エド・マクベイン Ed McBain / エヴァン・ハンター Evan Hunter / カート・キャノン Curt Cannon
《87分署シリーズ》は1956年生まれだ。ぼくの誕生年がちょうど同じその年である。それからぼくがずっと生きてきた間じゅうずっと、このシリーズは続いてきている。ひとりの作家が成し遂げた仕事としてみれば、これは驚くベき偉業であるように思われる。
このシリーズは、今、その最初の作品から読み始めたとしても、面白さが時間の経過により損なわれるということはあまりないだろう。確かにその時代、時代の特色というのは背景として伺うことができるものの、人がやらかすこと、ましてそれが犯罪であったり男と女の愛憎のもつれであったりする場合には、時代がどんなに移って文明が進歩したとしても、それほど大きな変化はないものである。
とりわけそれが大都市のことであればなおさらだ。そう考えれば<87分署>という名の古くて新しいシリーズが今もなお錆びつくことなく、この時代まで生き長らえてきたというきわめて希有な現象も、さして不思議なことではないように思われる。
87分署シリーズ
ホープ弁護士シリーズ
- 金髪女 1978
- 黄金を紡ぐ女 1981
- 美女と野獣 1982
- ジャックと豆の木 1984
- 白雪と赤いバラ 1985
- シンデレラ 1986
- 長靴をはいた猫 1987
- ジャックが建てた家 1988
- 三匹のねずみ 1990
- メアリー、メアリー 1992
- 小さな娘がいた 1994
- 寄り目のテディベア 1996
- 最後の希望 1998
長編小説
短編作品集
エヴァン・ハンター名義
- 暴力教室 1954
- ジャングル・キッド 1956
- 逢う時はいつも他人 1958
- 若い野獣たち 1959
- 歩道に血を流して 1963
- ペーパードラゴン 1966
- ハナの差 1967
- 去年の夏 1966
- 悪党どもとナニー 1972
- 冬が来れば 1973
- 黄金の木 1974
- 大人ってなに考えてるのかな(児童書) 1976
- 命あるかぎり(「命果てるまで」へ改題) 1976
- 魔の拳銃(「拳銃(ガン)」へ改題) 1976
- 殺意の盲点 1977
- 盗聴された情事 1994
- 秘匿特権 1996
- 犬嫌い(短編集)
カート・キャノン名義
- 酔いどれ探偵街を行く 1958
- よみがえる拳銃 1958
クレイグ・ライス遺作を完成させたもの
エズラ・ハノン名義
リチャード・マーステン名義
- 恐竜一億年(児童書SF) 1953
- ビッグ・マン 1959
ハント・コリンズ名義
最終更新:2007年06月19日 21:57