三日やったらやめられない



題名:三日やったらやめられない
作者:篠田節子
発行:幻冬舎 1998.11.15 初版 1998.12.1 2刷
価格: \1,500

 日経新聞連載コラムを中心にした、エッセイ集。

 ぼくは、好きな作家の本であれば、エッセイでも何でも読んでみたいという傾向があって、とにかく網羅しなければ気がすまない。篠田節子はそうした作家の一人なので
一冊も欠かさずとにかく読む。

 篠田節子という人は作風もそうなのだけれど、とにかく発想玉手箱みたいな人だと思える。お役所勤めから小説家になった女性作家であり、その作風は男勝りであり、エンターテインメント性には事欠かない。とにかく興味の尽きない作家の一人。

 そういう作家が小説から少し離れて、現実との接点の多い立場で文章を綴ったものがエッセイであるから、それなりに作品の裏の顔であるとか、作家的興味の向かう方向であるとか、そうしたことをぼくは少しでも知りたい。

 もちろん小説の面白さはエッセイには見つからないけれども、小説との関わり具合のようなものは、かろうじて見つけることができる。

 この人の初エッセイからは、意外に真剣にエッセイに取り組む姿勢が見える。だからこそ多くのことに真剣に取り組む姿勢が、この人の作家的資質なのだと知ることができる気がする。

(2000.01.16)
最終更新:2007年02月07日 23:56