ガン・ロッカーのある書斎


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題名:ガン・ロッカーのある書斎
作者:稲見一良
発行:角川書店 1994.10.11 初版
価格:\1,400(本体\1,359)

 これこそ稲見さんのラスト・ブックなのだろう。ひょっとすると読めないのかもしれないと思っていた、 10 年前の連載エッセイがこんな形でハードカバーになってくれたことが、まずは嬉しい。

 『ミス・マガ』に連載された『ガン・ロッカーのある書斎』が約四分の一、残る四分の三を『モデルガン・チャレンジャー』という雑誌に連載された『ミッドナイト・ガン・ブルー』というこれも同質のエッセイが占める。前者が後者の一部のような感じなので、若干のダブりがあるのだが、前者にない銃以外のナイフ、その他の武器についても後者は語っている。

 銃器、ナイフ、その他の武器というフィルターを通して見た稲見一良流小説・映画論とでも言うべきか。映画はやはり西部劇・アクションものが多く、『男は旗』の章題がすべてマックイーンの映画タイトルで占められていたことなど、なるほどと思わせる。ペキンパーの『ワイルド番地』の決闘シーンで全員が銃口を外側に向けていた事実、同じペキンパー映画『ゲッタウェイ』で一箱 25 発入りダブル・オー・バックを買ったマックイーンが正確に 25 発撃った後、散弾銃を捨てて拳銃を取り出した事実……等、ぼくなどの及びもしなかった映画的リアリズム、またその逆の現象が明らかになってゆく。ペキンパー・ファンとしてはたまらんのである。

 小説も同様でライアルやヒギンズの銃器の正確さに比してマクリーンやチャンドラーの不正確さなどが例に取られている。ま、そんなひどく偏った切り取られ方をされてしまった映画や小説なので、それなりに遊び心で楽しめる方向けの、そして小説家になる前の稲見さんに興味を覚える方のための一冊であろう。

 この本を読んで最も直接的に結びつく作品は『ソー・ザップ!』だと思ってしまった。

(1994.11.22)