありませんか。

あにきかねもとは あとずさりました。
「ちゃう・・・こんなんひやまとちゃう・・・!こんなんちゃうやろ・・・!!」

その声にこっちをみたひやま。するとひやまのかおが どんどんあおざめていきます。
いいえ、せいかくに言うと あにきかねもとのうしろをみて あおざめています。

つられて うしろをふりかえるあにきかねもと。そこにはどんでんのすがたがありました。
どんでんはいんきょしているはずでしたが、いったいどうしたのでしょうか。

つかつかとひやまの方に あるいていくどんでん。

「しねええええええええええええええ!!!!」

なんと、どんでんは あっとうてきなパワー、スピード、ばせいをもって
しんしんともに ひやまをぼっこぼこにしだしたのです。

「そらそらそらそらそらそらそらそらそらそらそらそらそらそらそらそらそらそら
そらそらそらそらそらそらそらそらそらそらそらそらそらそらそらそらそらそら
そらそらそらそらそらそらそらそらそらそらそらそら!!」

ドガドガドガドガドガドガドガドガァッ!

「そら・そうよ(さよならだ)」

ドグシャァッ!!

ぼろぞうきんになりはてた ひやま。

それを見たあにきかねもとは せんりゃくてきてったいに うってでました。

おそろしくて にげだしたわけではありません。

はしってはしって、たどりついた先は村のひろばでした。

村のひろばで またしてもありえないこうけいを まのあたりしにます。

「今日のたきだしだ えんりょなくくってくれ。」

そこにあったのは、おおきななべに いっぱいの(いぬ?)なべりょうりをこさえて
みんなにくばっているしもさんのすがた。

そして、たきだしをおおく手に入れようと まわりをなぎたおして もうぜんとかけぬけるせきもとのすがた。

あにきかねもとは ぜっくしてしまいました。
じぶんのしっているはんしん村とは おなじようで まったくちがうのですから。

そこにあらわれたのは、いかにもたよりになりそうな するどい目をしている あついまゆみ村長でした。

「どうしたんだい、あにきかねもと。」

まゆみ村長に かたをぽんとたたかれました。

いつものあにきかねもとなら はんしゃてきに ぶんなぐっているところでしたが、
気がどうてんしていたので みすいにおわりました。

「…ろうほうだね(にっこり)」

まゆみ村長は、なにも言ってないのに、そうつぶやくと どこかにさっていきました。

あにきかねもとは とりあえず家にかえって やすむことにしました。

すると、もういないはずのつらいさんのこやから なにやら人のけはいが。

そこにはなんと はなから なぞのえきたいをきかさせたものをすって しあわせそうなかおをしている つらいさんがいました。

もういい。もうつかれた。あにきかねもとはなんとか家にたどりつきました。

しかし、まだまだふしぎは あにきかねもとを休ませてくれません。

家のまえでは、あかほしととりたにがじぶんの家のまえで まちかまえていました。

あにきかねもとは いぶかしげなかおをしながら

「おう、どけや」

といいはなちました。

するととりたには

「へぇ、今日は つよきじゃん」

そういうと、にやにやしながら こづいてきました。

あにきかねもとは とつぜんのことだったせいなのか なぜかよろけてしまいました。

「おいとり、おまえコラ、ぶんなぐるぞ。あかほしも なんかいったってくれ」

するとあかほしは、みみに手をあて いかにもきこえてませんと言わんばかりのジェスチャーをしながら

「(マイクが)入ってねぇ~んだよ~wこのやろうw」

といいながら またこづいてきました。

うつわのでかいあにきかねもとも これにはぶちぎれ。

やせいの あかほしが あらわれた!
あにきかねもとの くびをひねるこうげき
こうかはいまいちのようだ
あかほしの レッドスター
こうかはばつぐんだ!
あにきかねもとはにげだした。

あかほしのくびは いじょうなほどがんじょうになっていました。

とりたにもあかほしも なにやら 力づよい かんじがします。

あにきかねもとは いのちからがら 家ににげこむと、つっかけをとびらにつけて たてこもりました。
今日のはんしん村は いつもとなにかが さかさになっているのです。

ちなみに、ひらののあごは とくにへんかはありませんでした。

よくあさはやく、あにきかねもとはあたりをみまわしながら いえからでてきました。

とりたにとあかほしはもういません。いたらさすがにこわいですが。

あにきかねもとには こんなことになった心あたりが二つありました。

ひとつは けさ どうとんぼりでみつけたあの さかさにじぶんをうつす、きらきらひかるいた。
あれにふれたあとに なにかがおかしくなったのだ。

そしてつらいさんのかおにうかぶ onuzim という いつもとはさかさにうかびあがっていたきごう。

あにきかねもとはそれらをふまえ おもいました。
「あのいたは この にたようでちがうせかいの いりぐちやったんや・・・!
 しんじられへんけど それいがいかんがえられへん。
 なにかだいじなところが さかさになっている!」

あにきかねもとは こそこそとはしりだしました。

こんどまた あかほしやとりたにに見つかってしまっては 足ではきっとかないません。

…とちゅうで なにかふんずけたあにきかねもとでしたが、ふりかえりましたが ぼろぞうきんしかおちていませんでした。

そのときです。

「おう、まてよおい!wまてってこらぁ~w」」

うしろから とりたにとあかほしの声が きこえてきました!

