骨の祭壇



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題名:骨の祭壇 上/下
原題:Alter Of Bones (2011)
作者:フィリップ・カーター Philip Carter
訳者:池田真紀子
発行:新潮文庫 2013.7.1 初版
価格:上\710/下¥750

 シベリアの強制収容所で不老不死の薬(らしいもの)を隠してある骨の祭壇。この薬を持ち出した<守り人>一族の女レナの四代目の子孫であるゾーイ・ドミトロフと潜入捜査官ライ・オマリーが世界を股にかけ、薬の行方、骨の祭壇の場所を求めて突っ走る、活劇に次ぐ活劇で綴られたとっても古典的な冒険小説であるが、正直、劇画チックな荒唐無稽が、ぼくにはとても合わなかった。

 不老不死の薬とか骨の祭壇といったインディー・ジョーンズばりの大法螺話を骨子に、サンフランシスコ、パリ、ブダペスト、サンクトペテルブルク等々を駆け回っては、追いつかれ銃撃で逃げ、の繰り返し。その中で、マリリン・モンロー殺害事件、ジョン・F・ケネディ暗殺事件の真相が、まるでグリコのおまけみたいに軽々しく露わになってゆく。壮大な大法螺話が好きな人には、いいのかもしれないが、とてもついてゆけないし、何が面白いのか、ぼくには、どこにも何も探り当てることができなかった。

 覆面作家らしいが、ラドラムなどを読んでいた頃ならこの物語もぼくは面白いと感じたのだろうか? いいや、とてもそうは思えないな。残念ながら、ここまで派手だと小説というより、コミカルな喜劇にしか思えなくなってくる。

 別の棚に並べて欲しい本。時間の無駄。お金の無駄。

 あ、唯一楽しめたところがあるのを思い出した。パリで二人が追い回されて逃げるシーンがあるのだが、セーヌ川から、モンマルトルに逃げ、サクレクール寺院を抜けて、ロープウェイ下の急坂の階段をバイクで走り下りるシーンが、旅行で経験したあたりだったので、観光客として少し楽しむことができた。ちなみにモンマルトルを初め地名は出ていないが、明らかにそれとわかる表現で非現実的な逃走を繰り返しているのだ。わはは。

(2013.09.26)