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ローレンス・ブロックのベストセラー作家入門



題名:ローレンス・ブロックのベストセラー作家入門
原題:Telling Lies for Fun & Profit (1981)
作者:ローレンス・ブロック Lawrence Block
訳者:田口俊樹・加賀山卓朗 
発行:原書房 2003.01.29 初版
価格:\1,500

 巨匠ブロックの小説入門ということで、役に立つかどうかはともかく、どんな内容なのだろうと最初のページを繰ってみた。するとスー・グラフトンによる序文がまずあり、これを読んだだけで、本書がとても面白そうだと感じ、読み始めたのだが、あまりの内容の面白さと読みやすさ(流石!)に脱帽しつつ、尊敬する世界レベルのエンターテインメント作家の抽斗を覗かせてもらった。

 小説家をめざす本ではあるものの、むしろ活字中毒者であれば誰が読んでも楽しめる内容であると思う。ブロックが自身の作家人生を振り返り、数々の失敗例も詳らかにしながら、だんだん作家として腕を磨き、今に至った状況を楽しく読んでゆくことができる。

 またよくできた小説はなぜ面白く読みやすいのか、という技術的な側面や、アイディアをどうやって収集
しているのかなどは、具体例を出して解き明かしてくれるので、これまた必見、ではない必読! 通常の読書においてもこの本一冊をこなしておくと、今後手に取る本(ましてやそれがミステリーであれば)読む楽しさが倍増するのではないかなと思う。

 欧米の作品市場と日本のそれとが少し違う部分などもあるので一部未訳割愛されているとのことであるが、この一冊を見る限りさほど欧米と日本の小説作法そのものは変わらないように思うし、日本の現役作家に改めて読んでいただきたいようにも思うくらい。

 ましてやこれから小説を書く人、今、小説家を目指して創作活動に勤しんでいる人にとっては、バイブルとなってもおかしくない本である。

 1981年の出版なので、現在のブロック先生にも続巻を期待したい。タイプライターに向かいたまえという彼のこの本でのアドバイスが、果たしてPCに向かいたまえとなっているのか、モバイルにとなっているのかなど、興味は尽きない。だが、きっと小説を取り巻く環境や本の市場や形態(電子出版など)は、変わっても文章作成の決まりごと、小説というものの骨や肉である部分に関しては不変の部分も多いだろう。

 そんな切り分けがブロック先生の包丁さばきでどんなになるのかは、是非拝見してみたい。

(2014.11.23)