しまった、みつかった!

あにきかねもとは、ぜんりょくではしりました。

こんなにぜんりょくプレーをするのは いつぶりだろうか。とかみょうなことを考えるよゆうは あったみたいです。

しかし いつまでたってもあかほしととりたには おいついてきません。

おかしいとおもい ふりむいたかなり先にはなんと

じぶんとおなじか それいかのスピードではしる ふたりのすがたが。

そうです。
じぶんのたちばだけでなく、ふたりのはしるはやさも ぎゃくてんしていたのです。

「はぁはぁ・・・まてやコラァ!」

とりたにのこえが むなしくひびきます。

なんなく ふたりをふりきったあにきかねもとは どうとんぼりにたどりついていました。

あのふしぎないたは やはりありませんでした。

あのいたこそが このせかいのヒントだったのに・・・。

がっくしかたをおとしたあにきかねもとに なにものかが話しかけます。

「さがしものは この“かがみ”かい?」

ふりむいたさきには まゆみ村長がいました。あのふしぎないたをもって。

「・・・そのいたは どうしたんですか。」

あにきかねもとはききました。

まゆみ村長はこたえます。

「今日、きづいたら へやにおいてあったんだ。
 しっているかな。これは“かがみ”というものらしい。
 しんじつをうつしているように見えるが、うつっているものは じつはなにかがちがうんだって。」

あにきかねもとはいいました。

「そのかがみを おれにわたしてくれませんか。
 ここは おれのすむせかいと おなじようでちがう。
 まるでそのかがみがうつす せかいのように。」

するとまゆみ村長は

「このかがみのむこうにみえるせかいのわたしは とてもかなしそうなかおをしているね。
 こんなかおをしているわたしなんて わたしじゃない。
 こんなものが見えてしまうものなんて なくなったほうがいい。」

と言いはなち、いきおいよく どうとんぼりにむかって かがみをほうりなげたのです!

「あかん!」

あにきかねもとは そうさけびながら ひっしで“かがみ”とよばれるものにとびつきました。

さわれたかさわれていないか。水りゅうにさらわれてしまいました。

そのままぜんごふかくになったあにきかねもとは、そのままいしきを手ばなしてしまいました。

 ・・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・
 ・・・・・・・

「…………と……あに………」

「……きかねもと、おきてくださいよ あにきかねもと。」

あにきかねもとは その声で いしきをとりもどしました。

めのまえには とりたにのかお。
とりたにが かるくとらうまになってしまっていて びびったあにきかねもとは 

「ふえぇっ・・・!!」

なさけない声をあげながら ずざざざざ、とあとずさりました。

そんなあにきかねもとに、とりたには ふしぎそうなかおをしながら言いました。

「やっとおきましたか。
 あにきかねもと、なんで こんなところでなにねてるんですか。
 もうゆうがたですよ。はやくかえらないと、みんなしんぱいしてしまいます。」

そういったとりたには ふりかえり はんしん村のほうへあるきだしました。

あにきかねもとも

「ゆめ・・・やったんか・・・?」

そうつぶやくとたちあがり とりたににつづいてあるきだしました。

これからはもうすこし、とりたにやあかほしに やさしくしようかな、と考えながら。


れんらくだらけのひやま
ひやまが きらいなどんでん
ゆうふくな しもさん
じこちゅうな せきもと
たよりになるまゆみ村長
いじめっこなあかほしととりたに

みためはおなじでも まったくちがう。
ちがうものにふれて またじぶんもせいちょうするのです。


しばらくして あにきかねもとは あまりたいまんなさぎょうはしなくなった(かも)
といわれだしました。
サブミッションやてっけんせいさい、もうだショーもくりださなくなりました。


そしてまたみっかもしたころ 

はんしん村に またあかほしのひめいがひびいたのは 言うまでもない。

  お  し  ま  い  。


じかいよこく:
はんしん村に いっぴきのちわわがまよいこみました。
あにきかねもとはそのちわわに ふじもととなづけました。
しかし とりたににはなぜかあまりなつかないようす。
いったいつらいさんはいまどこにいるんだー!!(変更の恐れあり)

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2009年10月18日 21:29
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。