※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

アナザヘヴン2







題名:アナザヘヴン2 VOL.1~4
作者:飯田譲治/梓 河人
発行:角川ホラー文庫 VOL.1-2 2003.11.10/VOL.3-4 2004.01.10 初版
価格:各\514

 殺害した死体の脳を料理して食うというマッドクック事件から十ヶ月後に始まる本書。オリジナル小説版での早瀬や飛鷹の刑事コンビに、TV版連続ドラマ『アナザヘヴン ecripse』の主人公、吾郎、紀子を加えて、まさに小説から映画TVとメディアミックスのプロジェクトとなったシリーズだが、小説として完結させたいという目論見で書かれたもののよう。

 そこのところの関係がよくわからないままに、まあ小説の続編という気持ちで読み始めてしまったが、いきなり主人公が吾郎という設定に違和感。監督が小説と映画のどちらもプロデュースすると、彼の中では同じ一つの流れでありながら、メディアをまたがないぼくのような読者には不親切になってしまう。このあたりにもう少し小説読者への気配りが欲しかった。

 『アナザヘヴン ecripse』は、連ドラを見るのには辛いぼくは、少しだけチェックしたものの、途中からだったしよくわからず見るのを辞めたという気がする。映画版と話も登場人物もダブらないのかと思った。映画で原田芳雄演じた飛鷹の存在感が、小説でもなかなかの味を出しており、そのアナログなオヤジ度が、こうしたホラー、ファンタジー系の話の中に融合して、あくまでリアルな世界と強引に繋げてゆくところが、飯田譲治・梓河人プロジェクトの全作に共通した魅力だとぼくは思っている。

 オリジナル小説『アナザヘヴン』のマッドクック事件ほどの面白さがなく、壮大な予言、神秘、宇宙、不老不死といった、スピリチュアルなテーマのため、ぼくの最も苦手とする小説タイプでありながら、まあオヤジでも読めるキャラクター重視、最後にはきちんと感動させてくれる手腕、というのはこの共作作家たち、さすがと言わせるところ。『幻魔大戦』ほどに教条主義臭くなく、それ以上に親しみやすい若さ、平易な文章、会話のめりはりと言ったところで、こうした種類の小説も着実に進化を遂げていると感じさせてくれる。

 珍しく追いかけてしまっているFADV外SFホラー系日本人作家である。

(2004.02.15)