鵟(のすり)の巣


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題名:鵟(のすり)の巣
作者:逢坂剛
発行:集英社 2002.6.30 初版
価格:\1900

 作家が堕ちて行くのを目撃するのもいくら慣れて来たとは言え、その程度があまりにもひどいと読んでいてさすがに疲労を感じる。読んでいてひどく悲しい。こたえる。

 百舌シリーズと言って売り出したいのはわかるけれど、あくまで本来の百舌は『百舌の叫ぶ夜』『幻の翼』の最初の二冊だけ。あとは百舌なんて登場しないのだ。伝説だけで引きずってゆけるほど読者は甘くない。

 もともと百舌シリーズは、公安シリーズというより大きな枠の中の二作だけ。本作もいわゆる公安シリーズの延長にあるわけだ。だが、作家として多作になった昨今は、笑えないコメディに走ったり、毒もないブラックに走ったりと、さすがにぼくも見捨てている逢坂剛。年輪を増して枯れてくるのならまだしも多作に走るとどうなるかという見本のような作家に成り下がっているのが瞭然。

 この作品だが、全巻通して、全然めりはりが感じられない。作者の仕掛ける謎はすべて読者の想像通りのお粗末なもので、かつて逢坂剛の武器といわれたどんでん返しがどこにもない。

 あるのはいやらしい警視庁内の軽いぶつかり合いと、官能小説に出た方が良さそうなお手軽な美人女性警視。だれでも思いつくようなストーリー展開に二流の登場人物たち。かつての百舌が倉木が泣いているとぼくは思う。

 (ちなみに【ノスリ】という字は外字で造るしかないのか? 当て字なのか? 狂うという字の変なカンムリの下に鳥です。内容が内容なだけにどうでもいいことだけど。