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空白の時


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題名:空白の時
原題:The Empty Hours (1962)
著者:エド・マクベイン Ed McBain
訳者:井上一夫
発行:ハヤカワ文庫HM 1979.01.15 1刷

 おっとこの本は変だぞ、表紙折り返しの登場人物紹介がないぞ、と思いきや、なんとこれはシリーズでは珍しい中編集なのである。考えてみれば、いつも<87分署>を手に取るときに、ぼくはまず登場人物紹介を見るのであった。えーと、今回の話ではどの刑事が活躍するのかな、刑事以外のわき役的人物などの名前などはないかな? などというチェックをまずは済ませるのだった。

 ハードカバーに比べて文庫本の読みやすい点は、もちろん小さくて軽くて持ち運びに便利な点もあるけれど、登場人物紹介というページの楽しみ方にもある。日本人にとって英語の名前は覚えにくいものだし、名前で判断できなくなった場合には折りにつけ、この登場人物紹介に眼をやるわけである。特に東ヨーロッパ圏や、中国、ベトナムあたりの名前は、こうしたページがないと、実に苦労する。

 この本には、その人物紹介欄がないわけだ。中篇小説三本立てによって一冊の本となっているものなのだった。どれも大体100ページ弱。やはり雑誌などに発表されたのをまとめたのだろう。前作からの時間的な繋がりがないばかりか、クレアもまだ生きていたりする。つまりどの話も、シリーズの外伝といったところである。

 当然一つ一つの話は長篇に較べてやや軽い。

 表題作『空白の時』は聞き込みによる謎解きだなのだが、チャンドラーの『湖中の女』を読んでいる人ならば若干トリックの類似性を感じるかもしれない。

 次なる中編『J』は死体のそばの壁に書かれた「J」という文字。ユダヤ人を主題にしている作品なので、マイヤー刑事が駆り出される。Jはジーザスともジューともとることができる。

 最後の中編『雪山の殺人』は一番外伝らしいと思える作品。なぜって、コットン・ホースが休暇で雪山にスキーをしに出かけて遭遇する事件なのである。だからアイソラの街も他の刑事たちもこれには出てこない。ちょっと毛色が変わっていて、ぼくなどはその辺を逆に楽しむことができた。

 大いに気に入っていると言ってもいい。

(1990.06.11)